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アンナ・カレーニナ 北御門二郎訳

アンナ・カレーニナ 北御門二郎訳 こういう海外の文芸作品に、マトモに興味を持ち始めたのは恥ずかしながら、ほんの数年前からです。ロシア文学を真面目に読んだのは、初めて…かもしれません。

トルストイを読むなら、このかたの訳で!と思っていました。
数年前に雑誌《サライ》で紹介されていたことがきっかけで知りました。いわゆる学者端ではない方が翻訳をなさっているということで、興味を持ったのです。
それから、本を手にするのにも時間がかかったし、読み終えるのにも時間がかかりました。
残念ながら、昨年亡くなられたのですね。ご冥福をお祈りしたいと思います。

訳文も読みやすく、外国文学の翻訳にありがちな、不自然な訳は一箇所もありませんでした。
とっても惹かれた、というか、心に残ったのが、主役カップル(アンナとウロンスキイ)と対峙しているもう一つのカップル・キティとレーウィン(*1)の2人。何となくお互いに劣等感を持ちつつ、悩みながら一つずつ歩んでいく二人(特にキティ)に、感情移入しながらゆっくりと読みました。まだまだ、子供っぽいという証拠かもしれませんね(^^;

キティがレーウィンのプロポーズを一度は断り、その後ウロンスキイにも振られたあとで、塞ぎこんでしまいますが、その時のキティの心の中の言葉。

《治療などというものは彼女には、まるでこわれた花瓶のかけらをつぎ合わせようとするのと同様、滑稽なものと思われた。心に大きなひびができたのに、なぜ人々は彼女を錠剤や粉剤で治療しようとするのだろう?》

…この箇所を読んだ頃、精神的に辛い時期だったので、ぐっと来ました…

多分、自分の年齢的にはアンナの方が、近いんでしょうけど、まだお子様気分の私にとって、ウロンスキイに惹かれるアンナの気持ちを理解するのは、難しい…
彼も弱い人間だということはわかるんですけどね…

で、私には今ひとつその魅力が伝わってこないウロンスキイですが、レーウィンが初めて彼を見た時の、彼からみたウロンスキイの描写には、ニヤニヤしてしまいました(^^;これだけは、んー!なるほど!!と思ったんです。

《ウロンスキイは、そう背の高くない、がっちりした体格の黒い髪をした青年で、にこやかで美しくて、非常に落ち着いていてひきしまった顔をしていた。短く刈り込んだ黒い髪や青く剃り上げた顎のあたりから、ほんのおろし立てのゆったりした軍服にいたるまで、その顔形すべてがいかにも自然でまた優雅であった》

ふふ。つまりロシアの青年には、こういうタイプの人がいるってことなんですよね(^^!

面白いと思いながらも読み終えるのに、半年以上かかったのですが、こういう文芸作品には、《読み時》ってあると思うので、そういう意味ではロシアモードにどっぷりつかっている、今こそ、私にとっては読み時だったのかもしれません…随分晩生ですけど^^;

(*1)亭主が学生時代にこの作品を、別の人の翻訳で読んだ時には「リョーヴィン」だったと言ってますが、北御門氏の訳では「レーウィン」となっています。

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