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ヴォルフ/メーリケ歌曲集 ローマン・トレーケル(Br)

ああーん、ジャケット写真、もう少し何とかならなかったのかしらーー; 私は歌曲にはまだ疎いのですが、それ自体にはとっても興味があります。

何とかして馴染んでみたいと思っていたのですが、最初のとっかかりとなったのは、ヴォルフが作曲したミケランジェロ歌曲集から、一部抜粋したCDでした。

ヴォルフはシューベルトに比べると、新しい時代の作曲家ですから、ピアノ伴奏が派手です。リート初心者の私には、かえってこの方が馴染みやすい…かな?と、その時思いました。

同じようなことは、オペラでも言えると思います。以前「《魔笛》 本当に入門用のオペラかな?!」を取り上げた時に

「モーツァルトよりも音符の数が多くて、いかにも派手!な、R.シュトラウスやワーグナーの方が、私にとってはわかりやすかったのです。」

という主旨のことを書きましたけど、全く同じことを感じたのです。

さて、かれこれ2ヶ月近く前の話になりますが(^^;お友達ブログのサルダナパルスさんのお宅で、ヴォルフの歌曲がちらりと話題になったことがありました。
そこで聴かせて頂いたのが、サイモン・キーンリーサイドが歌っている、ヴォルフ作曲のメーリケ歌曲集から抜粋した「散歩(Fussreise)」
でした。

うん?!やっぱりこれはイケるかもしれない…と思って、探した結果、我が家でもおなじみの(^^;ローマン・トレーケル(Roman Trekel:Br)がCDを出しているのを発見。早速入手したのです。

彼は声量<表現のタイプの歌手ですから、オペラの役柄によっては、残念ながらなんだかハマらない時もあるんですよねーー;

(「ローエングリン」の伝令は、欠点がモロに出ている気がします…)

ですが、この歌曲集でのトレーケルは、そういう「ハマらない」役柄のオペラの時とは全く別人のように、生き生きと自在に声を旋律に乗せるような感じで、独自の世界を作り上げていると思います。

ちょっとしっとりした声+劇的さと、弱声を使うべきところでは巧く声色を使い分けていて、ああやっぱりこのひとは、むしろオペラよりも歌曲に向いているのかもしれない…と、強く思いました。

(男のひとの低めの声を、ちょっとしぼったような弱声で聴くのって…色気が感じられて、いいんですよね^^)

歌詞はこちらのサイトさまを参照くださいね。

歌曲に優れた解釈+歌唱力を示すタイプのドイツ系のバリトンにとっては、「タンホイザー」のヴォルフラムという、素晴らしい役がありますけど、トレーケルがこの役を得意にしている理由が、この歌曲集を聴くとわかります…

バイロイトのネットラジオ放送で聴いた《夕星の歌》は、陰鬱で抑制的な表現に心を打たれました。
羨ましいことに実演をお聴きになられた、お友達サイト《小さな音楽家たち》の管理人のお一人・オデュッセウスさんの実演鑑賞記がこちらにありますので、興味のある方は是非、覗いてみて下さいね。
今夏のバイロイト情報、満載ですよ(^^!

ということで、歌曲をちょっと聴いてみたいんだけど、なかなか馴染めないーー;と感じていらっしゃる方、王道のシューベルト3大歌曲集から入るのも、勿論アリですけど

「新しい時代の作曲家ですから、ピアノや旋律が派手」

な、ヴォルフから入ってみるのも一つの手だと思います(^o^)丿

《参考資料》

・ヴォルフ/メーリケ歌曲集 ローマン・トレーケル(Br)(HMVサイトへリンクしてます)

《関連記事》
・アイドルを探せ!Vol.3 ローマン・トレーケル(Br)

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オペラ以外のクラシック音楽」カテゴリの記事

コメント

ヴォルフだとロマンティックな「アイヒェンドルフ歌曲集」が好きです。ぜひ聞いてみてください。
私がよく聞いてたのはヘルマン・プライの録音。
最近の歌手のことはうといので、誰が録音してるかちょっとわかりませんが。

TAROさん:
>「アイヒェンドルフ歌曲集」
ご紹介ありがとうございます!探してみようかしら?

ロマンティックなんですね(笑)わくわく(^^)

TBありがとうございました!トレーケルのメーリケ歌曲集の記事、待ってましたよ~。私の記事の紹介もしていただいて、ありがとうございます。

>男のひとの低めの声を、ちょっとしぼったような弱声で聴くのって…色気が感じられて、いい
いいですよね!私も弱音の綺麗な歌手が好きです。トレーケルはヴァラリンさんの仰るとおり声量よりは表現力の歌手ですから、もっとこっちでもリートリサイタルしてくれないかな~と思っています。日本ではやってイギリスに来ないとはどういうこと!?(笑)

サルダナパルスさん:
お待たせしました(^^;こちらこそ、キーンリさんの歌を聴かせてもらわなかったら、多分気がつかずにいたと思いますし、ホントにいいきっかけを作って下さって、ありがとうございました。

サルダナさんが、一時帰国なさる前にはUPしようと思って頑張りました。
CDは、日本で買った方がお安いでしょう、きっと。見つかるといいですね。

>日本ではやってイギリスに来ないとはどういうこと!?(笑)

…^^;パパゲーノ@コヴェントガーデンでの、苦い思い出があるからじゃないの(^~^}}}}}

ヴァラシエンヌさん、拙サイトをご紹介いただき、本当にありがとうございます。Blog形式になっておりませんし、掲示板も設置していませんので皆様のコメントを頂けないのが残念ですが、是非ご覧になってみてください。近々Blog導入の予定です。すみません、ここで自分のサイトの宣伝をしてしまい……。

さて、遅々として感想記が進まなく、『ローエングリン』の感想もまだ書いていませんが、実演に接するとトレケルの伝令、悪くないです!!いや、かなりいいと思います。あの背の高~い凛とした舞台姿、役柄によくあっていました。確かに声量で圧倒する部分も欲しい役柄ですが……。

スキンが変わりましたね!可愛いです~。旅行かなんかがテーマでしょうか?ひょっとして、これはジョバンニ@ベルリンに来ると言う宣言ですか!?(笑)

>キーンリさんの歌を聴かせてもらわなかったら、多分気がつかずにいた
いえいえ、あんなに音質の悪い音源でもお役に立てて嬉しいです。

>>日本ではやってイギリスに来ないとはどういうこと!?(笑)
>…^^;パパゲーノ@コヴェントガーデンでの、苦い思い出
えええ~苦い…のかなぁ?そんなこと言わずにウィグモアホールとかに来て欲しいよ~。

秋ですね・・

炎の騎士! かっこいいですね^^!

別れ は、嫌な奴を階段から突き落とした話ですって!
うれしそうなはずです・・ 納得。

それにしても、夕星の歌が一番好きです。

先日ベルリンで聴いたトレーケルのアムフォルタス王、性格俳優ぶり発揮の力唱でした!
同じパルシファルではパーペのグルネマンツにも脱帽でしたよ。ここ最近だけで、ヴァラリンさんの「アイドル」達を集中して聴いた気がします。。(次は「彼」!)

オデュッセウスさん:

こちらこそ、事後報告で失礼しました(^^;
ホントに私も楽しませて頂いてますし、是非皆さんもどうぞ!!

>サイトの宣伝

いえいえ。
あまりアクセスUPには繋がらないかもしれませんが、ここで宜しければ、いくらでも宣伝して行って下さいね。いつもお世話になっているのは、こちらの方ですから。

>近々Blog導入の予定です。

やったぁ\(^o^)/ もう、前から導入して下さらないかしら?と心待ちにしていたんですけど、嬉しいです(^^)
導入なさったら、お知らせ下さいね。喜んで遊びに行かせて頂きますm(__)m

>実演に接するとトレケルの伝令、悪くないです

ほほぅ。ネットラジオで聴いたときは、調子が悪かったのかしら?ヴォルフラムの時とはうって変わって、ちょっと痛々しいくらいに感じたんですけどね…
でも確かに姿を伴うと、カッコイイでしょう?
(アレ?でもあの伝令はカツラなしでしたよね?^^;確か…)

サルダナパルスさん&edcさん:

ふふ。結構飽きっぽいので、季節に応じてこういうのを変えて遊んでます(^^;
コメント欄の投稿者名が、ちょっと曖昧かしら?もし見づらいところなどありましたら、教えて下さいね。

>旅行かなんかがテーマでしょうか?

そうそう(^^)このスキン、今年の春に出てまして、可愛い!と思ったんですが、どっちかというと、春夏<秋冬って感じですよね。で、狙ってたってわけです。
ということで、別に深い意味は…(笑)

>炎の騎士! かっこいいですね^^!

私、この歌曲集のなかではこれが一番気に入ってます(^^; キリッとしてますよね。

>別れ は、嫌な奴を階段から突き落とした話ですって!

なるほどね(^_^;)
恋しいひととの別れ…ではなかったわけか。

>それにしても、夕星の歌が一番好きです

同感です(^^!

フンメルさん:

あら?ちょっと前にフンメルさんのレポートを読んで、戻ってきたところでした(^。^;
後ほどそちらへコメントさせて頂きますね。

>ここ最近だけで、ヴァラリンさんの「アイドル」達を集中して聴いた気がします

そういえば、そうですね(^^; それだけ当地で活躍なさっている方たちを取り上げることができたということでしょうか(^_^;)

>次は「彼」!

何卒、お手柔らかに…^^;
いや、私に遠慮なさらずに、忌憚のないご意見を…
う==ん、でももし誉めて頂けると、嬉しいかな(#^.^#) 

なぁんて、率直に冷静なご意見を伺いたいのが嘘偽りのない、正直な気持ちです。
そうでなければ私の脳内美化に、歯止めがかかりそうにありません…

楽しみにしています。

euridiceさん>
>別れ は、嫌な奴を階段から突き落とした話
そうだったんですね!私もキーンリーサイドの歌っているのを聞いたとき、何で「別れ」なのにこんなに楽しそうなんだろうって不思議に思っていたので、謎が解けて嬉しいです♪ありがとうございます。

ヴァラリンさん>
>別に深い意味は…(笑)
またまたぁ(^_^)もしヴァラリンさんがベルリンに行かれるならば私も日程あわせて行ってお会いしたいですねぇ。まあ、鬼が笑う話でしかも実現度がかなり低いですが(笑)

論文の方も今日無事に提出して、後は引越しと日本での休暇が待つのみ、飲むぞ~!と思っていたのに、目の使いすぎで頭痛が酷くてお留守番です。とほほ…(T_T)

サルダナさん:

こらこら(笑)ユーワクしてはイケマセン(^^;
3月かぁ…歯止めがきかなくなりそうーー;

>鬼が笑う話でしかも実現度がかなり低いですが(笑)
確かに…^^; でも機会があれば、是非…ネ。

>論文の方も今日無事に提出
\(^o^)/おめでとうございます☆
頭痛?若いんだから、そんなのはすぐに治るわよ(笑)
とはいえ、長旅を控えていらっしゃるから、しばしゆっくりカラダを休めて下さいね(^。-)-☆

久しぶりにおじゃまします、ユルシュールです。

トレーケルのリート、いいですよね!といっても、手持ちはブラームスの『美しきマゲローネのロマンス』くらいしかない(それもMDにダビングしたもの)のですが……とほほ。
渋谷タワーレコードのイヴェントで、『美しき水車小屋の娘』から何曲かを歌ってくれたのを偶然聴けたのは、ラッキーでした。近いうちにぜひともリート・リサイタルを聴いてみたい歌手のひとりです。

>彼は声量<表現のタイプの歌手ですから、オペラの役柄によっては、残念ながらなんだかハマらない時もあるんですよねーー;
私が以前生で聴いた(観た)新国のグンターなどは、苦み走った声と端正ながらどことなく影のある歌唱で(容姿ともども)かっこいいな……と感じたのですが、一方でやや声量に欠けるかな?声がやや軽めかな?と思ったのも事実で(この時の私の席が五階Z席だったというのも関係していたのでしょうが)、そういう意味では、声量や迫力という点から彼のグンターに「?」を出す人がいるのかもしれない、とその時に思いました。
彼の『ローエングリン』の軍令使、いまいちですか?数年前にバイロイトのエアチェックで聴いた限りでは、気になりませんでしたが。

私は逆に「ヴォルフって面白いけど結構難しい(^^;」と感じている者です。好きなんですけどね……。
トレーケルのアイヒェンドルフ、近いうちに聴いてみようと思います。

ヴァランシエンヌさんはじめまして、この度は当HPをご訪問ならびにメッセージとご紹介ありがとうございました。こちらでは皆さん歌曲の話題で楽しく交流されているようですね。ヴォルフの歌曲は難しいとされていますが、歌詞がわかるととても面白く楽しめますね。一曲の中に物語があるミニオペラのような歌曲という意見もありますが、確かに歌詞がわからなければ面白くないのはオペラだって同じです。当HPの歌詞対訳を参考にしていただけたらとても嬉しいです。それでは。

ユルシュールさん:

お呼び立てして、失礼しました(^^; 来て下さって、ありがとうございます。

>『美しきマゲローネのロマンス』

ああ・・・これも聴いてみたいなと思ってます。
いやー、誰かさんの録音が世に出る前の今なら?!という、甚だ勝手な期間限定ですが^^;ドイツリートはトレーケルをイチオシしますよ。
水車小屋の乙女も聴いてみたいですね。

>彼の『ローエングリン』の軍令使、いまいちですか?

う==ん、私はそう思ったんですけどね。ちょっと叫んじゃうというか…
でも実演をご覧になられたオデュッセウスさんが仰るには、かなりいいということですから、姿があったほうがいいのかな、なーんて思ってます(^^;

歌曲の記事も少しずつ増やせるといいな、と思ってますので、ユルシュールさんには色々突っ込んで頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

kaitakaya@「詩と音楽」さん:

いらっしゃいませ。書き込み、ありがとうございます!
こちらこそ、大変参考になる記事をリンクさせて頂いて、助かりました。

どちらかというと、旋律が気に入ってしまうと歌詞はどうでもいい…と思いがちの、不真面目なファンなんですけど、気に入ったものについては、やっぱり歌詞も知りたくなります。
いずれにしろ、歌曲はこれから…と思ってますので、また御邪魔させて頂くと思います。
今後とも宜しくお願いします。

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