ルイザ・ミラー@フェニーチェ歌劇場ライブ(3)
●お仲間のkeyakiさんが、ルッジェーロ・ライモンディ氏のヴァルター伯爵の公演記録をまとめて下さいました。ライモンディ氏、この役が全然好きじゃないとのことですのでf(^。^;どうやら二度ほどの出演だそうです。
ヴァルター伯爵のアリアがお聴き頂けますので、こちらからGo!
《私の感想…?まだ発展途上中。》
何度も言っていますが、この作品には今まで全く馴染みがなかったし、好きな人が歌わなければ、恐らく聴く機会すら持てなかったと思う作品です。ですから、演奏の良し悪しを判断するなんてことは出来ません(^。^;通して聴いたのも、この放送時が2回目ですし…
おや?って思ったのは、伯爵が歌う場面が意外と沢山あること。
しつこいですが、CDの解説やネットのあらすじで読んでみても、ヴァルター伯爵については殆ど触れられていないですし、テノールとソプラノの為の作品+低声ではどちらかと言うと、ルイザの父親ミラーの方が美味しい役ですから、ホントに「添え物」みたいなものかと思っていたんです。
でも実際に聴いてみると、あれ?意外と沢山歌っているじゃん!っていうのと、edcさんが書いて下さったあらすじを読むと、要するに《父と息子の確執》が伏線にあって、息子が父の「人に言えない秘密」を握っていて、父を脅す~~みたいな感じは、《ドン・カルロ》の異端審問の場面にも通じる点があるのではないかしら?なぁんて思ったわけです。
だとすれば、極論かもしれませんが、将来フィリッポをも歌いたいと希望を持っている彼にとっては、役における性格付けや、役作りの上においても、共通点があるのじゃないかしら…って。
今回、役に対する性格付けが過剰だったことが、一部批評家のお気に召さなかったようですけど、ヴェルディの初期の作品という性質上、演劇性を追求するべきではないとでも言うことなのかしら?
まぁ、ファンとしては大根だったと言われるよりかはマシですけどね(^。^;
声が軽い、この役には若すぎるという批評を目にするのも、もう慣れっこになってますけど、29歳でこの役を歌ってはいけないとかいう決まりが、どこかに書いてあるのかしら?ライモンディ氏だって、30歳の時に歌っているじゃないですか~~^^;
地鳴りのするようなバス声をお好みの方には不向きでしょう。たしかに、部分的に抜粋して聴き較べてみるだけでも、マゼール盤で歌っているグウィン・ハウエルとは比較にならないくらい、華奢で痩せた声ですし。
でも、自分なりに色々工夫して、表現を緻密にしようと試みているのは伝わってきますし、大感激!というわけではないけれども、私にはこれがちょうどいいというのか、一番ぴったりくるのは間違いのないところでしょう。
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コメント
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>マゼール盤で歌っているグウィン・ハウエルとは比較にならないくらい、華奢で痩せた声ですし
ヴィノ君、ライモンディよりは重いんじゃないの。
>グウィン・ハウエル
聴かせて頂きましたが、こういう声、好きじゃないのよね〜。こういうこもった声、たとえば、ロバート・ロイドとかは軽いって言われないんでしょうね。
>"Quando le sere al placido"
ドミンゴは、いつもの通り。
耳馴れないサバティーニが新鮮だわ。
最後の部分が泣きが入っていてジンときますね。サバティーニは最近レパートリーにしたみたいですね。日本で歌ったのが初めてなのかな?
私のブログにも別のテノールさんのをアップしてますから聴いて下さいね。
投稿: keyaki | 2006/05/26 22:55
>>グウィン・ハウエル
聞けました^^!
keyakiさんと同様ですぅ.... ロバート・ロイドと共通性が感じられるような... どちらもイギリス人。
>>"Quando le sere al placido"
>サバティーニが新鮮だわ。
これも同感^^!
(でも、今度は前半四分の一のところで止まっちゃいます.... さっきはほとんど全部聞けたのに????)
投稿: edc | 2006/05/26 23:31
keyakiさん:
あら!ちょうどkeyakiさんが言及なさっている2曲がうまく聴けませんよ~~っていうご指摘を受けて、手直ししてみたんですが、よかった。ちゃんと聴いて頂けたんですね!
ありがとうございます。
>こういうこもった声
が、いわゆるバスの声ってイメージする人が多いんでしょうね。
そういえば、テオ・アダムでさえ「軽いザラストロ」とか「軽めのヴォータン」って言われていたのを思い出しました(^^;
響きが明るい、というか、硬い声のひとは、そういわれ勝ちなんでしょうね。どうもこういう声質に反応するみたいで(^^ゞ
>>"Quando le sere al placido"
>サバティーニは最近レパートリーにしたみたいですね。
らしいですね。ネット検索で私も知りましたけど…
>別のテノールさんのをアップ
うふふ。わたしはあのお方のが、一番好みですよん♪節度があって、いいと思うんですけどね。そういや、あのお方も「軽い」とか「ひ弱」の代名詞ですわね(^^;
edcさん:
>でも、今度は前半四分の一のところで止まっちゃいます.... さっきはほとんど全部聞けたのに????
ごめんなさーい(><;
原因不明なんですけど、ご指摘を受けて再度2度目のものに戻してみました。私のPCでも、UPする前はちゃんと聞けるのに、UPすると最後がダメになっちゃうんですよねーー;
でも、前半4分の1で止まるよりかはマシですし、週末は手直しできそうにないので、これで暫く我慢して下さいね…って、本当は一番大事なアリアなのに、ごめんなさいm(__)m
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/26 23:48
フェニーチェの公演、タイマーで録音しておいて聴きました。ヴィノグラドフ、いいじゃないですか!指揮者はちょっとね...。あまりにルーティーン。
サッバティーニは去年のサン・カルロの来日がこの役のロール・デビューでしたが、その時のほうが適度の緊張感があって、近年の彼にしては上出来だったと思います。先月ムーティのレクイエムで来日した時も思ったのですが、ちょっと調子を落としていますね。持ち直すのだろうか...。
タコーヴァはペーザロの常連なので結構よく聴いていますが、この役ではやはり今のところフリットリが圧倒的でした。でもね、去年のマドリッドでのチェドリンス、こちらは放送を聴いただけですが、私は結構好きです。以前に比べるとずっと声がきたなくなっていても、彼女の歌には何かがあります。「世界的」には好まれないでしょうが。
ミルレルも伯爵も、とっても重要な役なのに、あまり「これは」という人を聴いたことがありません。それだけたいへんだということですね。
どうしても年配の役が多いバスがまだ年若い場合、「若すぎる」というのはよく言われるセリフです。今や押しも押されもせぬフィリッポやフィエスコ歌いであるスカンディウッツィも、日本に初めて来てフィエスコを歌った時は、まだ30歳ぐらいだったと思います。でも、素晴らしく感動的なフィエスコでした。「若すぎる」というのは、ホント、ただ見た目だけのことなのです。
投稿: Bowles | 2006/05/27 13:50
Bowlesさん:
レス遅くなって申し訳ありません。放送、お聴きになって下さったとの事、ありがとうございます。
演奏スタイルの良し悪し、歌手の出来不出来など、実演に接することが出来た方は勿論のこと、放送を聴いた方たちのなかでも色んな感想があるのは、当たり前だと思っています。
至極馬鹿げた理由ですけど、私にとっては、彼が歌ってくれたお陰で、今まで馴染みのない作品にとっかかりが出来たということが、一番の収穫です。
この劇場での上演は映像になることも多いみたいですし、できれば映像で観てみたいな…とも思っています。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/29 15:34
初めて、お邪魔します。昨日この、ルイザ ミラーの稽古の様子を ここイタリアではRAI 3 のPRIMA DELLA PRIMAで、夜1時15分からテレビで放映されたのですが、すっかり忘れていて、今PRIMA DELLA PRIMA のサイトを見たら、再放送は日本では、金曜日あさ7時から、Rai International で放映との事。(in replica su Rai International il giovedì alle 23,00 circa ora italiana che corrisponde a: Asia (Tokyo venerdì 7,00 )どなたか、録画される方いませんでしょうか?もしされたらなんとか見せていただきたい、よろしくお願いします。
投稿: micky | 2006/05/31 15:53
mickyさん、いらっしゃいませ。
>Rai International
とは、こちらのことでしょうか?↓
http://www.international.rai.it/tv/webtv/index.shtml
生憎イタリア語はさっぱり…ですので、お手数ですが、もう少し詳しく教えていただけませんか?ネット経由で見られるのでしょうか?
それとも、日本のどこかの放送局で放送するとのことですか?
だとすれば是非観てみたいですけどね(^^;
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/31 16:29
mickyさん、横レスですが、教えてください。
>Rai International で放映
日本のテレビで見られるというのは聞いたことがありませんが、ネットで見られるのでしょうか?
見られるのでしたら、ぜひ録画したいです、というか、録画します!
この番組”PRIMA DELLA PRIMA” は、オペラ好きにとっては、垂涎の的ですもの。
投稿: keyaki | 2006/05/31 16:31
ああ~~っ、keyakiさん!!被っちゃった…
keyakiさんも見方をご存知ないのですね。
>”PRIMA DELLA PRIMA” は、オペラ好きにとっては、垂涎の的ですもの。
そうなんですか。でもこういうのが録画されているってことは、本公演が録画されていて、DVDを発売する時に特典映像がつくってことかも~~とか、妄想が妄想を呼びますよf(^^;
見方をご存知の方がいらっしゃったら、是非教えて下さいね。宜しくお願いします!
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/31 16:37
私が思うのには、サテライトテレビで放送されると思うのです。http://www.international.rai.it/tv/palinsesti/canale3a/20060601.shtml番組はここに載っているPRIMA DELLA PRIMAなんですが、サテライトでRAIが見られる方が普通のヴィデオレコーダーかDVDレコーダーで録画できると思うのですが。PRIMA DELLA PRIMAのサイトも下に書きます。http://www.primadellaprima.rai.it/1999/00lug03.htm http://www.raitre.rai.it/R3_popup_articolofoglia/0,6844,55%5E4758,00.html
本公演のDVDは五月26日と28日に録画されたので、そのうち発売になると思います。ヴィノグラドフって稽古の時はパンク風のTシャツで、全然サバティーニのお父さんに見えなかった。稽古風景の映像って面白いと思いますが。なんとか皆様見られますように。私は、ぎりぎりまで覚えてたのに、放送が一時15分ということもあり、火曜日の放送完全に忘れてしまい、残念!
投稿: micky | 2006/06/01 01:48
mickyさん:
情報ありがとうございます。私も調べてみました。
>サテライトテレビ
は、大型(長さ1mくらい?)の水平大型アンテナを取り付けないと観られません。業者に頼めば費用もバカにならないそうですし、かといって個人で取り付けするのは、それなりの知識も必要だそうです。
(アメリカでは、庭に大きなアンテナを立てているお宅を時々見かけました。何だろうと思っていたのですが、恐らくそういう類のアンテナだったんでしょうね)
それから周知のようにヨーロッパはPAL式、日米はNTSC式という映像配信の違いもありますので、PALの写るTVでなければ写らなかったりなど等、単純に線をつなげばOKというものでもないそうです。
以上の理由から、日本の一般家庭でこの番組を視聴し、まして録画することは、まず無理でしょうね。
●ヨーロピアンTV(AsiaSat2)に関するサイト
http://www.satellite.co.jp/european.html
●アジアサットHP
http://www.asiasat.com.hk/eng/00_home/home.html
貼り付けして下さったリンクがうまく表示されていないので、再度表示しておきますね。
●RAI Internationalサイト
http://www.international.rai.it/tv/palinsesti/canale3a/20060601.shtml
●PRIMA DELLA PRIMAサイト
http://www.primadellaprima.rai.it/1999/00lug03.htm
●ルイザ・ミラー番組紹介
http://www.raitre.rai.it/R3_popup_articolofoglia/0,6844,55%
本公演が収録されていて、DVDが発売される予定とのことでしたら、おまけ映像として観られる可能性もありますし、気長に待ちたいですね。
***************************
>ヴィノグラドフって稽古の時はパンク風のTシャツで、
あら!流行りのTシャツを着て稽古に参加することは、フェニーチェでは珍しいことなのでしょうか。
現場のことには疎いシロウトの素朴な疑問ですがf(^^;
>全然サバティーニのお父さんに見えなかった。
素顔のまま、20歳近く年長者のひとのお父さんに見えたら、そのほうが困ってしまいます(^^;
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/06/01 10:29
ヴァランシエンヌ様こんにちは。カルロ・フェリーチェのサイトを覗いてみたら2006/07シーズンが発表されておりまして、その中にヴィノグラドフの出演予定が出ておりました。コメントの場所が適当でないかもしれませんが、ヴィノグラドフつながりということでお許し下さい。演目はプロコフィエフの三つのオレンジへの恋です。2007/2/2,4,6,8,10の5回の上演で、演出はホモキでベルリン・コミッシェ・オパーのプロダクションだそうです。カルロ・フェリーチェですのでRAI 3 radioで放送される可能性もありますので期待して待ちましょう(笑)。配役その他詳細は下記アドレスでご確認下さい。
http://www.carlofelice.it/allegati/ita/0607_stagione-lirica.pdf
投稿: のび~ | 2006/06/01 17:49
のび~さん:
お久しぶりですね。情報ありがとうございます。
私も10日ほど前に、出るよ!という情報だけは入手していたんですが、日程がはっきりしたんですね。
>カルロ・フェリーチェですのでRAI 3 radioで放送される可能性もありますので
そうなんですか。イタリアの劇場は、放送が多くて何よりですわ(^^;
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/06/01 21:45
色々お騒がせしてすみませんでした。今回は諦めます。今度DVDが発売になったら、お知らせします。ヴィノグラドフのファンの方がいらっしゃるって知ってたら、サインとか写真をもらっておいたのに、実は親友の同僚とサイン貰いに行こうかとしてたのですが、二人とも内気なもので、諦めたのです。今回は、稽古の最中、声の調子が悪かったようで、一日は劇場まで来てたのに、舞台にもこず、翌日は演技だけして、歌わず、その後も調子悪そうだったけど、RADIO RAI 放送日とDVD収録日はしっかり歌ってられました。それでは、又お邪魔します。
投稿: micky | 2006/06/03 02:26
mickyさん:
サテライトテレビのことは、私も色々勉強になりましたし、DVD発売の情報は、ありがたく思っています。
>サインとか写真をもらっておいたのに
調子が悪いところをおして稽古場まで来ているところ、そっとしておくのが「思いやり」というものでしょう。
せっかくですけど私は、彼のサインが欲しいと思ったことは一度もありませんし、mickyさんのコレクションの為に
>ファンの方がいらっしゃるって知ってたら
などという言い訳に利用されるのは、心外です。
現場のことには疎いシロウトの妄想ですけど、声の調子が悪いときに、練習で無理して歌うソリストさんがいらっしゃるのでしょうか?
本公演に照準を合わせて調子を整えていくのが、プロのソリストではないのですか。
恋は盲目状態の、馬鹿なファンの憶測ですけど、初めてのイタリアの劇場で慣れない環境の中、
>劇場まで来てたのに、舞台にもこず、翌日は演技だけして、歌わず
(やっと稽古に来たときには「パンク風のTシャツ」で、でしたわね)
などと、非難めいた目で周囲から見られていたとすれば、精神的にも相当のプレッシャーで、本公演までに調子を整えるのがやっと…だったことでしょう。
23日の放送は私も聴きました。この作品自体に馴染みがなかったので、出来がよかったのかどうか、客観的な判断はできません。
DVDが本当に発売されるとすれば、その時に、どうやって歌い演じていたのかを、じっくり観察したいですね。
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本人とは面識もありませんし(持つつもりも一切ありません)ここは、私が一方的にネットの片隅でつぶやいている場所です。
彼の「人となり」に関心はありますが、彼のパフォーマンスこそ、私が知りえる全てであり、その方面からのアプローチ…今まで自分が知らなかった作品について調べる等のことは、自分でも積極的に行っていますが、「彼がパフォーマンスを提示するまでに至る過程」に関しては、立ち入るべきではない領域だと心得ているつもりです。
済んでしまった公演ですし、これ以上私の気持ちを乱すようなことは、どうかご遠慮下さい。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/06/03 23:26