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戦時下日本のドイツ人たち

集英社新書 上田浩二・荒井訓 著

(2004年9月10日 (金) 記 『何見た?何読んだ?!』から転載)

この本は、日中戦争の始まった1937年から、第二次世界大戦終了後、占領軍による在日ドイツ人の本国送還が決まった1947年までの約10年間の『戦時下』に、日本で過ごしていた在日ドイツ人の方々24人に対するインタビューがメインとなっています。

当時の在日ドイツ人は約3000人、その多くは、歴史に名前が残るような人たちではなく、留学生や仕事で来ていた人、兵士、また上海へ行くつもりだったのに、船の行き先が急に変わって日本へ流れ着いた人などのごく『普通の人々』だったとか。

多くの方は、東京や横浜で暮らしてたそうですが、空襲が酷くなるにつれ、軽井沢や箱根の強羅などの保養地へ疎開なさったそうです。

ちなみに現在の在日ドイツ人は約4000人だそうですから、時代背景を考えると、かなり多くの方が日本で暮らしていたことになります。

当時日本で暮らしていたということは、インタビューを受けた方々は、もうかなりのご年配ということになりますけど、当時の奮闘振り、苦労したことなどを(著者のまとめ方の手腕もあるかと思いますが)決して湿っぽくならずに、さらっと語っているところがよかったです。
ちなみに著者は、(今はどうなのかしら?)某国営放送のラジオ講座で、何度か講師を務めてらっしゃる方々です。お二人の講座は、なかなか面白かったですよ〜(#^.^#)

貴重な歴史の証言という面も持っていますが、異文化で暮らしている自分にとっても、教訓になることが色々。
どんな環境でも前向きな考え方の人たちが多かったことに、西洋人のバイタリティを感じます。
見習わなくっちゃね(^^)v 

お気に入り度・・★★★★★

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