« そろそろ夏休み・・ | トップページ | 自然は怖い時も・・ »

ヴォルフとショスタコーヴィッチの歌曲

歌曲には疎いのですが、最近ハマっています(^^;
聴いているのは主にこの5曲。

Hugo Wolf (Text:Michelangelo Buonarroti)
・Wohl denk ich oft an mein vergang'nes Leben
・Fuehlt meine Seele

Dmitri Shostakovich (Text:Michelangelo Buonarroti)
・Utro/Morgen
・Ljubov/Liebe
・Bessmertiye/Unsterblichkeit

CHANT D'AMOUR Liebeslieder(VMS 154)より

若手歌手4人による、愛をテーマにした歌曲を集めたものです。マイナーレーベルですので、取り扱っているお店には限りがあると思います。
(私はイギリスから取り寄せました・・ポンドがあんなに高いとは・・^^;)

Vinogradov 紹介の5曲を歌っているのはアレクサンドル・ヴィノグラドフ (Alexander Vinogradov:'76 born in Moscow)です。

Alexander という名前は、ロシア語だとアレクサンドル、ドイツ語だとアレクサンダー、英語だとアレグザンダー?かしら? カタカナでどう表記すればよいのか迷っていたのですが、彼はロシア人なので、私のおうちでは今後『アレクサンドル』と統一して行きます・・彼の話題は、これから頻繁?に出てくる予定なので^^;)

ヴォルフの歌曲は、テオ・アダムのも手元にあるので、こちらと聴き比べています。

聴き比べて面白かったのが、やっぱりドイツ系とロシア系だと、発声方法が違いますね。
発声の専門家ではないので、感覚的な書き方になりますが、私が感じたのは以下のようなことです。

ヴィノグラドフの歌い方は、ちょっとノドにかかったような感じ。でも無理に鳴らしている・・ってわけじゃなくって、これが多分ロシア独特の発声なんだと思います。

最近「エフゲニー・オネーギン」や「ボリス・ゴドゥノフ」に傾斜していて、手元のソフトをしょっちゅう見聴きしているのですが、特に『オネーギン』ボリジョイライブ映像を見ていると、まさにこの発声こそ、ロシア語の語感やリズムを生かした発声!って感じていたところでした。

ですので、ヴォルフの歌曲では、多少違和感があります。ちょっとスカした^^;ような感じ・・
実は実演で聴いたザラストロの時も、このスカした^^;感じが、私には妙に繊細に感じて、それがすごく新鮮だったんですけどね。

ドイツ語の発音はちょっと甘いかな?本当はそういうのはユルセナイ<|( ̄0 ̄)o>はずなんですけど・・^^;でも、無理に子音を響かせてやる!みたいな、わざとらしさではないのがいいのかも・・
(審美眼(耳?)がどんどん甘くなってる・・かも?^^;)

ああ、でも確かにこれは実演で聴いた声、そうそう、ザラストロもこういう感じだったなぁと思い出しつつ、ショスタコーヴィッチの歌曲に入った途端、違和感が吹っ飛びました。

ロシア語に合っているんですもの!この声も、歌い方も。

ドイツ語以上に理解できないロシア語ですが、とっても美しい言語だと実感しました。歌い方も繊細且つ劇的で、私好み。

そもそもショスタコーヴィッチが歌曲の作曲をしていたことすら知りませんでしたし、初めて聴いたのですが、曲そのものにもとても惹かれました。ロシア歌曲、もっと聴いてみたいです・・できればヴィノグラドフの声でね!

テオ・アダムも、かなりノドにかかったような発声ですが、もっと頭に響かせるような感じです。この『頭に響かせる』のが、ドイツ語の語感を生かすには適しているんでしょう。
(彼は、ホントに大きな頭ですし・・映像で横顔を見た時、後頭部が異様に出っ張っていたのでびっくりしましたもの^^;これなら、確かによく響く、いい声なわけよね、って思いました・・)

どちらも私にとっては、とても素敵な声。低音歌手には滅多に反応しない私ですが、やはり私の選択は間違ってなかったわ!と思いました(^^;
(決してヴィノグラドフの容姿だけに惹かれたんじゃないですよ!!)

ヴィノグラドフの経歴はこちら《6月3日作成》

《5月23日追記》
edcさんがコメント欄で話題になった'60代のロシア民謡について、記事を書いて下さいました。音声も一部楽しむことができますよ!!

« そろそろ夏休み・・ | トップページ | 自然は怖い時も・・ »

オペラ以外のクラシック音楽」カテゴリの記事

コメント

ショスタコーヴィッチの合唱入りの交響曲はけっこう好みです。チャイコフスキーの1918年の合唱とかもですが、ロシア語の合唱って、なんか煽られちゃいそうな雰囲気がコワイんですけど、気持ちいいんですよね・・

またまた昔話ですが、共産主義だからだめなんて、偏見に満ちたアメリカ人教師(修道女)の説教?!を尻目に、小遣いはたいてロシア民謡集の立派なレコードを手に入れ、聞き惚れてました。今から思えばボリション歌劇場の一流オペラ歌手たちが歌っていたわけで、すばらしい歌でした。確かに、モスクワ大学かなんかの学生合唱団が歌う、共産主義万歳的、ソ連の新民謡もどきも入ってましたけどね^^; まあ、共産主義社会は理想社会って感じの翻訳児童文学なんかもけっこう感心して読んでました。もう題名も忘れちゃいましたけど。でも、左翼学生にはなりませんでしたねぇ・・・

ヴィノグラドフと関係なくて、ごめんなさいm(_ _)m

>ボリション
だって、自分で吹き出しちゃった・・送信する前に気がつけよ!ってところですね。もちろん、ボリショイです。

ついでだから、おしゃべり。
ソ連がこんなに早く崩壊するとは夢にも思いませんでしたが、ロシアになってから、ちゃんとロシアに住んでるロシア人に会うようになりましたが、いろいろ新発見があっておもしろいです。外見も千差万別ってところですし。

>euridiceさん

そのロシア民謡集、アルトゥール・エイゼンとか歌ってませんか?

>ヴァランシエンヌさん

ショスタコーヴィチのミケランジェロ歌曲集といえば、LP時代にネステレンコのピアノ伴奏版とオーケストラ伴奏版の両方をもってました。
「愛の歌」というタイトルのCDにこの曲が入るというのも、ちょっと変わってますね。

TAROさん
>アルトゥール・エイゼン
名前のほうは覚えてませんけど、エイゼン、確かに歌ってました。低声だったと思います。写真が一番かっこよかったような・・・ 歌も一番素敵だったような??

それにしても LP どこにしまったのかしら???
ベッドの下だと信じてて、わざわざ開けてみたのに、なかったんですよーー;

>ロシア語の合唱って、なんか煽られちゃいそうな雰囲気がコワイんですけど、気持ちいいんですよね・・

あー!わかりますぅ・・『ボリス』の合唱にも、そういう雰囲気がありますもの。
で、そういう雰囲気が感じられない演奏だと、逆につまんないわーー;って思いますし(^^;ドイツ系の合唱も好きですけど、それとはちょっと違う土臭さが何ともたまらないですわぁ・・

>ロシア民謡集
面白そう・・私も聴いてみたいな。
edcさん、探し当てたら、連絡して下さい(笑)

>外見も千差万別ってところですし。

・・^^;ですね。あれだけ広い国土だと、民族も相当入り乱れているでしょうしねぇ。
いずれにしろ、ロシア人は容色の衰えが早い気もしますので、ヴィノグラドフには今のうちに映像を沢山残しておいて欲しいところですが・・

TAROさん
ちょうど昨日、ネステレンコが歌う『ボリス』の映像(ボリジョイライブ)を見ていたところでした。
初めて聴いたんですけど、割と繊細な感じですね。

最近、ネステレンコよりも古い世代のイヴァン・ペトロフ(Bs)のグレーミン公爵を聴いたら、結構いいかも~~と思ったので、この人が歌うショスタコーヴィチのミケランジェロ歌曲集はないのかしら?と探しているところです・・

かのザラストロ氏、リートも歌っておられるのですね。もしかしたらこちらの方面でもこれからブレイクするかも?チェックチェック……と。
ロシア歌曲については私、全くといってよいほど不案内です。これから少しずつ聴いてみようかな……。

アダムさん、そんなに大きな頭をされてましたっけ?(^^;

>euridiceさん

エイゼンはボリショイの歌手でしたが、日本には何度も単独で来日して、ロシア民謡のコンサートを開いたりしてましたね。60年代が主だと思いますが。私も何か録音を持ってるはずです。あとショスタコーヴィチの交響曲第13番「バビ・ヤール」の世界初録音の独唱も彼だったかと。

ベッドの下はまずくないですか?よっぽど風通しが良くないとカビ生えたりするかも。

>ヴァランシエンヌさん

ちょっとうろ覚えなんですが、たしかミケランジェロ歌曲集はピアノ版もオケ版もネステレンコが初録音だったように記憶してます。
だからそれより古い世代だと果たしてどうか?

ユルシュールさん:
ヴィノグラドフはかなり低い声なので、オペラの役柄には限界があると思います。地味な役しか出来ない・・多分。
だからかな、コンサートやリサイタルでの出演もちょこちょこありますよ。

収容人数の多い大きなオペラハウスで、無理に声を張り上げるようなことはして欲しくないので(^^;寧ろそっちの方がいいかも・・とか、わがままなことを思ったりしてます。
『大きな声を張り上げる系』ではないことは確かです。

『冬の旅』の全曲録音の予定もあるらしいんですが、いつ録音するのかは未定なんですって(ToT) これは、ある筋にちゃんと確かめた情報です。
今年9月にはイスラエルのフェスティバルで『冬の旅』やロシア歌曲のリサイタルに出演します。
いくらなんでも、イスラエルまで聴きに行くのは難しいでしょうね(^^;;;

TAROさん:
>たしかミケランジェロ歌曲集はピアノ版もオケ版もネステレンコが初録音だったように記憶してます。

あら?そうなんですか?
それでは仕方がないので?!ヴィノグラドフの録音に期待しましょう(#^.^#)

この記事へのコメントは終了しました。

« そろそろ夏休み・・ | トップページ | 自然は怖い時も・・ »

Search




  • WWW here

カテゴリー

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ