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ルネ・コロの経歴

★2014年7月8日★ ルネ・コロさよならコンサートへ行ってまいりました。素晴らしい耳の財産を得ることが出来ました(^^) 感想は→→→

●お友達サイトのしばゆうさんが、ルネ・コロに関する愛がいっぱいの、素晴らしいページを作っていらっしゃいます。こちらからGo!

えうりでぃちぇさんが『ドイツ3大ヘルデンテノール』のお二人、ペーター・ホフマンジークフリート・イェルザレムの経緯をまとめて下さったので、私は残りのもうひとかた、ルネ・コロについてまとめてみます。

ユルシュールさんの『オペラ歌手、主にヴァーグナー歌手と年齢考 連載その1 その2 その3 3.5』も合わせてお楽しみ下さると面白いかと思います。

よく知られているようにコロは、祖父がオペレッタ作曲家、父もまた作詞作曲家として著名な一家に生を受けています。
しかし、彼の幼少期はちょうど戦時中ということもあり、早くから寄宿学校へ入っている為、家庭で特別な音楽教育を受けたわけではないそうです。

以下、彼の経歴を簡単にご紹介します。参考にしたのは
・"RENE KOLLO"(出版:Parthas Verlag Berlin 1997年の写真集)
・"RENE KOLLO Autobiografie Die Kunst,das Leben und alles andere... "(出版:HENSCHEL 2004年の自伝)の巻末資料として挙げられている年表です。

両者を比べてみて、時々年代が食い違っていることがありましたが(^^;その場合は自伝の方に倣ってまとめました。

9歳(1946年)ハンブルク・エッペンドルフ劇場(Theater in Eppendolf-Hamburg)にて父親と共に『クリスマスのおはなし』(Weihnachtsmaerchen)の舞台に立つ。初舞台。

18歳(1955年)独学でジャズの勉強を始める。打楽器、コントラバス、ピアノ、ギター等。
21歳(1958年)エルザ・ヴァレーナ(Elsa Varena)に師事し、オペラ歌手として初期の声楽教育を受け始める(1965年・28歳まで)
22歳(1959年)最初のポップスシングルレコード・"Hello,Mary Lou"をリリース。125,000枚以上の売り上げ
28歳(1965年)ブラウンシュヴァイク劇場のリリックテノールとして最初の契約。
30歳(1967年)ライン・ドイツ・オペラと契約。

32歳(1969年)バイロイトデビュー。『さまよえるオランダ人』舵手&『マイスタージンガー』クンツ・フォーゲルゲザング(マイスターの一人)
33歳(1970年)スカラ座デビュー『アラベラ』マッテオ

バイロイトにて『さまよえるオランダ人』エリック&『ラインの黄金』フロー。ショルティ指揮『タンホイザー』タイトルロールをスタジオ録音。

34歳(1971年)ウィーン国立歌劇場デビュー。『パルジファル』タイトルロール。バイロイトにて『ローエングリン』タイトルロール

35歳(1972年)シカゴ交響楽団デビュー『大地の歌』ザルツブルグ音楽祭デビュー。『マイスタージンガー』ヴァルター
36歳(1973年)バイロイトにて『マイスタージンガー』ヴァルター
37歳(1974年)ザルツブルグ復活祭音楽祭&バイロイトにて『マイスタージンガー』ヴァルター
38歳(1975年)バイロイトにて『パルジファル』タイトルロール。ニューヨーク・カーネギーホールにてニューヨークデビュー。『オランダ人』演奏会形式
39歳(1976年)ザルツブルグ復活祭音楽祭にて『ローエングリン』タイトルロールコヴェントガーデンデビュー『ワルキューレ』ジークムント。バイロイト音楽祭『ジークフリート』『パルジファル』タイトルロールメトデビュー『ローエングリン』タイトルロール。

40歳(1977年)イスラエルにて『大地の歌』 テレビショー"RENE KOLLO:ICH LADE GERN MIR GAESTE EIN" の放送開始。

41歳(1978年)ウィーン国立歌劇場にて『フィデリオ』フロレスタン。ケルンオペラにて『スペードの女王』ヘルマン
42歳(1979年)メトにて『ナクソス島のアリアドネ』バッカスこれ以降、メトへの出演はなし。ドイッチェ・オパー・ベルリンにて『カルメン』ドン・ホセ

43歳(1980年)ロンドンにて『ローエングリン』タイトルロールチューリッヒデビュー『トリスタンとイゾルデ』トリスタン。パリオペラ座にて『影のない女』皇帝。
44歳(1981年)バイロイトにて『トリスタンとイゾルデ』トリスタン

スカラ座オープニング(12月7日)『ローエングリン』タイトルロール
46歳(1983年)バイエルンにて『リエンツィ』タイトルロール
47歳(1984年)サンフランシスコにて『ジークフリート』タイトルロール。チューリッヒにて『マイスタージンガー』ヴァルター(ペーター・ホフマンの足の怪我により、コロが代役に立ったとのことです)

48歳(1985年)バイロイトにて『タンホイザー』タイトルロールの予定をキャンセル。これ以降、バイロイトへの出演はなし。パリにて『トリスタン』タイトルロール
49歳(1986年)ダルムシュタットにて『パルジファル』演出家としてデビュー。

51歳(1988年)フランクフルトにて『オテロ』タイトルロール
54歳(1991年)ウルムにてオイゲン・ダルベール作曲『低地地方』演出。バイエルンにて『ピーター・グライムス』タイトルロール
55歳(1992年)ドイッチェ・オパー・ベルリンにて『タンホイザー』タイトルロール。ボンにて『道化師』カニオ
58歳(1995年)ドイッチェ・オパー・ベルリンにて『ボリス・ゴドゥノフ』シェイスキー。ハンス・プフィッツナー作曲『パレストリーナ』タイトルロール
59歳(1996年)ベルリン・メトロポール劇場の支配人に就任
60歳(1997年)ドイッチェ・オパー・ベルリンにてハンス・ヴェルナー・ヘンツェ作曲『ホンブルクの皇子』(Der Prinz von Homburg:1960年作曲)選帝侯(Kurfuerst)。
63歳(2000年)ドイッチェ・オパー・ベルリンにて最後の『トリスタン』これ以降、ワーグナーの大きな役は歌わず。
66歳(2003年)ドイッチェ・オパー・ベルリンにて『サロメ』ヘロデ王

2005年夏、 ベルリン・クラシックオープンエア では、娘さんとのジョイントコンサートも行われました。

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オペラ」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。edcさんの記事もかなり勉強になりましたが、こちらのルネ・コロも力作ですね!22歳の時ポップスデビューですか!28歳で初めて劇場と契約というのは早くはないですよね。オペラ歌手になることを諦めてくれなくてよかった!ワーグナーテノールでの活躍は知るところですが、50代になってもレパートリーを増やしているところが立派ですね。
試しにgoogleで検索してみたら、娘で歌手のナタリーさんとのツーショット写真を発見。父67歳+娘37歳=100歳記念(!?)コンサートを一昨日ベルリンフィルハーモニーで開いてたんですね!娘が歌手になるのを以前は反対してたようですが、父娘二人での初めてのコンサートには、ルネ父さん、とても幸せそうです。(^_^)
http://bz.berlin1.de/aktuell/musik/050417/kollo.html

ヴァラリンさん、お疲れさま^^!
コロも寿命と健康に恵まれ幸福な人生をまっとうできそうで、おめでたいことです。

>とても幸せそうです。(^_^)
ほんとにうれしそうですね。娘さんも美しく成長、歌手になったんですね。

昨年、自伝が出版されました。

フンメルさん&edcさん、
早速コメント&(edcさんには)TBありがとうございました。

コロのレパートリーについては、また別の表がありまして(^^;(彼、こういう記録をきちんとまとめてあるのが面白いですね)リクエストがあるようならば、そちらも挙げてもいいかな・・と思ってます。

>>お嬢様とのジョイントコンサート

本当に嬉しそうですね(^^)
今夏のベルリン・クラシックオープンエアでは、お二人のジョイントコンサートが予定されていますよね!
http://morgenpost.berlin1.de/misc/lesermarketing/classicopenair2005/

フンメルさん、ご都合がつくようでしたら足を運んでみては如何ですか?^^?

ルネ・コロの経歴も拝見させて頂くと声楽の勉強の前に独学でジャズやその他の楽器の勉強をしてらっしゃったんですねぇ。
海外の歌手は最初は他のジャンルで勉強してそれから声楽の勉強と言うのも良くききます。
楽器とか、ジャズとか他の分野で最初に感性を養っているのかなぁ・・・と感じてもいます。(^_^)

YUKIさんも、見て下さってありがとうございます^^
>声楽の勉強の前に独学でジャズやその他の楽器の勉強をしてらっしゃったんですねぇ。

そうです。で、この書き込みを読んでから、あ!そういえば・・と思い当たったのが、彼の初舞台の話です。
実は9歳の時に、一応舞台に出ているんです(^^;
父親が携わっていた劇場の舞台だと思います。
(写真集には、そこまで細かく載ってないのです・・)

このことを追記したと同時に、今夏のベルリン・クラシックオープンエアでの、娘さんとのジョイントコンサートの記事もリンクしておきました。
(昨日の私のレスの中でのリンク先、間違ってました^^;ゴメンナサイ)

ヴァランシエンヌさん、トラックバックありがとうございます!
おじゃまするのが遅くなってしまい、本当にごめんなさい。

コロさん、お元気そうですね。娘さんとの共演、本当に幸せそう……。
演出家としても活動されていたとは、初めて知りました。

彼の長い、かつ多彩なキャリアには驚かされます。ピーター・グライムズも歌っていたとは……。
前の来日の時には、確かアイゼンシュタインも歌っていましたよね?お嬢さんとの夏のジョイント・コンサートはオペレッタの歌を取り上げるみたいですね。ううむ、聴いてみたい……。

いろいろとビックリの経歴ですね。
「カルメン」とか「道化師」「ボリス」とか歌ってたんですねえ。
リッチャレッリと歌った「シェニエ」の終幕の二重唱の録音がありましたけど、あれを聞くとイタリア物も凄く良いので、ぜひもっと録音して欲しかったですけど。

でも一番ビックリしたのは「ハロー・メリー・ルー」でした。

こんな記述もあります^^;

「1977年、モシンスキー(Elijah Moshinsky)演出の美しいラファエロ前期的ローエングリンで、コヴェント・ガーデンに再登場し、オートバイの大事故で八ヶ月間キャリアを中断する羽目になったペーター・ホフマンの代役として魔弾の射手のマックスを歌った。」We Need a Hero

ユルシュールさん、お体の具合は大丈夫ですか?
PCに向かいたくない時もありますもの。どうか気になさらないで下さいね。

コロさんの演出家としての活動についてですが、実は昨年末にもドイツのハレという小さな街のオペラハウスで、『トリスタン』を演出してます。
この街に宿泊したあとで知りました。事前に知ってたら日にちを合わせたんですけどね(^^;残念・・

アイゼンシュタインやアルフレードはもうお手の物でしょう。血筋ですしねぇ(~_~;)
レパートリーは本当に豊富ですね。

TAROさんも体調は如何ですか?
>リッチャレッリと歌った「シェニエ」の終幕の二重唱の録音がありましたけど
へ~~そんなのがあるんですか。聴いてみたいですね(^^;

ホセの『花の歌』と、ラダメスの『清きアイーダ』は、手元にあるんですけどね、ドイツ物で聴くと奔放な感じがするのに、妙に生真面目な感じで、ああやっぱりドイツのテノールなんだなぁ・・と思いました(^^;

edcさん、そういえばこのリストにはマックスが掲載されていませんね^^;;;
やっぱりレパートリー一覧も作ろうかなぁ・・

>euridiceさん

重箱の隅で恐縮なんですが、Pre-Raphaelism(-ist)は、日本では「ラファエル前派」と訳すことになってます。
(語尾が -ism でも -istでもその訳になります。)

19世紀イギリスの画家たちの間に起きた、ラファエロ以前の絵画の素朴さにかえろうというムーヴメントなので、「前期」と訳すと、意味が逆になってしまうわけです。

>ヴァランシエンヌさん
>妙に生真面目な感じ

あ、そうですか。シェニエもやはり真面目な感じはありますが、ドラマティックに盛り上がっていって凄く良かったような記憶が。リッチャレッリもいつもの抒情一本やりを捨ててて、かなりの迫力だったのが意外でした。

ドン・ホセはそもそも真面目な人だから、いいかも。

TAROさん、ご親切にどうもありがとうございます。
ラファエロより前の時期という意味ですが、なるほど、
「ラファエロの前期」と読まれてしまいますね。

TAROさん&edcさん:
>Pre-Raphaelism(-ist)は、日本では「ラファエル前派」と訳すことになってます。
(語尾が -ism でも -istでもその訳になります。)

へ~~勉強になりました^^ ありがとうございますm(__)m

(ワタシも体調不良ですーー;週末はのんびりします^^;)

肝心なことを書き忘れていました。弊Blogの昨日の記事に、こちらの記事をリンクさせていただきました。

コロさん、今年は『死者の家より』に出演されているようですね(初挑戦?)。

>弊Blogの昨日の記事に、こちらの記事をリンクさせていただきました。

ありがとうございます☆後ほど、遊びに行きますね(^_-)-☆

>コロさん、今年は『死者の家より』に出演されているようですね(初挑戦?)。

・・おそらくお初ではないかと思います。最近ベルリン・ドイツ・オペラはヤナーチェクの上演に力を入れていますから、その一環なんでしょうね。。

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