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オペラ歌手と年齢 その2

まず、昨日の私の記事について、いくつか補足しておきましょう。

私がこの記事を書いたのは、単純に『素朴な疑問』の提起です。
このブログは決してオペラだけを扱っているブログではありません。
他の話題を楽しみにして下さっているお客様や、こっそり読んで下さっている方もいらっしゃいます。

コテコテのオペラファンならば『常識』と思えることでも、一般の方から見たら『何それ?!』と思うような『非常識』な常識がまかり通る世界がオペラです。そういう点にちょっとだけ、素朴な問題提起をしてみたわけです。
【おそらくシロウトオペラファンの方なら、一度くらい思ったことがあると推察しますm(__)m】

と、前置きも書きましたけど、どうやら語弊があったかしら?

【私自身は、オペラ入門時にお世話になった、’84シュタイン盤『マイスタージンガー』の配役+プロフィール表を見て『ゲッ?!騎士ヴァルター、40歳過ぎてるよーー;』とか『ザックスよりもヴァルターの方が、2歳年上なのって・・なんか変じゃない??』
(J.イェルザレム・・1940年生まれ、B.ヴァイクル・・1942年生まれ)
と、かなりショックを受けた記憶があります(^_^;)】

この部分にも補足が必要ですね。『最初に』キャストのプロフィール表を見た時のことです。
一般常識から考えたら『変?!』と思いませんか?若い騎士ヴァルターが、壮年期のザックスよりも年上の歌手が演じるなんて・・
その後で映像を実際に見ていくうちに、メイクや衣装のお陰で、この映像に関しては特に違和感がなくなりましたけど。

>人間の「声」のトレーニングや声帯の「安定度」を考えて欲しいと思います。
>台本には確かに年齢の指定こそありますが、それをいってしまうと、上演できるオペラ、一つもなくなっちゃいます(;_ _)。

お心遣い、感謝したい・・ところですが、一応オペラファンのはしくれ、何年か関わっていれば、いくら私がボンクラオペラファンでもそのくらいは『常識』としてわきまえております(^_-)-☆

この点に関しては
>ヴァラリンさんも別に役そのままの年齢の歌手を望んでなんかいらっしゃらないと思います。
とedcさんがフォローして下さってます。
当たり前のことです。

さて、
>若い頃から大きい役をバリバリ歌いまくると、声は確実につぶれます。
>ホフマンの場合もその例に漏れないと思います。

に関しては、ほぼ姉妹ブログな関係であるedcさんが、本日の記事で取り上げてます。
私の言いたかったことも全て代弁して下さいましたから、私は他の点の見解とレスに専念したいと思います。

じぃ。さん:
>60になってもすさまじい歌を歌っている「大歌手」が今、この時代を生きて素晴らしい「演奏」を与えてくれることにじぃは感謝したいです。
>デヴォールやシュナウト、バルツァ(来シーズン、ヴィーンでオルトルートとクンドリに挑戦します)をじぃが追っかけるのもそこにあります。

私は限られた観劇の中で、まだネームバリューがない若い歌手、でももしかしたらこれからブレイクするかも?!という可能性を秘めた『大事な宝物』を偶然見つけた瞬間の幸福感を得ることが出来たことに感謝したい気持ちが強いです。

大歌手の実績よりも、若い歌手の可能性の方が、今の私には魅力的なのです。
そういう若い方が、チャンスを手にしてブレイクしていくわけでしょう。輝いている瞬間を共有したい・・です。

keyakiさん:
>才能のある歌手は、2、3年もすれば、主役級の役をバリバリ歌い始めるわけですから、普通ですと25とか26歳くらいでしょう。

仰る通りだと思います。特に低音域の歌手の場合、劇場専属時代の若い時は本当に小さな役しか回ってこないでしょうしね。ちょっと調べてみると、『え〜〜っ、こんなオペラのこんな役まで歌ってるの(^_^;)』というような端役が多くてビックリ(@。@;です^^;

(低音域の宝物が見つかった為に、つい色々とリサーチする羽目に・・^^;)

テノールと違って、こちらは『年の行った』役が多いこともありますしね。

>「オペラ歌手と年齢」については私もとても関心がある話題です。

是非ブログで取り上げて下さい!!楽しみにしてます(^_-)-☆
・・とお願いしたら、早速取り上げて下さったのですね!ありがとうございます。

ユルシュールさん:
>「ヴァーグナーの重い役は年をとってから」というのは意外と近年の“常識”なのかもしれない!?

最近は、若い時(ここで言う『若い時』とは、20代後半〜40代前半のことだとご理解下さい)にモーツァルト、若しくはロッシーニ歌いとして名前が知られていた人が、50代になってヘルデンテノールと呼ばれる傾向がありますものね。
役作りも音楽性も全く違う方向に、そんなに簡単にシフトできるものなのかしら??

それこそ、単なる愛好家にすぎない私がヤキモキするのは・・ね(^_^;)

ユルシュールさんも、ご自身のブログで取り上げて下さいました。

さらにYUKIさんも取り上げて下さいました。
皆様、ありがとうございます。

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オペラ」カテゴリの記事

コメント

>最近は、若い時(ここで言う『若い時』とは、20代後半〜40代前半のことだとご理解下さい)にモーツァルト、若しくはロッシーニ歌いとして名前が知られていた人が、50代になってヘルデンテノールと呼ばれる傾向

つまり、理想的なキャリアの進め方ってわけでしょう^^;

表現的な歌唱、つまり役になりきって没入し感情移入するような歌唱は、声に悪い、つまり声の消耗をはやめるという説も目にしたことがあります。そこで、最近は、役に没入せず技術重視で歌う傾向が強いとか。それならば、音符を音に正しく変換するだけのことでしょうから、どんな役でも同じってことだと思います。前者のような歌い方、役へのかかわり方は、映画俳優などにもあるように、人格の崩壊という危険と隣り合わせでもあるわけです。語弊を招く危惧を抱きつつあえて言えば、後者のようなサラリーマン的な関与の仕方が現代的でスマートな「声楽家」の生き方と言えるのかもしれません。(あえて声楽家と言わせていただきます)

私の拙いコメントにお返事下さり、ありがとうございます。
ついつい昂奮して書き込んでしまったものの、私みたいな初心者の小娘が先輩方に割り込んで偉そうにあんなことを書いてしまってよかったのか、恥じ入っております。

>『最初に』キャストのプロフィール表を見た時のことです。
そういうことでしたか!ごめんなさい、すっかり誤解しておりました。
私がプロフィールなどで歌手の年齢を見てもたいして驚かなかったのは、子供の頃バレエを観ていたせいがあるかもしれません。十六歳のオーロラを十六歳のバレリーナが踊るのは稀ですし、また不思議なことに、十代・二十代のバレリーナが踊るオーロラよりも、四十代・五十代のバレリーナが踊るオーロラの方がはるかに若々しく初々しいということがあるのです。それが芸の力であり、舞台の魔法なのだと思います。それとオペラとを一緒にするな、と言われてしまえばそれまでですが……。
オペラの場合、映像はともかく舞台では、歌手はまずは歌唱力、そして演技や所作で(実演で体験したのですが、いくら美人の若手歌手でも所作が汚いと本当にがっかりします)、若さを表現してくれれば……と思います。エリーザベト・グリュンマーが五十代の時に演じたエーファはまさに十代の娘に見えた、という話もありますし。

歌手の若い頃、というのもちょっと誤解していました。私は前のblogでコメントを書かせてもらった時、「若い時」というのを二十代~三十代前半くらいに想定していたのです。
えうりでぃちぇさんのblogにも書かせていただいたのですが、多くの歌手の全盛期は三十代から四十代にかけてなのではないか、と思っていたので……。

>若い時にモーツァルト、若しくはロッシーニ歌いとして名前が知られていた人が、50代になってヘルデンテノールと呼ばれる傾向
少なくとも昔のドイツでも、三十代くらいまでモーツァルトものなどで活躍したようなリリック・テノールが加齢と共にヘルデンな諸役にシフトしてゆくということはあったようです(ex:ペーター・アンダース)。「ヴンダーリッヒが若死にしたせいでその伝統が途切れてしまった」と語っていたのはフランシスコ・アライサだったと思います。

私は、長いキャリアを誇る大歌手の至芸も、若い歌手のフレッシュな芸も、どちらも存分に楽しみたいと思っています。

横レス、失礼します。
>それとオペラとを一緒にするな
なんて、言いません。前の記事のはじめのコメントに
書きましたが、舞台物は、役年齢より、演者の年齢が
高くなるのは当然です。映画だって、例に漏れないでしょう。
>それが芸の力であり、舞台の魔法なのだと思います。
その通りです。何度も言って済みませんが、役年齢と
同じ年齢にこだわっているヒトなんて、それこそ、余程子どもっぽい方はいざ知らず、普通はいないと思います。

オペラ歌手のキャリアの進め方は、ヒトそれぞれだと思います。みるほうとしては、すばらしい舞台で感動させてもらえれば、感謝!です。

私も自分のBlogで便乗させて頂きました~。
リンクも貼らせて頂きました。(^o^)
最初は設定年齢と歌手の年齢の隔たりが凄かったのでちょっと戸惑ったかも。。。(^^;)

ヴァランシエンヌさん、私のBlogでも便乗させていただきました。
こちらからトラックバックしようとしたのですが、どういうわけかできなかったので(前まではできたのに……)、リンクを張らせていただきました。ご確認のほどお願いいたします。

edcさん、
>何度も言って済みませんが、役年齢と
同じ年齢にこだわっているヒトなんて、それこそ、余程子どもっぽい方はいざ知らず、普通はいないと思います。
それはもちろん分かっております。私、何だか書かずもがなのことを書いてしまったかもしれません。
>みるほうとしては、すばらしい舞台で感動させてもらえれば、感謝!です。
全く同感です。

みなさま、TBありがとうございました。

edcさん☆
>最近は、役に没入せず技術重視で歌う傾向が強いとか。
なるほどね。没個性のアラワレとも言えるかも。

>>みるほうとしては、すばらしい舞台で感動させてもらえれば、感謝!です。

そーのーとーおーり・・です^^

ユルシュールさん☆
ユルシュールさんのことを
>初心者の小娘が先輩方に割り込んで偉そうに
などとは思ってませんので、ご安心下さいな^^
趣味の世界のことを語るのに、キャリアは関係ないと思います。

こちらこそ、シロウトの素朴な疑問に、これだけたくさんの率直な反応を頂けて、嬉しく思ってます。

>いくら美人の若手歌手でも所作が汚いと本当にがっかりします
その通りですね。私も立ち居振る舞いが拙いと、がっかりしますーー;
体の線を揺らさずに、ぴしっと立って動いていると、それだけでも『虚構の世界』に没入できますもの^^

ユルシュールさんのお話の続きも、楽しみにしてます。

YUKIさん☆
>最初は設定年齢と歌手の年齢の隔たりが凄かったのでちょっと戸惑ったかも。。。(^^;)
専門家のYUKIさんから、そう伺ってホッとしてます^^
声帯の熟成度は、人によって様々でしょうから、一概に語れることではないと思いますけど、そのあたりのお話も伺えて興味深かったです^^

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