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出世魚?!マゼット→レポレッロ→ドン・ジョヴァンニ

本場のバレンシアオレンジジュース、飲みたいな…(^^ゞ

《ドン・ジョヴァンニ》は、表題の3役以外に騎士長を含めると、4人の男声低音歌手を必要とする作品ですが、騎士長はさておき、これら3つの役柄全てをレパートリーにする歌手さんも多いようですね。

特にジョヴァンニとレポレッロは、キャラクターが全く違うのに、歌い分けしちゃう歌手さんたち、器用だわーと尊敬しちゃいます(^^;

声域と身分?!の割り振りについては、ちょっと古い記事ですが、詳しい解説がTAROさんのお宅にあったのを思い出して、引っ張ってきました。 ⇒ こちらからGo!

身分が高いほうが声域も高い…というのが、一応の「お約束」だそうですが、そうするとバリトンがジョヴァンニを歌うのが正しい?!ということになりますが、実際の所は指揮者や演出家の意向にも拠る所大でしょうね。私は、最初に観たフルトヴェングラーの映像のシエピのイメージで、ジョヴァンニは深くて暗め声のバスの役だと、ずーっと思っていました(^^;

ちなみにウィーンとメトの歴代のジョヴァンニさんたちをkeyakiさんがまとめて下さっています。こんな感じだそうです。 ⇒ ★ウィーン ★メト

もうひとつkeyakiさんのお宅から、、ライモンディ氏と共演したレポレッロの一覧表を探してきました。 ⇒ こちらからGo!

これらの表を拝見させて頂くと、確かに両方歌っている…って人が、多く見受けられますね。

先日来日したMetの《ドン・ジョヴァンニ》で、ジョヴァンニを歌ったエルヴィン・シュロットと、レポレッロを歌ったルネ・パーペは二人とも、どちらともレパートリーにしていますね。

ちなみにパペは公式サイトのレパートリー一覧を拝見すると、若い時にはマゼットも歌っていたようです。ということで、マゼット→レポレッロ→ドン・ジョヴァンニという、出世魚コース?!を順当に歩んできたと言えるでしょう(^^;

シュロットはどうなんでしょうか?ご本人はレポレッロのほうが好きだとの事ですが、最近はジョヴァンニを歌うことが多く、レポレッロはあまり歌わなくなってきているみたいですね。過去にはマゼットを歌ったことはあるんでしょうか?

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…ふう。長々と前置きしちゃいましたけど。

いやその、つまり。

出世するらしいってわけ… → マゼットからレポレッロに。

…いつ、どこで、誰が、誰と。

え?

12月に、オレンジジュースの本場で…(* ̄o ̄)ゝ

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DON GIOVANNI BY WOLFGANG AMADEUS MOZART
New production
Musical direction: Lorin Maazel
Stage direction: Jonathan Miller
Costumes: Claire Mitchell
Erwin Schrott, Don Giovanni
Alexander Vinogradov, Leporello…(b^ー゚)v
Barbara Frittoli, Donna Anna
Adriana Damato, Donna Elvira
Maria Fontosh and Maria Grazia Schiavo, Zerlina
Francesco Meli,(30日のみDmitri Voropaev), Don Ottavio
Vladimir Vaneev, Il Commendatore
Nahuel di Pierro,Masetto

Generalitat Choir (Francisco Perales, conductor)
Palau de les Arts Reina Sofia Orchestra,Valencia,SPAIN
16 December. 19, 22, 26,28 and 30 December

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ちなみに彼本人はこの作品、とっても好きなオペラだそうです。

《私の好きなオペラ「ドン・ジョヴァンニ」には、バス歌手にとって夢のような役の選択肢があります。そのタイトルロールは、見習い期間に問題がなければ、もうすぐ歌えます。私にとってのドン・ジョヴァンニは犯罪者ではなく、とても人間的な人物です。彼は自分の人間性に従ったがために罰せられたのです。》

(Das Opernglas 2004年6月号インタビューより。お友達に訳して頂きました。ありがとうございます)

タイトルロールよりもレポレッロの方が好きだという、シュロットと「ジョヴァンニは夢のような選択肢」と、多分ジョヴァンニに対する憧れの気持ちいっぱいで(*1)初めてレポレッロに挑戦する彼。

初顔合わせの二人の若い主従コンビ、私にとっては本当に楽しみな組み合わせです。

夢に向かって一段ステップアップ…ということで、心から「おめでとう」を言いたい…です。

(*1) 「カタログの歌」は、20062月のロンドンでのコンサートで歌っています。ちょっとモタモタしてましたけど、これから歌い込んでいけば、もっと上手になるんじゃないかな~~なんてね。贔屓の引き倒しですがf(^^;

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オペラ」カテゴリの記事

コメント

えっ、すごい!すごい!
それにこのプロダクションとっても贅沢じゃないですか?!女性陣だってフリットリやらダマートちゃんやら。ええー、これ、放送は??収録は??

凄いじゃないですか、着実に出世してますね。
バレンシアって、最近できた劇場のようですね。スペインって、オペラが盛んなんですね。

わーい♪早速ありがとうございます(^^ 

りょーさん:

>女性陣だってフリットリやらダマートちゃんやら

そうなんですよぉ。ダマートちゃんは、例のドミンゴコンクールで、彼が出場した年(2003年)の優勝者ですね。

>放送は??収録は??

う==ん、どうなんでしょ?!私も是非観たい、聴きたいと思っているんですけどねf(^^;

keyakiさん:

いっぱいリンクしちゃいました(^^;
keyakiさんが去年、あの記事をまとめた頃には、今ほど彼に熱を上げていなかったのと、DGが彼の好きな作品だと知らなかったんですよね。

本当はタイトルロールを歌いたがっているのは承知してますが、シエピやRRさんみたいな「バスなのに飛び級コース」は、なかなか難しいでしょうしね。。。

本人が好きだと言う作品に出演の機会があるだけでも嬉しいですが、少しずつでもステップアップできれば、最高ですよ、もう(^^!

>バレンシアって、最近できた劇場のようですね

そうなんですか。写真で見ると建物もかなり変わった形ですよねf(^^;

リンクとTBありがとうございました。

オレンジジュース?カリフォルニア?なんて思ってしまった私は・・・

一種のお国物ということで、スペインの歌劇場は「ドン・ジョヴァンニ」と「カルメン」には力いれるのかも。
役柄の出世もさることながら、マゼールの下で歌うというのが、ちょっとステイタスかもしれませんね。もっともマゼールって、あまり歌手に興味なさそうな気もするんですけどね。カラヤン、ベーム、アバド、ムーティのようにいつも同じ歌手ということは全然ないし、与えられた歌手でやりますみたいな。

シュロットとだと二人の取替えはうまくいくんでしょうか。少なくともターフェルとキーンリーサイドみたいに『絶対間違うわけないじゃん』状態にはならなくてすみそうですね。

TAROさん:

こんな内容でTBしちゃって、すみません(^^;

>オレンジジュース?

はは^^; 
最初はValencienneとValenciaを引っ掛けて、何かいいアイディアはないかな?と思ったんですけど、そりゃさすがに懲りすぎかな~~なんて思ったりして。。。

せっかくのオレンジジュースの本場ですから「シャンパンの歌」では、カンパリオレンジをぐいっとやって頂きたいところですねf(^^;

>ちょっとステイタス

うふふ(^^)v
それと、リンデン以外の劇場で、メジャーオペラの大きい役の初役…というのは、多分初めてなんですよね。この辺も、今回のステップアップのポイントかな~~と。。。

>二人の取替え

う==ん、どうなんでしょ?思いっきりラテン系の派手な顔立ちのシュロットと、思いっきり地味な顔の彼ですし…
あ、髪の毛の色はシュロットも黒っぽいですね。(彼は真っ黒ですけど。。。)
だけど、これはカツラとか、染めればどうとでもなりますしね。

シュロットの実演を観た人は、背も高くて素敵…とみなさん仰ってますよね。身長どのくらいなのかしら?

来日公演で共演した、パペとの身長差がどのくらいあったか??というのがわかれば、大体の見当はつくんですけどねf(^^;

(もし、パペとシュロットの身長差が殆どないとすれば、彼とシュロットの身長差は10センチ以上あると思いますーー;まぁ、すらっと背の高いご主人様&華奢な使用人という感じで、収まりがいいかな~~なんてf(^^;)

こちらには久しぶりに書き込ませていただきます♪
やっぱりマゼット→レポレッロ→ドン・ジョヴァンニは、バス・バリトンの王道みたいですね。
私はオペラを聞き始めた頃-1990年頃(パンフ)が出てこない…)に観たロイヤル・オペラの引越し公演でブリン・ターフェル@マゼットを観てました。体も声も大きくて、目だってましたねえ。

この前のMETのシュロット、パーペは、ふたりとも若くて主従というより同等の立場という感じでした。パーペ@レポレッロけっこう威張ってたかも(笑)

それと、モーツァルト・イヤーの頃にMETでレイミー、フルラネットが日替わりでD.G.とレポレッロを交換しながら上演というニュースを読んだ覚えがあります。

なつさん:

わー、書き込み嬉しいです(^^

>バス・バリトンの王道

あれだけ違うキャラクターが、出世魚の代名詞?!になっているのも、なんとなくピンと来ませんけど、どうもそうみたいですねf(^^;
(バス歌手に熱を上げるまでは、全く関心がなかったので、気がついていませんでした~~^^;)

>ブリン・ターフェル@マゼット

わわっ、ターフェルまでもが王道を歩んでいたとは(^_^;)
最近では、ダルカンジェロもジョヴァンニを歌ったそうですしね。彼のマゼットは知らないんですが、レポレッロはムーティの映像で観ました。

>パーペ@レポレッロけっこう威張ってたかも(笑)

はは^^;一日の長…ってとこかもしれませんね。

ところでなつさんにお伺いしたいのですが、この二人、どちらのほうが背が高かったか、ご記憶にありますか?

パペさんがかなりガタイがいいのは、3回舞台を観てるので、大体わかるんですが、シュロットも身長が高くて素敵…と、皆さん仰ってますよね。

まぁ、帽子を被ったりすれば実際のところはわかりませんが、何となく気になるんです(笑)

>来日公演で共演した、パペとの身長差
気持ちパペさんの方が大きいかな、という印象だったと思います。でも、ほとんど差を感じないくらいでした(役柄のせいもあるかも?)。

私もBelle de Nuitさんとまったく同じ見解で、同じくらい・パーペの方が少し高い?でした。

>最近では、ダルカンジェロもジョヴァンニを歌ったそうですしね。

おお、ダルカンジェロも出世しましたかー。
私は2000年の新国で彼のレポレッロ観ました(D.G.はフリットリのダンナ)。
小柄な若い男性から、太く低いバスの声が出ると、なんだか不思議でした。
ヴァラリンさんのアノ人も同じ感じ?

Belle de Nuitさん&なつさん:

わっ、リクエストにお答えくださって、ありがとうございます(^^!
>気持ちパペさんの方が大きいかな
>同じくらい・パーペの方が少し高い?

ふぅーむ。だとすれば、5センチくらい低いのは確実で、もしかすると10センチくらい低い確率が高いかな…

>ダルカンジェロも出世

実際の舞台ではどうなのかわかんないんですけど、先日ロンドンでの演奏会形式の《ドン・ジョ》のタイトルロールだったそうです。

レポレッロはLorenzo Regazzoさん。この方は、私の観た99年のムーティの映像で、マゼットでしたから、この方も着々と出世中?!
この映像は、なつさんが新国でご覧になった時の演出と同じだそうですね。カロリスさんがDGだったんですねー。

>小柄な若い男性から、太く低いバスの声が出ると、なんだか不思議
>ヴァラリンさんのアノ人も同じ感じ?

(*μ_μ)σ|ま、まぁそのぉ…
私はあまり意識したことがないんですけど、音だけ聴いて下さった方は皆さん「顔と声が一致しないわ!」と仰いますね。。。(;^^△

ヴァランシエンヌさんはじめまして

確かに3役とも歌う人が最近増えてますね。でも音域的にはドンジョバンニはハイ・バリトンでレポレッロはバス・バリトンなので本当は結構違います。本来はレポレッロはフィガロ系、ドンジョバンニは伯爵系のはずです。たとえばF=Dやライモンディはレポレッロやフィガロはまず歌わないですよね。(ライモンディはフィガロを歌ったこともあるらしいですが)。
でもドンジョバンニはなぜかシエピやギャウロフのようにバスの人が歌うケースもありますね。不思議な現象です。マゼットはちょうど中間ぐらいなのでマゼット→レポレッロやマゼット→ドンジョバンニは問題ないと思います。器用に全部こなすよりも、「自分は絶対この役」というこだわりを持ってキャラクターを作ってほしいなと思います。

たかさん:

いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

声域と身分の割り振りは、この記事の上のほうにリンクしているTAROさんのお話が参考になると思います。

私は見る聴く専門で、楽譜も読めないので、聴いた「感覚」でのお話になりますが。

明るい響きの、華やかなバリトンが粋に歌うのではなく、深くて暗い音色のバスに歌うことによって、ジョヴァンニの「男性的強さ」が、より明確に前面に出てくるような気がします。

とは言っても、力で押し切るような、単に「嫌な男」というだけでは困りますので、貴族の男をちゃんと認識させてくれる格調の高さと、ちょっとだけユーモアもあると、嬉しいんですけどねf(^^;

そういうところを上手く表現してくれるのならば、私自身はバリトンでもバスでも、個人的にはどちらでも構わないと思っています。最近のジョヴァンニさんには、この「格調の高さ」が、ちょっとずつ失われているような気がしてますが。。。

>器用に全部こなすよりも、「自分は絶対この役」というこだわりを持ってキャラクターを作ってほしい

私も好きな歌手に対しては、そうあって欲しいと心から願っています。

ですが、キャリア形成途中の若手歌手が、役に対する「拘り」に自ら拘れるようになるまでには、長い時間を要するんじゃないでしょうか?

華奢な体型で、可愛い顔つきをしていて、マゼットに相応しい若々しい容姿と声を持っていると言っても、より上を目指すのならば、いつまでも「マゼットに拘る」わけにはいかないでしょうし。

一般論はどうであれ、好きな歌手が少しずつでもステップアップし、本人が大好きな作品において、より大きな役に挑戦するのは、私にとっては純粋に嬉しいことです。

それが言いたかったが故、UPした記事ですので、つい熱くなってしまいました(^^;

またいつでもいらして下さいね。

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