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《カルメン》が苦手な理由

ボンクラな私でも、オペラ未満の頃から作品名だけは知っていましたし、そりゃ、オペラの中のオペラと言われる作品ですから、避けて通れないのはわかってはいました。

でもこういう、惚れたはれた、切った切られたの「濃い」ラテン系の作品には、心理的に抵抗が強かったのと、エスカミーリョに限らずどの登場人物も、自分の感性からは程遠い…というのが、避けていた理由です。

(最も苦手なのはミカエラ。何かにつけて故郷をチラつかせ、トドメに「あなたの母親が危篤なのよ」という道徳的観念を駆使して、去った男を自分の元に繋ぎとめようとする…という、その姑息さ?!が、鼻について仕方ないのですf(^^;)

実は音楽的にも、2幕冒頭の女声3人による「ジプシーの歌」以外は、あまり面白いと思ったことがありませんでした。
特に1幕と3幕の、ミカエラとホセのうだうだ^^;は苦手…

1幕が苦手なのに、最初からちゃんと映像を観なくちゃ、という変な強迫観念?!の結果、途中で飽きてきてしまって、通して観たのは片手で数える程度です。

手元にあるのはクライバーの指揮した映像(これが観た回数的に一番多い)と、カラヤンの映画盤。

それと、フォン・オッターがカルメンを初めてやった時のグラインドボーン?だったかな?の映像は、テレビ放送でハイライトを観たような記憶があります。オペラ未満の頃に、メトの映像も多分観ているはずです。でも殆ど記憶になくって…^^;

そんな状態でも、エスカミーリョが紙のような薄っぺらな男だということだけは、何故かしっかり認識していたので「こんな役を彼が歌うなんてイヤよ!」と突っ張っていたんですが、彼が一応、来シーズンも歌うからには…ってことで、放送のことを知る前から実はこっそりと、1ヶ月ほど前から、下調べをしていたんですよねf(^^;

でもやっぱり、映像だとどうしても、エスカミーリョの気障な台詞や演技に目が行ってしまって落ち着かないので、音だけの方が「照れずに」鑑賞できるような気がしました。それで、CDを何種類か図書館から借りて、流して聴いたりして…

それでもやっぱり、印象に残ったのは「ジプシーの歌」と、一応「闘牛士の歌」の部分ということで、2幕の前半が私にとってのハイライトかもしれません。

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で、とっても心理的に抵抗のあった、「紙のように薄っぺらいエスカミーリョ」ですけど:

カッコつけてて、気障で、一歩間違えばただの勘違い野郎、恥ずかしい男ね、と今も思っています。
役柄が派手な割には彼の出番って(*1)意外と少ないし…脇役ですよね。

(*1)闘牛士の歌&その後のカルメンとの台詞のやり取り+3幕のホセとの決闘&幕切れの舞台裏での「と~れあど~る♪」+4幕のカルメンとの短い2重唱、これを全部合わせても、20分前後というところでしょうか。

まぁ、ダレカさんの場合、普段、お坊さんとか、お父さんとかいう、辛気臭い役が多いので、こういう役は、息抜きになるのかも…

滅多に回ってこない若い男の役だからか?張り切って楽しそうにやってたのは、音だけでも伝わってきましたし(^。^!

聴く方としても、深く追求しないで済むような役を、たまにやってくれれば、息抜きになりますし、ネ。

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オペラ」カテゴリの記事

コメント

>エスカミーリョが紙のような薄っぺらな男
そうかぁ、薄っぺらですか。
常に死と直面している闘牛士ですから、精神的にも非常に強い男で、薄っぺらとは思えませんけど、確かに、そういうのが伝わってこない舞台が多いかもしれませんね。

私は映画のカルメンが最初でしたから、なにしろ社会派フランチェスコ・ロージが監督してますから、そういう先入観もあって、そういうふうには思わなかったです。とても思慮深いエスカミーリョに見えちゃった。(笑
ホセのほうが、あっちにふらふらこっちにふらふらの薄っぺらな男で、彼のせいでみんな不幸になっちゃうわけですよね。

投稿: keyaki | 2006/07/10 18:14

keyakiさん:

>>薄っぺら

はは^^; 
ダレカさん云々に関わらず、ここまで過剰反応を示した役柄って、他に思い浮かばないんですよ。

裏を返せば、いやよいやよも好きのうち…なのかなぁ。それだけ関心が強かったとも言えるわけですよねf(^^;

だって、ホセには最初から無関心でしたもの(笑)

>彼のせいでみんな不幸になっちゃうわけですよね。

全くですよ(笑)このひと、行く先々でトラブルを自分から巻き起こしているだけじゃないですかf(^^;

>常に死と直面している闘牛士

言われてみればそうなんですよね。ベルリンの演出では、最後には死んでしまって、死体となって担ぎ込まれるそうです。

彼がカルメンとの2重唱で「お前を愛しているぜ」と、暗い音色で格調高く歌ったのは、死を覚悟した上での告白…とも言えるのかな~~なんて思ったりもするわけで。

(彼の声質が暗いだけでしょ、と言われればそうなんですが(^^ゞ)

投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/07/10 20:20

私もオペラを知る前、レンタルビデオ映画鑑賞の延長で見たのが、ロージ監督「カルメン」でした。ロージ監督なんて書きましたけど、監督の名前も知らなかったし、どういう人かなんて興味なかったですけど、とってもおもしろくて、繰り返し見たものです。登場人物全員過不足なく、血の通った個性的な人間として描かれていると思います。そして、牛も・・・習俗も。

あとで舞台収録映像もいっぱい見ましたが、あの映画のせいかどれも物足りない。実演は市民オペラと新国立劇場ですが、新国のはうんざり。二度とカルメンの舞台は見たくないと思いました^^;

ヴィノグラドフ氏が来てくれたら(あり得なさそうですが)もちろん、行きますけど^^!

投稿: edc | 2006/07/10 20:24

edcさん:

おや?もしかして被ったかもしれませんね(^^;

>ロージ監督

これね、やっぱり観てみなくちゃって思ってますよ。keyakiさんちのクリップを観ていて、つくづく感じました。

>どれも物足りない

わかるような気がします。カルメンに限らず、超ポピュラーな上演回数の多い作品って、そういうのが多いと思いませんか?

(「椿姫」も「ボエーム」も、音だけの方が素直に聴けるんです^^;)

今回の上演の映像は、せっかくですから観てみたいと思っていますけどねf(^^;
でも今、音だけの感じで抱いているイメージが壊れちゃうような気もして、実際にそういう機会が来たら、嬉しい反面心のどこかで躊躇する可能性もありますね。

>ヴィノグラドフ氏が来てくれたら

ありがとうございますぅ(笑) そう仰って頂けると、ちまちまと書いている甲斐があるってものですわ~~♪

投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/07/10 20:53

かぶっちゃいましたね。映画「カルメン」について、お恥ずかしい駄文をものにしましたので、TBします。「闘牛士の歌祭」協賛です^^;

投稿: edc | 2006/07/10 22:37

もう面白すぎて笑ってしまいました!!
私はホセが嫌いです。うだうだした奴は嫌い!!
でもカレーラス様が歌うのなら好き!
ミカエラも嫌いなのですが、先ほどeuridiceさんの感想を拝見し、認識を改めました。やはり演出によるのでしょうね。
私が歌うとしたらミカエラになってしまうし、あのアリアは大好きです。
グラインドボーンの「カルメン」、ハイライトではなく全幕で観て感動し、DVDを購入しました。
オッターがここまでやるか!という感じでびっくりでした。
きわどい台詞、きわどい演技・・・!皆本当にタバコをふかしているし。
これを観てしまったら日本人がやるカルメンなんて絶対観れないと思います。
どれもこれも薄っぺらく見えてしまいますね。

投稿: Cecilia | 2006/07/11 09:41

edcさん:

TBありがとうございました。ミカエラの心理を思いやる余裕はまだありませんが、早く映画を観てみたいです!!

Ceciliaさん:

ウケて下さって、嬉しいです(^^; 

>ホセ

私も「花の歌」単体で聴けば、カレーラスが一番いいかな、と思うんですけど、全体としては残念ながら、微妙かなぁ(^^;

うだうだ感はよく出ていると思うんですけどね~~

>私が歌うとしたらミカエラになってしまうし

あら!Ceciliaさんが、どういう解釈でお歌いになるのか、好奇心をそそられますね(^^!

>グラインドボーンの「カルメン」

オッター、何も無理してカルメンなんて…と思いましたけど、彼女にとっては憧れの役だったそうですね。

一生懸命蓮っ葉に振舞っているけど、知性が邪魔するのか?何となくハマりきれていないように感じた記憶があります。

色んな意味で、どの役柄も表現が難しいですよね。

投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/07/11 11:27

こんにちは!
私にも、カルメンって、いい曲揃いだとはわかりつつも、どうしても馴染めないオペラのひとつです。最後まで続けて観られたことがないんです。なんでかなぁ、、、。どの役にも感情移入できないんですよぉ(^_^;)ラテンの文化が分かってないと分からないのかしら。ドン・ホセをただのマザコンの馬鹿男だと言うのは、ラテン男を分かってないからだ!というのを読んだことありますけど、だって分かんないものは分かんないんだもん!
しかしやっぱり曲はいいし、、、克服したいとはおもうんですけどね(笑)
トレアドールはホントに好きです。

投稿: りょー | 2006/07/11 12:36

りょーさん:

メンテ直前のコメントありがとうございます~♪

>どの役にも感情移入できないんですよぉ(^_^;)

日本人にはわかりにくいですよねぇ。

>ラテン男を分かってないからだ!

それは一理あると思いますけど、でもだからと言って、わかりたいとは思わないわぁ(^^;

クーラはホセを持ち役にしてるんでしたかしら?りょーさんの場合は、それを聴けば、理性ではなくて身体で理解できるはずですよ(^。-)-☆

忌み嫌っていたエスカミーリョに堕ちた私が言うんだから、保障しますよ(^~^}}}}}
(ロシアのオブラートに包まれたエスカミーリョに堕ちたから、ラテン男の本筋ではない・・・ですけどね^^;)

投稿: ヴァランシエンヌ | 2006/07/11 13:28

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