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MON-ZEN

ドリス・デーリエ監督(Dorris Doerrie)
(1999ドイツ映画 原題:Erleuchtung Garantiert 英語タイトルは"Enlightenment Guaranteed  劇場公開は2002年)

MON−ZEN公式サイト

久しぶりにこういう、ディティールの細やかなセンスの良い映画を見た気がしました。抱腹絶倒、ハラハラドキドキ、でも妙にしんみりする部分もあるし、見終わった後は何となく爽快気分・・といった感じです。

(以下ネタバレ有りです。ご了承下さいね)

外国人から見たトウキョウって、確かにこんな感じがするかも(笑) 特に誇張されているという感じではないと思います。
(私も今や、まともに目的地へ辿り着けるのか、不安ですもの・・^^;)
24hr営業中のキャッシュディスペンサーだって、そういえば日本語だけだったり、日本のカードしか受け付けない・・ですよね(^^; これなら外国人は確かに戸惑うかも(笑)
(実際には、カードをそのまま吸い取られるってことはなく、多分出てくるんでしょうけどね^^;)

『どうして禅寺なのかしら?』というのがミソなんでしょうね。
兄弟の会話が、禅寺での修行を受ける前、受けている最中、受けた後・・どの部分にも『禅』と通じる、哲学的な思考が見え隠れしている気がして、そういうところに監督はインスパイアされたのかな?と思いました。

石川県の能登地方には、よく行きました。毎年夏には、能登でキャンプをして・・という時期が何年か続きました。門前町にも、この映画の舞台となっている総持寺にも行った事があるので、とても懐かしかったです。

それにしても、プロローグ部分?ミュンヘンでのこの兄弟(特に、お兄さんのほう)の生活ぶり、日本のサラリーマンの生活にも通じるような・・(^^;
でも、(おうちの中は片付いてなくっても)キッチン周りのインテリア、何故かお揃いの兄弟のネクタイの柄、それにさりげなくリモアのスーツケース(!)が使われている辺り、センスの良さを感じます。

実はこの映画を見てみたかったのは、女流監督のドリス・デーリエさん(1955年、ドイツ、ハノーファー生まれ)は近年オペラの演出も手掛けている方だから・・というのが一番の理由です。
現在の所、オペラ演出は以下の3つですが、どれも話題作(問題作?^^;)となっているとのことです。

彼女、映画監督としてだけではなく、作家やエッセイストとしても側面も持ち合わせているのですね。
こういう多彩、多才な女性には、凡庸な男性(失礼^^;)からのジェラシーがらみのバッシングもきっと多いんでしょうね・・

『コジ・ファン・トゥッテ』@ベルリン国立歌劇場(プレミエ・2002年)DVDも出ています。
『トゥーランドット』@ベルリン国立歌劇場(プレミエ・2003年)
『リゴレット』@バイエルン国立歌劇場(プレミエ・2005年)
バイエルン国立歌劇場のサイトでは、プロモーションビデオも見られます。

舞台にかかっているうちに、どの演目も実際にこの目で見てみたい!です。

アメリカでこの作品のDVDをお探しの方はこちらをご参照くださいね!

(私は字幕の心配があったので、日本から取り寄せました^^;)

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映画」カテゴリの記事

コメント

ヴァラリンさんもご覧になったんですね^^;
そう、お話上手というか、「禅」の小理屈が多いにしては最後までうまくひっぱってくれます。

門前にいらしたことがあるんですね。それは余計におもしろかったことでしょう。あの辺は半分ドキュメンタリーらしいですね。お坊さんたちはあそこの本物の人たちということですから。東京vs田舎の禅寺、どちらも本当の日本なんですね。日本人の私にとってもそういうのってなぜか新鮮です。

ミュンヘンの場面は、日本のサラリーマンの日常との共通性も感じると同時に、なんというか「日本の・・」とおそらく違う、乾いたユーモアと私たちとはちょっと異質な個人主義が見えるような気がしました。

私の場合は、この監督の映画は、偶然だいぶ前に見たことがあったのです。オペラの演出が話題になって、はじめてそれに気がつきました。かなり気に入っていたもので、邦題「愛され作戦」直訳すると「だれも私を愛してくれない」ってところかしら。いわゆるオールドミス(古い^^!)の今時のマスコミ語で言えば、「自分探し」、そして意外に身近に存在した幸せ(お相手)に気がつくというありふれたお話なんですが、不思議に引き込まれます。

関係ないと言えばないんですが、日本映画、周防正行監督「ファンシーダンス」。これも禅寺修行の話ですが、違った意味でおもしろいですよ〜〜 本木雅弘主演。アメリカ人のお坊さん(本物です)がちょろっと出てくるんですが、なんと私の知り合いでして、びっくりしました^^;

こんにちは。映画MON-ZENは見たことないのですが、公式サイトだけでも十分おかしいですね!笑えました。これは見なければ!
こういった映画を作った流れの中で、トゥーランドットのような日本をベースにした演出を手掛けたんですねえ。あれは大爆笑オペラでした。

edcさん、フンメルさん
コメント&TBありがとうございました。

>なんというか「日本の・・」とおそらく違う、乾いたユーモアと
>私たちとはちょっと異質な個人主義が見えるような気がしました。

ああ、それは確かにあるかも(笑)

>「愛され作戦」
こちらも見てみる予定です(^^;他にも日本語字幕付のものってないのかしら?
(結構ハマってるかも^^;)

フンメルさん、
公式サイト、笑えますよね(^^;結構気に入ってしまいました・・
彼女の『トゥーランドット』が、東洋に対する興味本位のイメージだけで作り上げたものではない(だろうと想像してます。フンメルさんの記事からの印象ですけど!)ということがわかると思います。
色んな分野の方が手掛けるオペラの演出って、悪い面ばかりではないでしょうし・・

ご覧になったら、是非感想をお聞かせ下さいね。お待ちしてます。

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