« アメリカの砂漠 | トップページ | モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ウィーン国立歌劇場 1999年 »

マゼットに留まって欲しい…でも…複雑な女心。

今月初旬の、ベルギーモネ劇場来日公演の余韻?で、ブログ仲間では《ドン・ジョヴァンニブーム?》が静かに進行中のようです(^^;

☆モネ劇場来日公演の鑑賞記…
edcさん
・サルダナパルスさん宅(演出・舞台編)  ・(歌手編)

こんな時、いつもならばすぐに便乗して、私も手持ちの映像、見返してみようっと♪なぁんて思うのですが、実は私、この、あらゆるオペラの中でも最上の作品ではないか?!と言われているこの作品が、どちらかというと苦手で、なかなか馴染めずにいるのです(><;

なんというのか、つかめなくて…どの登場人物にも共感できないというか、心理的に遠い気がします。
そんなの、どんなオペラだってそうじゃん!と言ってしまえばそれまでなのですが、好きな作曲家なのに、こういう風に感じつつ、なかなか馴染めないぞーー;という類の作品が、私の中にいくつかあるのは確かで(例えばR.シュトラウスの「エレクトラ」やベートーベンの「フィデリオ」)私にとっての「ドン・ジョヴァンニ」は、正にその中でも筆頭に挙げられる作品なのです。

ムーティの新しい映像勿論、興味は常に持っていて、映像もフルトヴェングラーのザルツブルグでの映像を始め、ロージーの映画版(※註1)カラヤンのザルツブルグライブムーティの新しい映像(※註2)など、一応見てはいるのです。

※註1:ロージーの映画版については、keyakiさんのお宅で詳しいお話が読めます。コレを機に、もう一度チャレンジしてみようかな…と思ってます。

※註2:ムーティの新しい映像は写真のジャケット。ロベルト・デ・シモーネ演出・’99ウィーンでのライブ盤です。日本では未発売かしら?ダリの絵を思わせるような舞台ですが、そういえばまだ全部見てませんでした(^_^;) 

配役:
ドン・ジョヴァンニ:カルロス・アルバレス(Carlos Alvarez)
レポレッロ:イルデブランド・ダルカンジェロ(I'ldebrando d'Arcangelo)
エルヴィーラ:アンナ・カテリーナ・アントナッチ(Anna Caterina Antonacci)
アンナ:アドリアーネ・ピエチョンカ(Adrianne Pieczonka)
ツェルリーナ:アンゲリカ・キルヒシュラーガー(Angelika Kirchschlager)
オッターヴィオ:ミヒャエル・シャーデ(Michael Schade)
マゼット:ロレンツォ・レガッツォ(Lorenzo Regazzo)

ちなみにムーティの《ドン・ジョヴァンニ》の映像は’87ジョルジョ・ストレーレル演出が有名だと思いますが、私は未見です → 鑑賞データは例によって、edcさんちへGo!^^!

CDも、カラヤン盤、クリップス盤、ベームの古いウィーンでのドイツ語上演盤&ザルツブルグライブ盤、ショルティ盤などなど、数だけは揃ってて、聴いたのも一度や二度ではないのですが、今ひとつ「これ!」と思えるものがないのです。

強いてあげれば、一番最初に見たフルトヴェングラーの映像でしょうか。一応シエピ好きとしては「動くシエピ」は外せないというのもありまして(^_^;)
彼はこの時31歳だったんですねー。輝くような美しさです。

それはともかく、こういう時に克服するできるか否かは、好きな歌手が歌うかどうか…というのが、結構重要なポイントになってきます。
どんな小さな役でも、歌ってくれればそこから糸口が見えてくることもありますしね(^。^!
(…エスカミーリョについては、触れないで(ー_ー )ノ")


というわけで、私のダレカさん…に話を振りましょう。

ベルリン国立歌劇場にて彼は現段階では、このオペラの登場人物で、一番若い農夫マゼットをレパートリーにしています。
おねーさん気分で「いつまでもかわいいマゼットでいて欲しい…」なーんて思っていたのですが、出世の為にはそうもいかないですし、どうやら来年3月のリンデンでのマゼットキャンセルした模様ですね。

ひいき目かもしれませんが、写真で見る限り、とってもかわいいマゼットで、これならマゼットに感情移入できるかもしれないし、リンデンでの「ダ・ポンテ」シリーズの中では、この作品のみ未映像化のため、来年3月の「ほぼリンデンオールキャスト&バレンボイム指揮」で、待望の映像?!と楽しみにしていたんですけどね…大ショック(ToT) 
…こういうのを《取らぬ狸の皮算用》というのですねっ。

29歳、そろそろ、マゼット卒業なのかな…

ところで"Das Opernglas"2004年6月号のインタビューの中で、彼は次のように語っています。
(お友達に訳して頂きました。ありがとうございます。一応、私も少しずつ読んでいるのですが、なかなかーー;)

「私の好きなオペラ「ドン・ジョヴァンニ」には、バス歌手にとって夢のような役の選択肢があります。そのタイトルロールは、見習い期間に問題がなければ、もうすぐ歌えます。私にとってのドン・ジョヴァンニは犯罪者ではなく、とても人間的な人物です。彼は自分の人間性に従ったがために罰せられたのです。」

…さぁ、困りましたね(^_^;) エスカミーリョほどではないけれど…
(こんなに文句ばっかり言っててーー; こんなことではバス歌手のファンとして、心構えがなってないのかもしれません)

そうか、好きなのね…ドン・ジョヴァンニが。確かにバスは、老け役が多いですから、ジョヴァンニはバス歌手にとって、魅力的な役柄であるんでしょうね。彼が歌うのならば、克服できる可能性もナキニシモ…か…な?

というわけで、ジョヴァンニ歌いの諸先輩方の《ジョヴァンニ感》について聞いてみたいぞ…と、リクエストしてみました。

・ヨーロッパでジョヴァンニと言えばこの方・ルッジェーロ・ライモンディの《ジョヴァンニ感》こちらからGo!

・先ごろのモネ劇場での来日公演でも高い評価を得た、今を代表するジョヴァンニ・サイモン・キーンリーサイドの《ジョヴァンニ感》こちらからGo!

答えてくださったkeyakiさんサルダナパルスさん、本当にありがとうございました(^。-)-☆
こういうご意見を踏まえつつ、ちょっとずつ克服できれば…と思います。

« アメリカの砂漠 | トップページ | モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ウィーン国立歌劇場 1999年 »

オペラ」カテゴリの記事

コメント

>どの登場人物にも共感できない
なるほど~。それは確かに面白くないですね。でも、ジョヴァンニは、小悪魔ツェルリーナに踊らされるマゼットよりは報われているキャラだと思いますよ?やりたいように生きているし、一応レポレッロがお世話してくれているし(笑)

>来年3月のリンデンでのマゼットをキャンセル
えっ、そうなんですか?な~んだ、残念!まだまだ若いんだから可愛いマゼットを見せて欲しいのに~。あ、ちなみにモネの来日のマゼット君も可愛い系(なんだそりゃ)でした。マゼットが可愛いと、またイメージが変わっていいですね。

ブーム?!押し付けちゃったかしら? ごめんなさいね・・ でも、盛り上がったのは Sardanapalusさん宅でのヴァラリンさんの意味深なコメントがきっかけですよ^^!

なんでも、出世魚じゃないけど、マゼット→レポレッロ→ドン・ジョヴァンニということみたいですから、大きくなりたければ、いつまでも可愛いマゼットでいるわけにはいかないですね^^; 


サルダナさん:
わわ~~まだ途中だったのに、先に遊びに来て頂いてすみません。

色々追記しましたので、また読んでみてコメントして下さいね。

>マゼットキャンセル
そうなのよーー;ショックで、暫くおとなしくしてるかも…
(ああん、映像楽しみにしてたのにToT)

マゼットは新郎なんだから、可愛いほうがいい!!個人的には(笑)

あーedcさん、また被っちゃった(^_^;)

>ヴァラリンさんの意味深なコメントがきっかけですよ^^!

え?アタシ、何か言いましたっけ(^^?。?

>出世魚じゃないけど、マゼット→レポレッロ→ドン・ジョヴァンニ

ふぅーむ。レポレッロは、あの「カタログのアリア」だけは、来年2月のロンドンフィルでのコンサートで歌うんですけどねぇ…
http://www.geocities.jp/traeumereienvalencienne/schedule-2005.htm#09

ん?ロンドンってことはぁ〜〜サルダナさん!!報告宜しくね♪

私としては、色男ドン・ジョヴァンニよりも使用人レポレッロの方が、彼に似合う気がするんですけど、本人があのタイトルロールは《夢のような選択肢》というからには、いずれ…ということでしょうね。

(私、本当にファンなんだろうか…農夫がいいとか使用人がいいとか言ってて^^;)

太平洋をはさんで時間帯が合っちゃうんですね・・私のほうもTBしました。

>ドン・ジョヴァンニよりもレポレッロの方が、彼に似合う

レポレッロもするんじゃないかしら?? 
相手によるところもあると思います。コンビとしてのおもしろさも必要だし・・

今度はコメントをいじってたら、また被りましたね(^_^;)
TBありがとうございます。

>コンビとしてのおもしろさも必要だし・・

そうですね。いずれにしろ何らかの形で、今後彼がこのオペラに関わることに変わりはないわけですし…
(ああん、でもしつこいけどマゼットの映像、見たかったよう…ToT)

TBと丁寧なリンクありがとうございます。そして、追加分も読みました~。ふむふむ。ムーティーの新しいDVD、いい歌手が揃っているから気になっているんですけどね~。表紙のアルバレスのかつらにばかり目が行ってしまいます(笑)それにしても、キャンセルは残念ですね!せめて最後に映像になってから出世してくれれば良かったのに!(キーンリーサイドみたいにメディア嫌いという訳じゃないですよね?)

>来年2月のロンドンフィルでのコンサート
わわっ、知りませんでした。これは何が何でも職を見つけてイギリスに留まらないと、彼を見られるチャンスを逃してしまいますね。プログラムもショスタコーヴィチとモーツァルトで統一されているし、なかなか面白そうです。着々と出世中!?(笑)じゃあ、ヴァラリンさんは3月のベルリンじゃなくて、2月のロンドンにいらしてはどうですか?ロンドンならどこでもご案内しますよ~。ついでにROHでシュロットのフィガロを見ませんか?(笑)

>表紙のアルバレスのかつらにばかり目が行ってしまいます
私も・・ です^^;
それと、オヒゲの口元.....

最近バリトンに押され気味なドン・ジョヴァンニですので、ヴィノ君には、ドン・ジョヴァンニやって頂きたいともおもいますが、どうなんでしょ。
シェピの流れをくむドン・ジョヴァンニとしては、やっぱり、バス・バリですものね。

TBさせて頂きます。

広いシュトラウスなどできない
ヴァランシエンヌは、余韻とオペラと、遠い気が最上とかを進行しなかったの?


ソネットのメンテナンスで、皆様のところに行けず、寂しいですぅ(><;
サルダナさん&edcさん:

>ムーティーの新しいDVD

せっかくなので、新しく記事にしました。あまり上手に撮れませんでしたが、写真も載せてありますので参考になさってみて下さい(^^

>メディア嫌い

う==ん、どうなんでしょ?!映像の話は、私の過剰期待から出た憶測で、確実な話ではなかったですからね。可能性としては、充分考えられると思ったのですけどーー;
でもスナップ写真を見ていると、伏し目がちのときや、どことなく表情が硬いときが多いですし、もしかしたらあまり好きじゃないのかもしれないなーなんて、妄想してます…

>2月のロンドン

はは^^;確かにベルリンよりかは、無料航空券を取れる確率が高いかも…(^^;でも寒そうだなぁ。
頑張って職探しして、是非報告して下さいな。楽しみにしてます(^。-)-☆

keyakiさん:

TBありがとうございます(^^ お話、本当に参考にさせて頂いてますが、克服への道は険しいーー;

>シェピの流れをくむドン・ジョヴァンニとしては、やっぱり、バス・バリですものね。

そうなんですよねー。私も低いドン・ジョヴァンニの方が…と思います。そういう点では、期待できるかな??

シェピもRR氏も、

>>マゼット→レポレッロ→ドン・ジョヴァンニ

の段階を経ず、いきなりジョヴァンニ…なんですよね?
この辺りは、劇場専属を経たか否かでも変わってくるのかもしれませんね。

ブレーチェン:
は何を言いたかったのかなー?オペラの余韻は楽しみたいけど、気持ちが乗らないときもあるからね。

この記事へのコメントは終了しました。

« アメリカの砂漠 | トップページ | モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ウィーン国立歌劇場 1999年 »

Search




  • WWW here

カテゴリー

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ