モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ウィーン国立歌劇場 1999年
《10月21日 追記》
☆edcさん宅のムーティ旧盤の記事&サルダナパルスさん宅のフェラーラ歌劇場の映像記事をリンクさせて頂きました。
昨日の記事でちょっとご紹介しましたが、日本未発売(この響き、なんとなしにいい感じが…^^;)ですし、興味のある方もいらっしゃると思いますので、もう少し詳しくご紹介します。
(2006年6月1日追記:国内版も発売されたそうです)
(ウィーン国立歌劇場のビデオクリップで見られるものと同じ映像だと思います。真ん中辺りまでスクロールし、 Don Giovanni のところでVideobeispiel をクリックすると見られると思います)
☆コメント欄に情報を頂きました。2000年に新国立劇場で上演されたプロダクションと同一のものとのことです。keyakiさん、情報ありがとうございます(^^)
ジャケットのジョヴァンニのかつらに目が行く…と、昨日の記事のコメント欄で話題になりましたが、あのかつらをずーっと被っているわけではなく、状況に応じてジョヴァンニの髪型は七変化します。
一番いいのは、最後の晩餐のところかしら?自然な髪型ですし、かえってこの方がいいような気がします。ビデオクリップでも見られますね。
元々この作品があまり得意ではない身の上としては、鑑賞し続ける為に、非常に忍耐力のいる映像です。全体的に画面(=舞台)が暗く、ダリの絵を思わせるような、絵画的な舞台ではあり、興味を惹かれる部分もあるのですが。
そして、場面転換ごとにジョヴァンニのかつらだけでなく、登場人物の衣装もコロコロ変わります。あら、この衣装ステキ!と思っていると、次の場面では、んー、なんだかな…というものに変わったりと、統一感に欠けるような…
忍耐力がいるもう一つの理由は、多分私自身の問題でしょう。
うまく言えないのですが、早いパッセージで歌手が歌いづらそうにしている面も見受けられますし、そういう場面ではテンポをもう少し落としてもいいような気がします。
演奏時間そのものは短いのかもしれませんが、そういう時って、かえってものすごく長く感じるのです…
結婚式の場面はこの舞台で唯一と言ってもいいくらい、明るくきれいな場面です。
ツェルリーナ、イメージとちょっと違うというか…私はこの役、細いソプラノの声(フィガロで言うと、スザンナの声に当たるかしら?)で歌われる方が、娘らしさが感じられて好きです。
マゼットは若くて、いかにもどんくさそうというか、田舎臭い感じで、容姿は私のイメージにピッタリです。一筋縄ではいかない、都会的な雰囲気のツェルリーナに、いいように振り回されていますけど、お芝居も上手いし、可愛いと思いました(^。^;
やっぱり、この役は若い歌手で見たいです…
エルヴィーラはとっても美人。女性陣では一番印象に残りました。最初に登場したときのズボンスタイル、とってもよく似合ってますし、逆にその格好の時が一番女らしさを感じました。
サルダナパルスさんのお宅で紹介されている、フェラーラ歌劇場でのライブ映像(アバド指揮)でも、この役を歌っているとのことです。BSで1998年ごろ放送された映像だそうですが、残念ながら現在の所、商品化されていないようです…
配役:
ドン・ジョヴァンニ:カルロス・アルバレス(Carlos Alvarez)
レポレッロ:イルデブランド・ダルカンジェロ(I'ldebrando d'Arcangelo)
エルヴィーラ:アンナ・カテリーナ・アントナッチ(Anna Caterina Antonacci)
アンナ:アドリアーネ・ピエチョンカ(Adrianne Pieczonka)
ツェルリーナ:アンゲリカ・キルヒシュラーガー(Angelika Kirchschlager)
オッターヴィオ:ミヒャエル・シャーデ(Michael Schade)
マゼット:ロレンツォ・レガッツォ(Lorenzo Regazzo)
ロベルト・デ・シモーネ演出 リッカルド・ムーティ指揮 1999年ウィーン国立歌劇場ライブ
☆ムーティの《ドン・ジョヴァンニ映像》は、スカラ座1987年・ジョルジョ・ストレーレル演出のものも有名ですね。私は未見ですけど…
☆2006年6月1日追記☆
お友達のkeyakiさんが、ウィーンの「ドン・ジョヴァンニ」についての公演記録をまとめていらっしゃいます。そちらも是非ご一読下さい。過去~現在に至るドン・ジョヴァンニの興味深い写真も見られます(^^!
★2007年1月22日追記★
お友達のサルダナパルスさんが、今シーズンのウィーンの上演でタイトルロールを歌っている、サイモン・キーンリーサイドの舞台写真を含めた記事を書いてます。
カツラの写真が面白いので、是非是非(^^)
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
どこかで見たことがあると思ったら、新国でもやってました。2000年に。
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/1999%7E2000/donjo/donjo.html
ウィーン国立歌劇場との共同制作だそうです。
なんとなくむさくるしい衣裳ですね。
投稿: keyaki | 2005/10/21 01:52
わ、映像つきでありがとうございます。今日は自分のブログからは来られないので、久しぶりにGoogleで検索しちゃいました(笑)メンテナンスは、終わってからが怖いんだよな~。
>髪型は七変化
そ、それは凄い。やはり一見の価値はあるかも?
>ツェルリーナ、イメージとちょっと違う
キルヒシュラーガーがツェルリーナとは、私もちょっと?です。やっぱり彼女はズボン役でしょう。この中ならエルヴィーラだったら見たいなぁ。
>エルヴィーラはとっても美人
どれどれ、と思ったらアントナッチでしたか!私もお気に入りのエルヴィーラです♪声も容姿もとにかくイメージにぴったりだと思います。
keyakiさん>
>どこかで見たことがあると思ったら
そうか、私も新国のホームページで公演写真見たことあります!あのごちゃ~っとした演出ですか。衣装、ジョヴァンニに限らずやっぱりちょっと笑っちゃいます(笑)写真のオッターヴィオとアンナはまた凄い格好ですね…。笑い上戸の私が劇場で見たら、笑いが止まらなくて困ってしまうことでしょう。
投稿: Sardanapalus | 2005/10/21 02:36
keyakiさん&サルダナさん:
私のお友達ブログの大半はソネットさんですから、遊びに行けずに悶々としてます(^^;
keyakiさん、情報ありがとうございました。早速追記しておきました。
>なんとなくむさくるしい衣裳ですね。
そうなんですよーー;いいな、と思うのもあるんですが…
サルダナさん:
わざわざ検索して来て下さって、ありがとうございます(^^!
昨日サルダナさんのお宅の、キーンリさんに出会った原点(^^#の、BSで放送された映像のお話をちょこっと読んでたら、エルヴィーラは同じ方ですね。メンテナンスが終わったら、TB&リンクさせて頂きますね。
>キルヒシュラーガー
そうですね。「コジ」のドラベッラの映像も見たのですが、何となくハマらない気がしました。美人なんですけどね(ー。ー;
>写真のオッターヴィオとアンナはまた凄い格好
でしょう(^_^;)アンナを見た瞬間「エリマキトカゲ」(もしかしたらご存じないかしら?私が中学生の頃、流行ってたんですけど…^^;)を連想しちゃったもの。
このアンナさん、先ごろのバイエルン来日公演の「タンホイザー」で、エリザベートを歌った方ですよね?
投稿: ヴァランシエンヌ | 2005/10/21 02:56
>エルヴィーラは同じ方
そうなんです。やっぱりエルヴィーラは当たり役なんですね。メンテナンス終わったらフェラーラの彼女の映像も追加しておきます。
>アンナを見た瞬間「エリマキトカゲ」
もちろん知ってますよ~!写真を見たとき、私も思いだしました。そして、どんぐりみたいな頭ももうちょっと何とかできないのかな~?と(笑)
>バイエルン来日公演の「タンホイザー」で、エリザベート
そうです、そうです。芯のしっかりしたエリーザベトで、私は結構好きな声でした。
投稿: Sardanapalus | 2005/10/21 06:46
>メンテナンスは、終わってからが怖い
ですよね。なんともないことを祈ります・・
>あのかつらをずーっと被っているわけではなく
もっと見栄えのいいところを、ジャケットにすれば良いのに・・ (一般的にあれがかっこいいのかも?!)
>ズボン姿のエルヴィーラ
危険な外歩きは男装してってことかしら? ズボンはいてれば誘惑されないし、襲われることもないのかも。モネ劇場でも、ズボン姿で登場でしたね。
>キルヒシュラガー
って、意外にはまりにくいみたいですね^^;
「ホフマン物語」のニクラウスははまってると思います^^!
>新国立劇場の公演
行かなかったけど、資料室で映像を一部観ました。
たしかに、ごちゃごちゃした感じでしたけど、
カツラを含む、衣装のせいでしょうね。
投稿: edc | 2005/10/21 07:35
サルダナさんがエリマキトカゲをご存知だと伺って、何となく安心感が(笑)
edcさん:
>もっと見栄えのいいところを、ジャケットにすれば良いのに・・
ですよねー!
晩餐の場面の、黒髪スタイルはそこそこ魅力的だったので、そういうところをジャケットにした方が、売れ行きも上がると思うんですけどねぇ。
>>ズボン姿のエルヴィーラ
ふふ…確かに。彼女が見られただけでも、まぁ良しとします。美しい方でした…
>>新国立劇場の公演
>行かなかったけど、資料室で映像を一部観ました。
そうだったんですか。でも同じプロダクションということは、もしかしたら国内版が出れば、もっと話題に上るかもしれませんね。
(その時は、ジャケットは別の写真にして頂きたいですね^^;)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2005/10/21 07:46
この映像、日本でも近々DVDが発売される予定です。確かTDK社だったような……?
オデュッセウスはこの舞台、新国が最初に上演した時のもので実演に接しています。あまり感心しなかったなぁ~。
オデュッセウスは、宮本亜門演出の二期会の『ドン・ジョバンニ』が最も楽しめました。評判があまりよくなかった公演でしたが、ご覧になられた方、いかがです?
投稿: オデュッセウス | 2005/10/21 08:14
オデュッセウスさん:
>この映像、日本でも近々DVDが発売される予定
あら、そうなんですか(^^ ジャケットは変わるといいんですが…(違)
新国の舞台、実際にご覧になっていらっしゃったんですね。
亜門さんの《ジョヴァンニ》は、ネット上でも賛否両論でしたね!去年の夏ごろの話ですよね。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2005/10/21 22:27
シモーネ演出の「ドン・ジョヴァンニ」について触れた記事を書いたので、こちらをリンクさせていただきました。TB送っても反映されないのですが、TBは受け付けない設定ですか?一応記事のURLをこちらに貼っておきます。よろしくお願いします。
http://blog.so-net.ne.jp/sardanapalus/2007-01-22
投稿: Sardanapalus | 2007/01/22 20:28
サルダナさん:
TBの件、ごめんなさいね。私も先日TAROさんちで、同じことをやっちゃったんですよねぇ。
この前のメンテ後、知らないうちに初期設定がTBを保留する形になってしまっていたようです。
元に戻しておいたので、今後は大丈夫だと思います。
ものはついでなので、この記事にもサルダナさんの記事のリンクを張っておきました。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2007/01/22 23:07