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オペラ映像化の基準は?

最近は、以前に比べるとオペラのライブ映像化が格段に早くなりました。
早いものでは、え?去年やったばっかりなのに?というような、ニュープロダクションのものも、どんどん映像になっているようです。

ところで、それぞれの劇場で、どんな演目を映像(商品化)するのか?の基準って、どうなっているんでしょうね?
最近、ドイツ語圏の映像といえば、チューリッヒの上演のものが目につきます。私が知っているだけでも、昨年秋に発売された『タンホイザー』をはじめ、今年に入って『魔弾の射手』『マイスタージンガー』『ばらの騎士』と、次々と発売されました。

私の大好きなベルリン国立歌劇場は、一時期『コジ』『フィガロ』『オテロ』などを頻発した時期がありましたが、このところさっぱり・・ですね。もしかしたら、財政難のせいなのかしら?^^;なーんて思ってますが。

またハンブルクでも、P.コンヴィチュニー演出の一連の作品など、話題になったプロダクションも沢山あるかと思いますけど、その中では数年前に発売された『魔弾の射手』のみですね。

南の方ですと・・シュトゥットガルトの『リング』くらいで、バイエルンも最近さっぱり・・じゃないかしら?何か新しいもの、ありましたっけ?

ところでオペラの映像化は、カメラを劇場に持ち込めるようになった当初に比べると、遥かに簡単に撮影も出来るでしょうし、新しい映像がドンドン出てくることは、辺境のオペラファンにとっては嬉しいことではあります。

でも最近の映像って、・・映像の撮り方に落ち着きがないように感じます。

やたらとアップが多いし、カメラがしょっちゅう動くし・・
管楽器のアップが多いのもありましたね(−−;舞台袖の歌手の様子を映し出したものもありました。何か意味があったのかしら?未だに謎です。

オペラ映像を見る時に限界を感じるのは、舞台全体が見渡せないということです。
視聴者は撮影者、若しくは編集者が提供してくれる範囲でしか、見ることが出来ないわけですから、なるべくなら全体が程よく見渡せるようなカメラワークが好ましいのではないかと思います。

舞台で、その時歌っている人の表情も、勿論大切ですし、好きな歌手ならば、アップも楽しんで見ることが出来ますけど、酷い時には、口の中のアップとか、顔のパーツ部分をアップにしたりとか・・というものもありますしね(^^;

いくら好きでも、あんまり近すぎるとアラが見えそうですしね(^^;

その時歌っている人の演技歌唱、表情も見たいですけど、その時舞台上にいる、他の人の動きも気になります。そういうのも自然に見られるように、なるべく臨場感を損なわないような感じで、工夫して編集して欲しいな・・などと、わがままなことを思っています(^^;

それはともかく、今最も映像化して欲しいな・・と思っている、比較的最近のプロダクションのものは、やっぱりドリス・デーリエ演出『トゥーランドット』@ベルリン国立歌劇場の上演です。勿論、プレミエのメンバーでね(#^.^#)

《6月10日追記》

edcさんが興味深い記事を書いて下さいました。バイロイトでの《リング》映像収録時の舞台裏です。

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オペラ」カテゴリの記事

コメント

とにかく、映像作品としての完成度の高さを望みたいです。

固定カメラで舞台全体を漫然と・・というのはやはり退屈だし、かといって、物当てクイズみたいなのもうんざりです。最近の楽器当てクイズもどきが頻繁に入る映像には唖然でした。前奏曲中に歌手が全員集合でお食事会?とか楽屋で準備中の歌手、あるいは、舞台に向かう通路での歌手を映したり、舞台袖で待機中の歌手ウォッチングやら、なんてのもありますが、メイキングで別に願いたいです。歌手の目、鼻、口をアップするのも悪趣味です。

歌ってない歌手を映すのはいいけど、やり方が難しいですね。単独で延々と映されると、なんのことやらわからなくなりかねません。

そこは映像制作専門家に頑張ってもらいたいものです。最近のはお気楽編集なのか、偏執狂的編集なのか、って感じのが少なくないようです。

ヴァラシエンヌさん、こちらではお久しぶりです(笑)。

確かに、最近の傾向としては、いわゆる大劇場のものばかりでなく、中小劇場のものもかなり商品化されてきてますよね。ただ、オデュッセウスが観てみたいドイツの劇場、ブレーメンやカールスルーエ、マンハイム、デュッセルドルフなどが商品化されておらず、真に残念!!

ミュンヘンやベルリン、ウィーン、そして何といってもバイロイトも新規映像制作が為されてませんねぇ~。

チューリヒの映像が次第に商品化されてきているようですが、最初に観た『タンホイザー』の妙な映像のせいで、なかなか続編に手を出せません。『マイスター』あたりはどうなんでしょう?

edcさん:
>とにかく、映像作品としての完成度の高さを望みたいです。

突き詰めればそれに尽きるんですよね。
いい歌手が揃い、優れた演出、舞台装置があってこその素晴らしい上演が前提ですが、それはわかるのにー!何?この撮り方はぁ(><;と、興ざめすることも、ままありますね。

>最近のはお気楽編集なのか、偏執狂的編集なのか、って感じのが少なくないようです。

ですよね(ーー;

オデュッセウスさん、いらっしゃいませ(^o^)丿
バイロイトの予習は進んでいますか?今年はネットラジオを使って、リアルタイムでばっちり聴こうと、今から楽しみにしてます。
(オデュッセウスさんが、トリスタンがちょっと苦手と伺って、あら?!びっくり~(@。@;と思っていたところでした^^;)

>中小劇場のものもかなり商品化されてきてますよね。

そうですね・・でも確かに、オデュッセウスさんが名前を挙げられた規模の劇場の映像になると、皆無ですよね。
演奏者の知名度がなければ、売りにくい・・という問題もナキニシモ有らずではないかしら?録音だけでも、何とか聴いてみたいと思いものもありますけどねーー;

>チューリッヒの『マイスター』
・・^^;実は二幕までで挫折中です・・;
あの楽器当てクイズ&歌手の舞台袖待機中映像付き?!『タンホイザー^^;』よりは、映像の作り方としてはまだマトモですが、それでもカメラはしょっちゅう動くし、落ち着かないです・・演奏も私好みではないですね(--;

ザイフェルト夫人のシュニッツァーさん、お初でしたが、意外とガッチリした感じの方ですね(^^;
ザイフェルト@ヴァルターとは、仲良し(*^_^*)な感じがそこかしこに感じ取れます。

ちょうど映像のことを取り上げたいと思っていたところだったので、びったりのタイミングでTBさせていただきました。

映像自体にも当然個人の好みがあるし、オペラそのものに対する嗜好や歌手の好みなどが複雑に絡んで、かえって人それぞれという面がより強くなるのではないかと思いますが、私の好みはホームページの映像紹介をのぞいていただければわかると思います^^;

TB&リンクありがとうございました^^

>オペラそのものに対する嗜好や歌手の好みなどが複雑に絡んで、

これは否定できないでしょうね(^^;
その時の体調や環境にも左右されるかもしれませんが、演奏の良し悪し以外のことで、あんまり文句ばっかり言いながら見るのもつまんないし(^^;楽しく見るためにも、編集者にはがんばってもらいたい・・などと思ってます。

ヴァラリン様 こんにちは。
私もかねがね映像ソフトのカメラワークには、?マークが頭の中を飛び交う場面に遭遇します。出来ればヴァラリン様が仰るとおり、舞台全体をゆったり拝見したいものです。頻繁に演奏する楽器を必要以上に追ったり、演奏家の一部をアップするのも、時には悪趣味に思えることもしばしば。
 折角のDVDソフトなら、全編とはいかなくても、マルチアングルの機能をお願いしたいモノです。以前購入したアバド氏のベートーヴェン交響曲のDVDは、この機能に対応したもので私には好意的なソフトでした。(一部マルチアングルでアバド氏の指揮者姿だけを追う)
 オペラの作品なら一層こうした機能を利用することで、鑑賞の楽しみも増すことでしょう。ただこのことで1枚のDVDに修まる作品が複数枚になり、値段が高くなるようではダメです。複数のカメラで収録しているはずなので出来ないもでしょうか。
 長々と拙文にて、失礼します。

みー太さん、お久しぶりですね(^o^)丿また来て下さって、嬉しいです。

>折角のDVDソフトなら、全編とはいかなくても、マルチアングルの機能をお願いしたいモノです。

!!その手がありますね!メータ指揮の『トゥーランドット』@紫禁城ライブは、この機能がついていますが、本当に一部のみ。しかも、充分発揮できていないのが残念です。

でも、仰る通りだと思います。折角の機能を生かさない手はないですよね!

>ただこのことで1枚のDVDに修まる作品が複数枚になり、値段が高くなるようではダメです。

その通りです。この辺りは、メーカーさんに頑張ってもらわないといけませんよね。上述した紫禁城ライブ盤は、一枚で収まり、普通のものと変わらない値段でしたよ。

こうして考えてみると、映像収録者、編集者、メーカーさん等など、オペラに限らず、クラシックの映像ソフトの分野って、色々と工夫、改善の要素が盛りだくさんですね(^^;

長文大歓迎ですので、またいつでもいらして下さいね。お待ちしております。

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