シカゴリリックオペラ(Lyric Opera of Chicago)
+++2008.3.24 追記 +++
このページをご覧になられて、2008年3月にホヤホヤ観劇なさってきた娑羅さんが、あらたにシカゴリリックオペラについての記事を書いて下さいました。⇒⇒⇒こちら♪
新しい情報もありますし、リリックオペラでの観劇を考えていらっしゃる方、検索でこのページに辿りついて下さった方、ぜひ娑羅さんのページも合わせて、お読みになってみて下さい
帰国前・2006年2月に行った、シカゴリリックオペラ(Lyric Opera of Chicago)のもう少し詳しいお話を聞かせて下さい…とのメールを頂きました。どうも、ありがとうございます。
よい機会ですので、忘れないうちにまとめておきます。
他にもわからないこと、こんなことが知りたい!ということがあれば仰って下さいね。わかる範囲でお答えしたいと思ってます。
●チケット:
この劇場で観てみたい!と思う方が、まず気になるのが、日本の音楽雑誌等に書かれている「定期会員が全体の9割を占める」という情報だと思います。
実際のところ「そんなに定期会員がいるとは思えないけど??」というのが正直な感想です(^-^;
会員優先でチケットを売っているのは事実だと思います。アメリカは寄付金社会ですし、オペラハウスも寄付によって支えられている面が大きいので、どんな小さな規模のオペラハウスでも積極的に会員を募っています。
次のシーズンのチケットは、春頃から先行して定期会員向けのセット販売(HPで確認したら、4月の時点で既に会員向けのセット販売を始めているようです)した後、改めて残りの席を7月下旬~8月頃から一般向け、若しくは単独で売る形をとっています。
中央付近のいわゆる「いい席」は会員優先席で、一般では殆ど買えないような印象を受けました。というか、そういうところから売れていくのかもしれませんけどね。
ネットでチケット注文する際に、座席を選べる劇場もありますが、現時点でのシカゴのシステムは、値段のカテゴリーと枚数を選択すると、機械側で空いている席を自動的に提示する形式です。
つまり、自分で席が選べないのです(>~<;
「ここは嫌だなーー;」と思ったら、やり直せば同じお値段のカテゴリーの中で、空いているところを改めて提示してくれます。値段のカテゴリーを変更すれば、それに合わせて提示してくれますよ。
座席が実際に確定するのは個人情報を入力した後ですから、納得行くまで選んでみて下さい。実際に買うときには、メールアドレスなどを登録する必要があります。
ところで私が「ばらの騎士」のチケットを買ったのは、公演の一週間前+土曜日の公演でしたけど、充分空いてました。
公演日まで10日を切って申し込みした場合は、自動的に劇場のチケットオフィスでの受け取りになります。
あまり値段をかけたくなかったので安い席にしたんですが(^^;空いていなかったわけではなく、他の値段のカテゴリでも空きはありました。
ですから一般でもチケットが買えない!ってことはないと思うので、諦めないでトライしてみて下さいね。
当日都合が悪くなった会員さんが、劇場前でチケットを売っている光景も見かけました。そういう方から買うのも手ですけど、不確定ですし、遠くから行く時には、決してお勧めできる方法ではありませんね(^^;
●見え方:
(座席の見取り図はこちら・PDFファイルでリンクしてます)
「ばらの騎士」の鑑賞記にも書きましたが、私が見たときの座席はUpper Balcony の前から7列目、一番隅の4人掛けBoxの中央寄りで$60でした。2番目に安いカテゴリです。値段は演目によってばらつきがありますが、大差ないかな?
Upper Balcony 1 というカテゴリだったので、2階席のつもりで注文したんですけど、実際は「5階席」でしたf(^^;
馬蹄形劇場ではないので、バルコニー席の端でも死角がなく、舞台全体が見渡せることは、見渡せます。
ですが全体が見渡せるとは言っても、歌手の顔なんて、肉眼では判別できないし、舞台で何をやっているのかも、ろくに見えませんでした(^^;
記事トップの写真は、休憩時間に座席から撮ってみたものです。
舞台よりも天井のほうが断然近いですね(^^;
ここまで離れちゃうと、一列二列前か後ろか、とか、中央寄りか隅のほうか…だなんて、全く関係ないですから、一番安いカテゴリの、6階席・Upper Balcony 2(一番遠いところ)でも大差なかったかなーー;とか、思っちゃいました。
オペラグラスは使わない主義なので、ここまで舞台から離れてしまうと正直言って、あまり面白くなかったーー;というのが本音です(^-^;
音は不自然なくらい、よく聴こえたんですけどね…
クリーブランドで平土間の前から20列目くらいの右端の席で「オネーギン」を見たことがありますが(鑑賞記はこちら)ここも馬蹄形ではなく、どこに座っても舞台全体が見渡せるような設計になってました。
後ろに行くにつれて、傾斜がついてるので、前の人の頭もあまり気になりませんでした。
ちょうど、大きな映画館という感じです。これがそのまま大きくなったのがシカゴ…との印象を受けました。
ということで、シカゴに関しては平土間での見え方はわからないんですが、馬蹄形ではないですし、同じ列ならば、中央でも隅でも、大して変わらないような気がします。
アメリカのオペラハウスは近代的で、シートピッチも広く、椅子も座り心地がいいので、すごくラクに見れます。これは、ドイツの劇場では得られない快適さなんですよね(^^!
服装もあまり気にしなくてもいいと思います。背中の開いたイブニングドレスで、すごく派手にキメキメで来る若い女性もいれば、「アナタ、バードウォッチングに来たんですか?^^;」っていうような、ジャージ姿+オペラグラスを首からぶら下げて…って感じのおじさんやら、さまざまです。
(オペラハウスでの服装については、別記事で纏めます)
結局在米中にMetには行けませんでしたけど、想像するに、ああいうのがもっと大きくなったような感じじゃないかしら?
●行き方その1・ホテルからのアクセスは?:
日本から行く場合、劇場へのアクセスはホテルから…ということになると思います。劇場のHPにも「ホテル・リスト」が掲載されていることはいるんですけど、劇場から歩いて移動できる距離にホテルは皆無です。
この劇場へのアクセスは非常に悪いのです(^^;
オペラハウスの位置は、勿論シカゴ市内ではあるんですが、いわゆるオフィス街みたいなところのビルの一角です。
ついでに言っておくと、オペラハウス自体も単なる大きなビルで、「えっ?これがオペラハウスなの?^^;」という感じで、色気なんて全くありません(^-^;
日本人の感覚ですと、地図上に、歩いて移動できそうな距離感のホテルがあるように見えますが、オペラが終わるのは冬の夜の遅い時間(ばらの騎士の時は、7時半開演→12時近くの終演)ですから、真っ暗になっちゃいます。
街の中には、物乞いのひとたちもちらほらいます。危害を加えられるわけではありませんが、慣れないと、ギョッとすると思います。
加えて真冬のシカゴの夜は、通常でも-5℃くらいまで気温が下がりますから、歩くのはほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。シカゴ市内を走っている電車もありますが、乗ったことがないので、治安の面はなんとも言えないです…
ということで、旅行者のひとが劇場に行く際には、たとえ近くのホテルを取ったとしても、タクシーで移動したほうが無難だと思います。
終演後はオペラハウスの前に、タクシーを待つ人たちの行列が出来ますから、寒いけどしっかり厚手のコートを着て、行列に加わって待っていれば、必ず乗れると思います。
●行き方その2・車で行く場合:
HPには、周辺に適当な駐車場があるように書いてありますが(駐車場リスト)オペラハウス周辺に行きなれた人でない限り、探すのは至難の業です。
オペラハウスの前の道路は一方通行が多いし、ある意味「オペラが上演される日は、渋滞はお約束」のような印象を受けました。
一旦行き過ぎてしまうと戻るのも難しい…と言う感じで、最終手段のValet Parkingを使いました。
劇場前の渋滞中の道路では、右車線に車がズラズラ並んでいます。そこについていると、劇場の係員が順番に車を取りに来てくれ、鍵を預けると車を駐車場まで持って行ってくれます。 → 車を渡す時に、引き換えに車のナンバーと車種・色を書いた紙切れをくれます。
料金は前払い。2006年2月の時点で$17(+一緒にチップ$1渡した方が無難)でした。
帰りはその紙を係員に渡せば、順番に持ってきてくれます。込み合うので、少し時間を置いた方がいいかも。
《ちょっと、ひと言》
車を渡す時には、面倒でもコートは車の中に置きっぱなしにしないで、自分で持って出て下さい。
劇場から歩いて一分くらいの、隣のビルの前での引き渡しになりますが、待ち時間が結構あります。
ビルの中で待っていられるんですが、暖房が切れていて非常に寒かったです。夫は面倒がって、コートを車の中に置き去りにしたことを、後悔していましたf(^^;
(歯をガチガチ言わせて震えてました…とにかく真冬のシカゴの夜中は、通常でも-5℃くらいまで気温が下がりますから^^!)
●字幕:
英語の字幕がつきます。アメリカでオペラを観て、毎回可笑しかったことの一つに「筋を知らない観客が字幕を観て反応し、大笑いをする」ということがあります。
シカゴですら、そういうレベルです(^^;
****************************
シカゴはウチから比較的手軽に行ける大都会だったので、何度か行きました。今までに書いた関連記事と、お店・美術館のリンクをまとめておきます。オペラのついでに、是非これらの場所にも足を伸ばしてみて下さいね(^-^/~
●アメリカで気に入っていた数少ないレストランの一つ・Russian Tea Time
(正確にはウクライナ料理屋だそうですが、一応ちゃんとしたロシアンレストランです。黒パンやボルシチ等、美味しかったです…アフタヌーンティもオススメ)
場所はシカゴ美術館の向かい、シカゴシンフォニーの団員御用達だそうです。
●お約束のシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)
東洋美術(浮世絵とか)のコレクションが多くて、ちょっと意外な感じでしたけど、西洋美術のほうも、さすがに数は多いです。
私は絵画はなかなか覚えられなくて、何回か同じ美術館に通わないと「どこに何があるのか」を把握できないんですが、やっと少し覚えてきた所での帰国でしたから、もっと行っておけばよかったと後悔してます。
★シカゴ郊外・植物園(2005年5月末の旅メモ)
+++2008年3月追記+++
お友達の娑羅さんがまとめた「シカゴ・リリック・オペラについて」も是非、合わせてお読み下さい。新情報満載ですよ
« ゴミ箱はどこ?ドコ?! | トップページ | お役所って… »
「オペラハウス・コンサートホール」カテゴリの記事
- スペイン・バリャドリッドのミゲル・デリベス文化センターについて&140529-30 R.シュトラウス【変容】withカスティーリャ・イ・レオン管弦楽団(2015.01.22)
- トリノ・テアトロレッジョ劇場その1・チケットあれこれ&劇場内部の様子(2013.11.10)
- パリオペラ座(バスティーユ)チケットの買い方(2013.06.06)
- 新国立劇場への行き方:ナビゲートアルバムを作成しました(2012.03.19)
- 旅の記録その2 ミラノ・スカラ座 おのぼりさんレポート@劇場内部編(2011.06.19)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
とても詳しい情報ですね!それこそ、どこかの旅行会社に提供しても良いくらいじゃないでしょうか?もしシカゴに行く機会があったら、ぜひ参考にさせていただきます。(実は今年キーンリーサイドが出るんですよね…)
交通が不便なところにあるオペラハウスって、ちょっと珍しいですね。シカゴだから皆車で来るでしょ、ってことかなぁ(笑)
座席情報も分かりやすくて役立ちます~。この写真から判断すると、今回ヴァラリンさんが座られたのは私がいつもROHで座ってたような席みたいですね。天井からの反響音でよく聞こえるけど、歌手は小さい(^_^;)でも、特にお目当ての人がいないならお勧めの席種だと思います。へ~行きたくなって来たなぁ…宝くじでも買ってみようかしら~。
投稿: Sardanapalus | 2006/04/17 18:41
とてもお詳しい情報面白いですね。
車社会のアメリカ事情が手に取るようです。
(⌒ー⌒)
昔、N響のマイスタージンガー観に行った時、コンサート・チケット見せて駐車場に案内された事あります。
(あれは中々気持ち良かったです。)
中でもチップという習慣が日本には無いので是をちょっと気遣うとなかなかスムーズに行くような気がします。
(日本の場合とりわけこの習慣が無いので要領良く進めるテクニックの一つとしてインプットすると良いかも)
マイナス5度の世界に放りだされるって・・・
寒いのは苦手なんで・・・・
(((゚Д゚))))ガクガク・ブルブル
投稿: あやかしのとら | 2006/04/18 07:11
サルダナさん:
>旅行会社に提供しても良いくらいじゃないでしょうか?
あはは~~誉めて頂いてありがとう。でも何も出ないわよ(笑)←只今パン作りもお休み中だし…
意外とリリックオペラの情報は、名前の割には少ないんですよね。メトならともかく、余程のことがないと、わざわざシカゴまでは行かないでしょうしね。
そうそう、キーンリさん、今年は夏にクリーブランド管弦楽団(クリーブランドオペラとは別物ですね^^;)にも出る予定でしたよね?
今年はイギリスよりも、アメリカ中心…でしょうか。
>特にお目当ての人がいないならお勧めの席種だと思います。
そうね。だけどROHよりも入れ物自体が大きいでしょうから、肉眼ではホントに辛いですよ…
勿論、お目当ての人がいる時には絶対にオススメしません!!ソウイウ時には、ケチらずに意を決して前のほうで見るべきだと思います(^~^}}}}}
とらさん:
>チップという習慣が日本には無いので
そうですね。なかなか慣れなくて、面倒だなと思うこともありましたけど、考えようによっては「ギブアンドテイク」ということで、明朗な感じもしますね。
日本だとすぐ「袖の下」って感じになっちゃうような気がしますけど^^;
>マイナス5度の世界に放りだされるって・・・
アチラの人とは、身体のつくりが違うんだな…って思う瞬間でもありますねf(^^;
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/04/18 13:39
ヴァラリンさん>
>何も出ないわよ(笑)←只今パン作りもお休み中だし…
え~~そんなぁ(^_^;)とか言って、嘘です。パンも、落ち着いたら日本っぽい材料を使ったものとか、作っていただけませんか?写真で見るだけですが、楽しみにしてます♪
投稿: Sardanapalus | 2006/04/19 21:23
サルダナさん:
>写真で見るだけですが、楽しみにしてます♪
うわぁ~嬉しいわぁ…そう仰って頂けると(笑)
>日本っぽい材料
あんぱんとか?^^;
それはともかく、粉類は高くてとても手が出せません…昔は平気で買ってたんですけどね。
帰国前に、向こうでどっさり買い込んだ材料が届くのが待ち遠しいのよ(^~^}}}}}
その材料が届く前に、オーブンを何とかしなくちゃ!と思っているんですが、なかなか「これ!」というのがなくって…
どこの商品も、耳ざわりのいい宣伝文句とか、機能はいっぱいついているんですけど、「こんなに沢山の機能はいらないから、もっと安くして欲しい!!」というのが、切なる願いです…
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/04/19 21:56
リリック・オペラの詳しい情報、ありがとうございます。
チケットが買える可能性はあるんだ!と思えると、とてもうれしいです。とはいえ、自分が行けるかどうかは、これはまた別問題なんですねぇ(;;)。
投稿: Belle de Nuit | 2006/04/22 17:28
Belle de Nuitさん:
わー、お久しぶりです(^^ 書き込み、ありがとうございます!嬉しいです~
>チケットが買える可能性
この劇場の場合、やっぱりここが気になりますでしょう?
帰国して改めて、オペラ関係の雑誌や入門書をざっと読んでいるんですけど、行きたいと思う気持ちを殺ぐような書き方をしているものが目に付きますね。
とっても残念なことだと思います。
たとえ、本当に定期会員が9割だとしても、このオペラハウスの収容人員は3500人です。
だとすれば、残り1割でも、350の座席数には可能性があるってわけですから、好きな人が出る演目で、本当に観たい!と思うんだったら、簡単に諦めないで欲しいな…と思います。
値段的にも、日本で見るよりかは安いですし、ネ。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/04/22 22:34
ブログでリリックオペラをとりあげましたので、こちらの記事をリンクさせていただきました。
8月6日の記事です。
投稿: keyaki | 2006/08/06 14:09
keyakiさん:
リンクありがとうございます!一応、こちらからTBさせて頂きました。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/08/06 20:36
この度は、リンクをありがとうございました
その節は、色々と教えていただき、本当に助かりました。
おかげさまで、シカゴの旅を満喫することができました。
ありがとうございました!
投稿: 娑羅 | 2008/03/26 22:37
娑羅さん:
なかなかコメントが反映されなくて、すみませんでした改めてお帰りなさい&お疲れ様
こういう情報を、実際に行ってこられた方が、少しずつ元の情報を修正、加筆することが出来るのが、ネットのいいところですよね。こちらこそリンク、ありがとうございました
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/03/26 23:22