ヴェルディ・レクイエム@ルツェルンイースター音楽祭
★こちらのページの方が読みやすいかも。お好きなほうでどうぞ…
同じメンバーで、別々の会場でそれぞれ一回ずつの演奏という、ちょっと変わったケース。その演奏を、いながらにして両方とも聴けてしまう幸運…ネット時代に感謝、感謝です。
今回は前回よりは少し高めのビットレートの放送+他のCDも数点聴いたことにより、前回よりもほんの少しだけ、曲に対する理解が深まったので、全くお手上げ状態だった2ヶ月前に較べると、色々わかることもあるかもしれないという期待感がありました。
多少は音質向上したこともあり、かなり聴きやすい演奏だったと思います。残響がこちらの方が多いような気がしたのは、音質の為ということと、会場が違うことも関係しているかもしれません。
バイエルンでの演奏を何度も繰り返して聴いた刷り込みの為か、こちらのほうが流麗で、ゆっくりな感じを受けました。試しに気になった数箇所の時間を計ってみると、確かにこちらの方が遅めです。その為、最初に聴いた時にはかなり間延びしたような感じを受けました。
ところが、何度か交互に聴いているうちにルツェルンでの演奏の方が「ゆったり」バイエルンでの演奏の方が、もしかして「せっかち??」なのかもしれないと思うようになったりと、こちらの体調や気分の問題も関係しているのでしょうけど、わからなくなってきました。
ひとつだけはっきりしているのは、こちらの演奏のほうが、ソリストの声がはっきり聴こえるので、今まで気がつかなかったところまで聴けるようになったこと。これは、演奏云々よりも、音質に拠るところ大なので、どっちの演奏の方がいいのか、好みなのかは、同じ音質で聴き比べてみないとわからない…というのが正直な感想です。
いくつかのCDを聴き比べてみた結果、前回のバイエルンの放送は、過去のCDでのソリストさんに較べると、より禁欲的で、曲に奉仕している…という感じを強く受けました。今回は細かい部分まで聴こえたので、尚更そう感じました。バスに限らずこのソリストさんたちが、私のレクイエム入門編になって、本当によかったです。
そのバスソリストさんは…
前回の放送の出だしの部分で、オペラや歌曲では聴いたことがないような深くて、暗い、陰鬱な声にギョッとしたのですが、これが音質の為なのか、宗教曲という特質の為なのか、それとも単に調子が悪かったのか、非常に気になるところでした。
で、結論から言うと、音質向上してもやっぱり、暗くて、深くて、陰鬱な声に聴こえました。バイエルンの時よりも、さらにポジションが低いような感じがします。
ちょっと集中力が続かないような感じ、というか、なんか歌いにくそう…って思うところもあったり、逆にゾクゾクするほど、決まってるところもあったり…と、かなり波があるように感じました。
ということで、(毎度のことですが^^;)聴きながらハラハラしてしまいました。
もっとも、苦しそうにしていればいるほど、救いを求めて、もがいてような感じがして、そんな感じが私にとっては悩ましくて、困っているのですが(///
そうは言っても、バイエルンのを聴いて大好きになった《salva me, fons pietatis. 慈悲の泉よ、私をお救いください》の部分と、《奉献唱 (Offertrium)》のところは、ちゃんとキメてくれていて、ホッとしました。他のソリストさんの声とも重なって盛り上がっていくところ…このまま時間を止めてしまいたい、と放送を聴きながら思ってしまいました。
特にsalva meの部分は、前回聴こえなかったところがはっきり聴こえて、聴く度にカタルシスを味わえて、こういうの、好きだなぁと思います。
もうひとり、ソプラノ独唱のタマール・イヴェリが、切ない感じがしてとっても感動的でした。前回もこういう声質、表現はいいな、と感じたのですが、今回は細かいところまで聴こえたお陰で、より良さが伝わってきたと思います。
余談ですが、日中と違って、お部屋真っ暗の中でヘッドフォンで聴くと、余計なものは一切入ってこないですから、信じられないくらい集中力が上がりますね。普段いかにぼけーっと聴いているのかがバレてしまいますが、今回の放送を聞いている最中は、実演を見た時と同じくらいの、集中力があったと思います。
お陰で色々アラ?が聴こえたりもして、ますますハラハラ…で、放送終了後はグッタリ。聴き直してみようと思えたのは、丸一日経過後のことでした。
あの環境で語学学習などすれば、さぞ効果が上がるんでしょうね…
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2006年4月7日 ルツェルンイースター音楽祭ライブ録音(2006年6月8日 スイス国営放送フランス語局「スイスロマンドEspace2にて放送)
指揮:マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団
ソプラノ:タマール・イヴェリ
アルト:イヴォンヌ・ナエフ
テノール:ピョートル・ベッツァーラ
バス:アレクサンドル・ヴィノグラドフ
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