焼き直し本
えうりでぃちぇさんとkeyakiさんのBlog、興味深く拝読させて頂きました。
今年はこういった書風の、初心者でも気軽に手に取りやすい・・というのをウリにした?『オペラ入門書』が数冊出版されたようですね。
でも悲しいかな、どうやらネタは、10年ほど前に出版されていた新書版、若しくは単行本の『焼き直し』と言っても過言ではなさそうですね。
評論家やインタビュアーも、演奏家が来日してきた時を狙っての取材という形をとっているようですから(=つまり、わざわざ海外に出かけての取材・・は、してなさそうですものね^^;)
おのずと情報も古くなっていくでしょう。
10年も経てば、引退した人もいれば、再婚して別のパートナーと一緒に再来日することもあるでしょうし、残念ながら、亡くなってしまった方もいらっしゃいますよね。
焼き直し出版自体、それでお金を取ってもいいものか??と思いますが、『新刊本』として出版する以上は、きちんとデータの裏づけは取ってから、出すべきでしょう。
そして、10年前との最大の相違点は、インターネットの普及によって、『評論家』や『インタビュアー』以上に、個々の演奏家のファンの方が、その演奏家についての情報を多く持っている可能性が大きい・・ということではないでしょうか?
ホフマンに関しては、私がファンになった時には、既に病気で引退した後だったということは、あとになってわかったことだったんですけど、これは、日本で出版されている本の情報だけでは知りえなかった事実です。
ネットがなければ、真相は闇の中でしたわよ(^_^;)
>基本的に信頼して読む書物です。事実の裏付けは全く無い上、
>この文章、他者に対する尊敬と同情心が欠如している雰囲気を醸しているのが
>悲しいです。
全くその通りですね。情報の裏づけもなく、興味本位の憶測のみで、仰っているような本が出版されるのは、恐ろしいものです。
情報過多の時代といえ、『本』を出版する、若しくは『モノを書く』時には、必要な情報はきちんと整理したうえで形に表すべきです。
ついでにもう一つ^^;
仰っている著者の文章、構成がめちゃくちゃでしょう?^^;
自分にしかわからない〜〜みたいな書き方だし、なにかと代名詞が入り組んでいますしね。
以前、家族がこのひとの文章を読んで、「こんな書き方しか出来ないのは、プロじゃない。こんなのでお金を取るのはもってのほか」って怒ってましたよーー;
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>インターネットの普及によって、『評論家』や『インタビュアー』以上に、個々の演奏家のファンの方が、その演奏家についての情報を多く持っている可能性が大きい・・
その通りだと思います。逆に言えば、以前は読者は信用するしかなかったということですよね。執筆者や編集者が自らを知識・情報の独占者であり提供者であるとして、思い上がっているということの証拠でもありますね。でも、とりあえず目下そういう時代は過ぎ去ったという自覚はあるのだと思います。おそらくその種の指摘が出版社に寄せられることも多いのではないかと推測します。それが、最近読者カードをつけない書物が増えている原因のひとつではないかと邪推します。ネットにホームページを持つ企業も増えていますが、某日本を代表する(と思っているに違いない)音楽関連出版社のホームページには電子メールによる問い合わせ欄がありません。各部署の電話番号が記載されているのみです。保守的、排他的、かつ、高踏的体質を感じます。読者あっての出版社という意識はゼロのようです。売れさえすれば、後は知らないという態度に徹しているのが明白です。「依らしむべし、知らしむべからず」の実践者のようです。
疑問点に関しては、上記出版社に限らず、諸々の出版社に葉書を出した経験がありますが、誠実な反応があったのはほんの一部でした。小さな有名でない出版社のほうが誠実だと感じます。もちろんこの音楽出版社さまはナシのつぶてです。電話がお好きなようなので、思いきってやってみました。態度としては丁重かつ誠意がありそうなのですが、不思議な反応も多々あり、対応編集者の真意は不明でした。奇妙に感じたのは以下のような発言です。
読者からの手紙は忙しいので見ません。(問題の一文は事実無根の上、誹謗中傷ではないかという質問に大して)こういう書き方は、執筆者の持ち味であり、これで売っている先生ですから、誹謗中傷には当たりません。難病のことは知りませんでしたが、知っていたとしても、「病気で引退」と書くのは差し障りがあります。「脱落」のほうが問題がないと思います。(ことばに対する感性に疑問ありですが、それは置いておきます。しかし、後で思い出したのですが、「栄光のオペラ歌手を聴く」という同じ出版社から出ている本には、ちゃんと「難病で引退」と書いてあるのです。)
投稿: euridice | 2004/12/18 08:08
ヴァランシエンヌさん、お話の本を含めて、おっしゃるところの「入門書」類は立ち読みでざっと拝見しただけなのですが、焼き直し本とのご評価は残念ながら正しいと私も思います(だから買いませんでした)。
情報量云々の話をうかがって、数ヶ月前の某音楽雑誌の質問コーナーで、ある歌手についての消息をファンが尋ねているのに対する評論家の非常におざなりな回答を思い出しました。その歌手は去年の(多分今年も)バイロイトでも歌っていましたし、高名なリートの音楽祭シューベルティアーデにも出演していましたし(来年も出ます)、EMIのオペラ録音に参加するという話もあったはずですが、回答した評論家先生は、「よく分からない。声に変調をきたしたと聞いたけれど、だから録音も減っているのだろう」ですませていたのです。声に変調をきたしたのならば、なぜ今バイロイトやシューベルティアーデで活躍しているのかという疑問もありますが、手間ひまかけて一所懸命手紙を書いて返ってきた答えがこれなのならば、ネットで検索した方がはるかに実りがあったというものでしょう。
>仰っている著者の文章、構成がめちゃくちゃでしょう?^^;
>自分にしかわからない〜〜みたいな書き方だし、なにかと代名詞が入り組んでいますしね。
まさに、私の書く文章の欠点を挙げられているような気がして、耳が痛くなりました。(^^; 反省……。
えうりでぃちぇさんとkeyakiさんのBlog(Keyakiさん、はじめまして。ユルシュールと申します)も拝読いたしました。
最近の日本の音楽評論の傾向として、評論家自身の嗜好を前面に押し出し、また人によっては、自分の好みに合わない演奏を切り捨てるような風潮があるように感じます。最近活躍している何人かの評論家の、自分の好みでない演奏を何の躊躇もなく、口汚く罵る(と申してもよいでしょう)評論と比べると、話題のご本はまだ穏やかな方なのではないかと感じてしまうのは私だけでしょうか。
毒舌と誹謗中傷とは似て非なるものでありましょう。好きな演奏家であれ嫌いな演奏家であれ、最低限の敬意を払って論じてほしいものだ、とここ数年とみに思うユルシュールです。
……すみません、私も熱くなってしまいました。
投稿: ユルシュール | 2004/12/18 18:13
ごめんなさい、先ほどの私の書き込み、後で読み返して誤解を呼ぶものだと我ながら感じましたので……。言い訳がましくなりますが、連続で失礼します。
>最近活躍している何人かの評論家の、自分の好みでない演奏を何の躊躇もなく、口汚く罵る(と申してもよいでしょう)評論と比べると、話題のご本はまだ穏やかな方なのではないかと感じてしまうのは私だけでしょうか。
私は件の記述が穏やかであったとか、まだ許容範囲であると申したかったのではなく、この記述以上に悪意の強い、毒舌批評というよりは罵詈雑言と呼びたいような性質の評論が多いように感じる、ということを申したかったのです。毒舌は毒舌で別に良いのです。それが、論理的かつ理性的な、きちんとした音楽批評になってさえいれば。
件の記述もそうですが、演奏そのものだけでなく、演奏家の人間性まで(悪い意味で)云々するような評論には、正直申してげんなりしてしまいます。
えうりでぃちぇさん、例の出版社のホームページにメール欄がないとは初めてうかがいました。批判・不満・意見は電話で伝えよということなのでしょうが、旧いですね。手紙を読まないというのも信じ難い……当然、その内容が評論家氏に伝えられることもないということでしょう?いやはや何とも……。何とか、意識改革があってほしいものです。
投稿: ユルシュール | 2004/12/18 18:44
気楽な啓蒙書にしろ入門書にしろ、ゴシップ誌とは一線を画していただいきたいものです。「毒舌」も「辛口」も正しい専門知識と正しい情報の裏付けがあってこそのものだと思います。断片的聞きかじりの情報をもとにでっちあげるのは恥ずべき行為だと思います。そういう書き手さんは、三文小説家に転向なさるべきでしょう。
現在「音楽評論家」と言える書き手はほとんど存在しないように思います。ついでに言えばほんとうに光る何かを引き出せる「インタビュアー」もいませんね。たわいもない質問しかしないものだから、ろくな回答を引き出せていないにもかかわらず、単行本が
出版され、文庫にまでなる。一旦コネをつかめばあとは・・の世界のようです。おまけに翻訳(通訳)の文体がなんとも軽薄な風情を醸しているものが多いのも嘆かわしいです。
自分をことを棚に上げてなんだ<|( ̄0 ̄)o> ですが、私は少なくとも職業として書いているわけではございませんので、ご寛容に願います^^;m(_ _)m
投稿: えうりでぃちぇ | 2004/12/18 21:53
ヴァランシエンヌさん、十八日付の弊Blogからこちらに、トラックバックさせていただきました。
えうりでぃちぇさん、
>「毒舌」も「辛口」も正しい専門知識と正しい情報の裏付けがあってこそのもの
全く同感です。
かく申す私も、専門知識などはほとんど持たず、すぐに主観で書いてしまう方で、いつも書いてから反省しています。
ただ、自分の好みではない演奏や演奏家について書く時、その演奏家を大好きな人が必ずどこかにいるのだということを念頭に置いた上で、感想などを書くようにできるだけ心がけている(媚びる、ということではありません)つもりではあるのですが(これはプロ云々というより文章を書く時の礼儀のような気がするので)……ちゃんとできているのかどうか、自信がありません。
投稿: ユルシュール | 2004/12/19 01:22
えうりでぃちぇさん、ユルシュールさん、沢山の書き込み、ありがとうございました。
私の見解は、本日のBlogで改めてお話してありますので、宜しかったらお読みになってみて下さいね。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2004/12/21 09:02