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ベートーベン「第9」@シュターツカペレ・ベルリン

オペラしか殆ど聴かない、偏ったクラシックファンなので、まさかシンフォニーコンサートに自分から進んで足を向けるとは思いも拠りませんでした。

そもそも、オペラは人間が実際に舞台の上で動いて演技する…という側面があるので、実演を観る(聴く)意味があると思うんですが、シンフォニーの場合、楽器を弾いている人を見ながら聴いても、あんまり意味がないというか、面白くないんじゃないかしら?CDで時々聴ければ、それでいいんじゃない?という、その程度の認識でした。

「第9」なんて、クラシックにあまり詳しくない人でも知っているような、ポピュラーなプログラムですが、この「第9」でさえ、CDを通して聴いたのは2、3回程度で、しかもろくに覚えていないという有様。

では何故、わざわざ出かけたのかと言うと、それはもう、ひとえにハンノ・ミュラー=ブラッハマン(Hanno Mueller-Brachmann)を一度観て聴いておきたかったからという、ミーハー根性のなせる業(^^!

この日の席は、4階席(当地風に言うと、3.Rang)の右よりのほぼ中央ではありましたが、4列目、ほんっとにこの劇場の、一番後ろの席でした。
チケットを手配した時に、ほとんど空いてなかったことと、一度この劇場の上の方の席で見てみたかったという気持ちもありました。
どんな風に見えるのか、聴こえるのか気になりますが、オペラだともし、ちゃんと見えなかったらどうしよう…という心配も、シンフォニーなら特に気にならないだろうと思って…

座ってみると、ちゃんと傾斜がついているので、前の人の頭もあまり気にならないのですね。かえって、平土間の前方のほうがが気になるくらいです。

タダ一つ、中央の、ソリストの席が4つ設けられている箇所の、向かって右側の席ひとつが、ちょうどシャンデリアで死角になるのが、何となく気になりました。嫌な予感…

いつもはオケピットとして使っているところにも蓋みたいなのをかぶせて?舞台をひろーく使い、楽器が沢山並んでいるのは壮観ですね!
これはこれで、面白いと思いました。

そんな感じですので、演奏については深く語れません(^。^;
印象に残ったのは、第三楽章のホルン?だったかしら?管楽器がすごーく、上手かった!ということと、まぁこれも月並みですが、合唱の迫力は凄いですね(^^
やっぱり、人の声に反応するみたいです…

それと、ここのオーケストラは、いつも前半は何となくモタモタしたような感じ → 徐々にシフトアップ → 終わってみれば、カタルシス…(にならないこともありましたけど^^;)というような感じを抱くことが多いのですが、この演奏もそうでした。

ということで、人の声付きの第4楽章が一番ノリノリ+カタルシスな感じがして、一番よかったです。
但し、最後の部分の音はちょっと大きすぎじゃなかったかしら?
こ、ここまで鳴らさなくても…^^;と思っていると、夫が「あそこ、みてごらん」とそっと肘つき。
近くに小学生くらいの女の子が座っていましたが、耳を覆っていました…(^_^;) 
終わったあとで、ホッとしたように耳から手を離す仕草が、微笑ましかったです(^^;
その気持ち、わかるかも…

で!肝心のお目当てブラッハマンですが(#^.^#)
ソリストは、第4楽章の頭に入場してきました。先頭がバス、つまりブラッハマンです。おおーっ、遠目で観ても長身痩躯。痩せてても背が高いから、見栄えしますね。タキシード姿も決まっていて、すてきーヽ(*^^*)ノ

しかし…

先頭で入ってきたということは、そうです!向かって一番右側の席が彼。つまり、私の席からはシャンデリアで、ブラッハマンの姿だけ、すっぽりと隠れてしまって、全く見えなくなってしまいました…(o ̄∇ ̄)o!!

Σ(|||▽||| )がーん…

他のソリストたちは、座っている姿も、歌う姿もしっかり見えたんですけどねーー;実に残念でした。

お歌の方は、リートで聴いた時の印象そのまま、というか、あの「コジ・ファン・トゥッテ」の映像で見た時とは随分違う、非常に硬い歌い回しで、生真面目な感じを受けました。
第9のバス独唱部分は、初めて人の声が入ってくるところですし、歌う側としてはとても緊張する場面だそうですが、こういう硬い声で入ってくると、パシッとしていいですね(#^.^#)

他のソリストたちも皆さん良かったです。ソプラノは夏のボエームでムゼッタだった、Anna Samuil でしたが、この時よりも声がよく出ているような気がしました。
待っている時は、何となくゴソゴソ…オチツカナイワ…というような感じでした。ちょっと落ち着かなかったのかな?
アルトのRosemarie Lang(待っている時も、ピシッと背筋を伸ばしていて、美しかったです^^)とテノールのBurkhard Fritz(ボリス@グレゴリーの時よりも、こざっぱりしてました^^;)も、キレイな声で、よかったです。

★終演後、バレンボイムやソリストたちは、沢山花束をもらっていましたが、バレンボイムがオケ奏者&合唱の女性のみに、花を一輪ずつ配って回っているのが、可笑しかったです(^^;

★ブラッハマンの姿ですが、カーテン・コール(この場合も合ってますか?^^;)で、舞台の前の方に出てきてくれたときには、ソプラノから入って最後がバス、つまり、左側の方に立ってくれたので、見る事ができました(^^;

やっぱり、一度オペラの実演で観たい!聴いてみたい!…ですね。

********************************************

指揮   Daniel Barenboim 

ソプラノ Anna Samuil 
アルト   Rosemarie Lang 
テノール   Burkhard Fritz 
バス   Hanno Mueller-Brachmann      

オーケストラ Staatskapelle Berlin 
合唱   Staatsopernchor 

2006年1月1日 ベルリン国立歌劇場ニューイヤーコンサート

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2005-2006冬・オペラ鑑賞&滞在記@ベルリン」カテゴリの記事

コメント

「第九」まだ生で聴いたことがないです。

それにしてもお目当ての歌手氏の立ち位置が最悪とは残念でしたね。

edcさん:

>「第九」まだ生で聴いたことがないです。

あら!意外な感じ(^^;

>お目当ての歌手氏

痩せてても背が高いと、遠くから見ても映えますね^^;
同じ席から、本命のダレカさんを見たらどう見えるのかな?って、激しく不安になりましたもの…

(タテは今更どうにもならないから、やっぱりヨコを何とかしないと、見栄えしないってことかなー。ー;太りすぎは論外だけど、貫禄は必要不可欠ですものねぇ…)

シュターツカペレの“第九”だなんて素晴らしいですね。本当に生で聴いてみたい。
それから今月8日にシュターツオーパー・リンデンで“さまよえるオランダ人”を鑑賞しました。とくに第2幕のダーラントのアリアには魅せられました。甘くて膨よかな声,ヴィノグラドフは本当に素晴らしい。
また,当日同歌劇場のガイドツアーで彼のドレッシングルームを見学致しました。正直どちらかと言えば,お目当てのスーザン・アンソニーの部屋を見て感激してたのですが,彼の部屋ももっとよく見とくべきだった思いました(多分彼の部屋は写真におさめたと思うのですが)。では素晴らしいオペラ鑑賞を。

southyoshiさん、初めまして(ですよね?)
書き込みありがとうございます。

>“さまよえるオランダ人”
>第2幕のダーラントのアリア

ヴィノグラドフ、聴いて下さった感想をお聞かせ頂いて、ありがとうございます。
キャラズレかしら?と思っていたんですが、ビックリするくらいハマっていたので私も驚いたんです。また後日、改めて感想書きますね。

>同歌劇場のガイドツアー

私も元旦のツアーに参加しました(^^; ちょうどこの「第9」の演奏日だったので、ブルグハルト・フリッツ氏のドレッシングルームを見たんですが、思ったよりも狭いんですね。

またこちらの記事も、UPする予定ですので、お気軽にコメント残して下さると嬉しいです。

今後とも、宜しくお願いします。

>お目当てブラッハマン
>遠目で観ても長身痩躯
テレビで今年のプロムスの「第9」を見たとき、私も「やけにひょろ長い歌手だな~」と思いました(笑)隣のテノールがまたちょっところんとした体型の人だったので余計に(^_^;)

>非常に硬い歌い回しで、生真面目な感じ
プロムスの放送を聞いたときはいまいちぴんとこなかったのですが、やっぱりしっかりした音響の会場で聞いてみたいですね~。

オーケストラもソリストも充実した公演をお聞きになって、羨ましいです~。

サルダナさん:

>>お目当てブラッハマン
>隣のテノールがまたちょっところんとした体型の人

今回も同様でした(^^; 
ブラッハマン&ブルグハルト・フリッツの二人、同い年とは思えません…^^;

>やっぱりしっかりした音響の会場で聞いてみたいですね~

そうですね。プロムスのときは、大きな会場だったんですよね?
今回はなんてったって、オペラハウスの中でのコンサートでしたし、私としては珍しく上のほうで聴いたので、音響としては最上の部類に入るのかな?

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