ショスタコーヴィッチ「リア王」から「道化の歌」その3
この曲は、1曲当たり1分前後の短い曲を10曲合わせて、それをチクルスとしているのですが、実はネステレンコ版では 1-2-3-4-6-9-5-8-10-7 という順番で歌われています。
ピアノ版だとこの順番で演奏されるのが「決まり」なのかどうかは、手元の資料のみではわかりません。何方か詳しい方がいらっしゃれば、ご教示願えれば…と思います。
私見ですが、幕の順番&音楽の盛り上がり度から判断すると、ヴィノグラドフがコンサートで歌った時の順番の方が、収まりがいいような気がするのですけどね…
でも、慣れの問題かもしれません。ネステレンコ版の順番も、初めは「地味ねぇ」と思っていたんですが、「劇的度」は多少下がっても「哀愁度」が上がるような気がします(^^;
「その1」で引用した部分に書いてありますが、道化の年齢は60歳くらいだとか。だとすれば、確かにネステレンコの歌だと、このくらいの年齢の人物を彷彿とさせますね。ちなみにネステレンコがこのアルバムを録音したのは’76年(あれま。ダレカさんが生まれた年だわ~~)38歳の時とのことです。
ダレカさんは…この時29歳になったばっかりですし、う~ん、もう少し若い道化さんかな、という感じかしら?ロシアのバス歌手の大先輩を差し置いて、なんたる発言!ですが、贔屓の引き倒しとは承知してますが、時折ユーモアも感じさせる皮肉の利かせ方は、こっちが洗練されているかな、という気がします。時代のせいもあるんでしょうネ。
決してピアノ伴奏+順番のせいだけではないと思うけど、ネステレンコ版を聴いていても、煽られて思考停止状態には、ならないのですが…^^;
…もう、こんな内容なのに、そんな風に感じさせてちゃダメヨ…まだまだ表現に甘さがあるんだわ、なーんて思ってみたり…
とかいう、くだらん話は置いといてf(^^;最後の3曲の歌詞紹介です。
※歌詞引用は「ショスタコーヴィッチ歌曲集(発売元:ビクター音楽産業株式会社 VICC-40082-83)」より。
8.第3幕第2場 まず何をなすべきか。
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コメント
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音楽好きだけじゃなく、シェイクスピア好きとしても楽しく読ませていただきました。ロシア語の訳詩、ちゃんと韻を踏んでいて凄いですね。こういうのが日本語だと無理なんですよね~。
>道化の年齢は60歳くらい
これはあくまでも「定説」の話ですので、演出家によっては若い道化を起用する場合もありますよ。ということで、ヴィノグラドフは若い道化ってことで、良いじゃないですか!年寄りの道化はこれから何十年先になっても歌えますから。
投稿: Sardanapalus | 2006/05/10 23:17
サルダナさん:
地味な内容なのに、反応して下さって嬉しいです!!本当は自力で訳するともっとカッコイイんでしょうけどね。とりあえず、手がかりが見つかっただけでもありがたいです~~
>ロシア語の訳詩、ちゃんと韻を踏んでいて凄いですね。
そういえば、そうですね(言われてみて初めて気がつくオバカ…^^;)
アルファベットの綴りだと、どうしても英語とかドイツ語で(頭の中で)読んでしまうので、タイプしにくくて…タイプミスしてないことを祈ります(^^;
本当はキリル文字の読み方をちゃんと勉強してからやった方ががいいんだろうな、と改めて思いました。
音を便宜上、アルファベットで「当てて」るわけで、曲を聴きながら、字面だけ追っかけていても、早すぎて追いかけきれなくて。
とりあえず、日本語での大意がわかれば、今のところはいいかな、と…^^;
リア王をちゃんと読むか、舞台を見ると、もう少し理解できるかもね。
>年寄りの道化はこれから何十年先になっても歌えますから。
ま、まぁねf(^^; それでなくても、年寄りの役が多いのに…
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/10 23:57
少しご無沙汰してました(^^;)
ショスタコーヴィッチで「リア王」があったんですねぇ?!
ロシアものはあまり触れる機会が無かったのでネステレンコの「道化の歌」は貴重でした。
しかし道化がテーマになった曲って何となくこっけいな感じで面白そうですが、ロシアものはちょっと重みがある様な感じに思えます。(^^;)
投稿: YUKI | 2006/05/15 10:30
YUKIさん:
オペラとしての「リア王」ではなく、演劇につけた「劇音楽」というジャンルだそうです。私も、好きな歌手が歌ってなかったら、恐らく知りえなかっただろうという曲ですねf(^^;
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/15 20:55
「劇音楽」ってことは・・・もしかするとオラトリオみたいな感じとか。。。
ベルリオーズの「ファウストのごう罰」も「劇的物語」ってなっているのでそれに近いものでしょうかねぇ?
違ってたらすいません。(^^;)
投稿: YUKI | 2006/05/17 07:41
YUKIさん:
ショスタコーヴィッチについては、日本語で読める詳しいサイトが沢山あるので、私もそれらを読んで、只今勉強中の身ですので「こうですよ!」とはっきり断言できないのがもどかしいのですが(^_^;)
興味があるようでしたら、「その1」にもリンクした以下の2つのページが参考になると思います。
http://develp.envi.osakafu-u.ac.jp/staff/kudo/dsch/cd-orc.html#58
http://www2u.biglobe.ne.jp/~smacky/kakure.dsch.lear.htm
「リア王」に関しては全曲通してというよりも、「道化の歌」と「コーデリアのバラード」(これもバスの為の歌曲で、とても美しい歌曲です)という2つの声楽曲が「聴きもの」という感じみたいです。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/05/17 10:09