« ばらの花?! | トップページ | R.シュトラウス《ナクソス島のアリアドネ》 ドレスデン1999年他2件 追記しました »

名歌手(1) テオ・アダム(Bs-Br)

★★★8月2日:下のほうに追記があります★★★

低音好き…バス歌手を熱心に追いかけているが故、こう分類されることが増えてきましたけど、未だになじめませんf(^^;
私にとっては、ビビッときた歌声
が、偶然低かっただけ
ですから、低声なら誰でもいいってわけじゃないのです。 確かに最近は、聞き比べの為に、低い声域の歌手の音源を聴く回数は増えましたけど。

頭が大きいアダム様~♪

それどころか、自分にとって心地良いと感じる低声は、かなり限定されると思います。元々押し出しの強いバスや、メリハリなく、ぼぉーっと風呂場で響くような低い声自体には、あまり魅力を感じませんし、オペラであれ、宗教曲、歌曲でも、歌っている歌手の声に馴染めないと、最後まで楽しく聴けない…と考えているので、声、特に男声(テノール、低音に限らず)に対する好みには、かなり拘りがあるほうだと思います。

というわけで、録音と、少しの映像でしか存じ上げませんが、好きの意味合いは違うけど、何度もソフト鑑賞を繰り返し、今も手にする回数が多い「私にとっての」名歌手を取り上げましょう。
まずはこの方から。

テオ・アダム(Theo Adam:1926年8月1日ドレスデン生まれ)

頭が大きいアダム様~♪は

オランダ人? 私にとって最高のヴォータンです。役によっては、ちょっと暑苦しい(=むさくるしい)ような感じもするし、アリア集で聴けるレポレッロの「カタログの歌」とかは、なんだか「ヴォータンが余興で歌っている」ような感じがしますけどね。
得意分野?!ワーグナーの諸役が、比較的いい音で録音が残っていることは、嬉しいですね。声そのものがノーブルなのに、決して声の力だけに頼らない緻密な表現が好きです(^-^)

ヴォータンと同様に、一時代を築いたと言われるザックスは、音だけだと知性が勝り、親方という役柄には少し違和感を覚えていたのですが、同好の方のご好意のお陰で見ることができた、ベルリン国立歌劇場の来日公演の映像を伴って初めて『最高のザックス』と言われる所以がわかりました。
大げさなことをしているわけじゃないのに、ちゃんとザックスが存在している、という感じで。

《よく聴いているCD》
●「リング」ベーム盤:
ズルさと賢さを兼ね備え、過度に感情に流されず、毅然とした歌い回しこそ『神の声』に相応しい歌い方と声だと思います。

●「ばらの騎士」ベーム盤:
オックスは「下品で嫌なオヤジ」になりかねない役ですけど(そういう役作りが好まれる傾向もあるみたいですが。。。)適度にユーモアもありますし、とっても粋だと思います。
ある解説書によると、アダムのオックスは「役柄に要請されている性格表現を完璧に成し遂げようと細心の注意と工夫を重ねた歌唱は、オックスという役をよく分からせてくれる」ということですが、この意見には全く同感です。

●「オランダ人」クレンペラー盤:
ユーレイという役柄と、この輝かしい声とは、本当はイメージが違うんでしょうけどね。オランダ人のグチ ⇒ モノローグは、この録音では、真剣に聴く気になれます(^^;

●「魔笛」スイトナー盤:
ザラストロは貴族的でなくっちゃ。この役には軽すぎて威厳がない…とか言われているみたいですけど、どうしてどうして、とてもノーブル。決して威圧的ではありませんし(^^!
壮年期の男っぷりが良い感じで出ていると思います。ヴィノグラドフに出会うまでは、アダムが私にとって最高のザラストロでした。今でも、CD,映像を含めた「ソフト」では、この人を超えるザラストロはいないと信じています。

●「ボリス・ゴドゥノフ」ケーゲル盤(ハイライト):
ドイツ語ですが、ハマりました。モノローグの緻密な表現は、何度聴いても引き込まれます。

その他、「コジ」のアルフォンゾ「パルジファル」のアンフォルタスも魅力的です。

リートや宗教曲等のソリスト関連のディスクリストはこちらOperissimoより)

●多分最後の映像は、’99ドレスデンでの《ナクソス島のアリアドネ》音楽教師役だと思います。♪こちら♪ 残念ながら日本国内版は発売されていないようですね。

***************************

《どうでもいい無駄話》

コレはヴァルター伯爵。でも扮装はダーラントと似たような感じ年始のオランダ人@リンデンの実演で思ったナイショの話。
白髪混じりで髭面のヴィノグラドフ@ナイスミドル・ダーラント。
一見して彼だとは、わからないほど見事に「親父化け」していたのですが、角度によって、「なんか、見覚えがあるような、懐かしいような感じ…」と思える瞬間が。

カーテンコールで、ちょっとうつむき加減の時の彼の顔を見て、「あれ?もしかしてアダムに似てる?!」と、思い当たったというわけ。

ザックス アダムの顔は、品があって素敵なおじさまだとは思うけど「うーん、ハンサム!」と思って眺めたことはなかったのですが、パーツは全然違うんですけど、顔の骨格とか、微妙に似ているのかもしれません。
扮装と化粧次第…もしかしたら髭を伸ばしたりすれば、アダムに近い感じになり得る可能性が充分あると思います。

ま、二人ともあんまり背が高くないし、頭が大きいしね(^^!

************************************

《8月2日 追記》

なんという偶然!記事をUPした8月1日は、アダムの満80歳のお誕生日だったとのことです。そして、今年限りで舞台を引退。最後の公演は故郷ドレスデン・ゼンパーオパーでの11月/12月の《魔弾の射手》の隠者役とのこと。
コメント欄に情報を下さったkeyakiさん&焼きそうせいじさん、ありがとうございました!

●お誕生日と引退関連のニュース:いくつか出ているようですが、代表して Der Tagesspiegel と Klassik.com の記事をリンクしておきます。

●ゼンパーオパーでのラストステージ《魔弾の射手》はこちら
(11月30日&12月2日の予定)

« ばらの花?! | トップページ | R.シュトラウス《ナクソス島のアリアドネ》 ドレスデン1999年他2件 追記しました »

オペラ」カテゴリの記事

コメント

グッドタイミングの記事ですね。今日がお誕生日で80歳だそうです。それで今年を限りに舞台から引退することを発表されたとか、最後の舞台は、魔弾の射手の隠者だそうです。
健康に問題がなくて、引退発表というのは、おめでたいことですね。

ここにテオ・アダムが登場したのは、「ベルリン国立歌劇場つながり」でしょうか。壁のあったころ、あそこで何度も彼の舞台姿に接しました。上に出てくるザックスとオックスがまさに絶品。残念ながらヴォータンを聴くことはできませんでしたが。

ところでアダムは、まだときどきドレスデンで歌っているようです。年に一度か二度くらい、ゼンパーオーパーで弁者役で出てくるもよう。今年80歳ですか…本当にステージが好きなのでしょうね。

自分のコメントを送信した瞬間に、前のkeyakiさんのコメントに気づきました。今年で引退ですか。しかも今日(こちらではまだ8月1日です)が誕生日とは、何たる偶然。ゼンパーオーパーのHPを見たら、来シーズンは確かに弁者ではなく隠者(どっちもぴったりですね)を歌うとあります。11月30日と12月2日に名前が載っています。

最後の公演、行ってみようかな。

keyakiさん:

フォローありがとうございました(^^!
早速追記しておきました。

今年で80歳ということは全く意識せずに 生年を入力してましたし、しかも、昨日がお誕生日だったなんて!!もう絶対忘れませんよ、アダム様のお誕生日(笑)

>健康に問題がなくて、引退発表というのは、おめでたいことですね。

そうですね。ドレスデン聖十字架教会の少年合唱からスタートしてますから、本当に長いキャリアですね。
長い間お疲れ様でした…と、極東の地からメッセージをお送りしておきましょう(^^)

10年ほど前に「冬の旅」を聴きました。懐かしい思い出です。オペラは意識して聴いたことはないので、あれこれ言えませんけど・・・ 元気で長生きはおめでたいですね^^!

焼きそうせいじさん:

も、フォローありがとうございました(^^) 記事のUPは、全くの偶然です(笑)

アダムはオペラ聴き始めの頃から好きな歌手だったので、特にリンデンとの繋がりを意識したわけではなかったんですけど、思えばあそことドレスデンとの両方に縁があり、そして私はその両方のオペラハウスに強く惹かれているのも、何かの縁かもしれませんね。

ドイツの新聞サイトでは、いくつかお誕生日関連の記事が出ているようですし、ちょっと検索したら、沢山ひっかかってきました(^^;
昨日は記念ラジオ放送もあったみたいですね。

本も何冊か出版されているようですが、一番新しいのは2001年の 《Vom "Sachs" zum "Ochs"》でしょうか。
http://www.amazon.de/gp/product/3932529340/302-4901421-8177611?v=glance&n=299956

焼きそうせいじさんが実際にご覧になられた(羨ましいです~~)二つの役をタイトルに上げていらっしゃるということは、ご本人も特に思い入れがあったのかもしれませんね。

>最後の公演、行ってみようかな

是非!行かれたら、お話をお聞かせ下さると嬉しいです。楽しみにしてます!!

edcさん:

>10年ほど前に「冬の旅」を聴きました

うふふ(^^) 絶好の環境のなか、最高の「冬の旅」だったんですよね(^^! イイナァ…

ホフマンとも、何度か共演してますよね。音源が出てくるのを楽しみにしてます(^^)

この記事へのコメントは終了しました。

« ばらの花?! | トップページ | R.シュトラウス《ナクソス島のアリアドネ》 ドレスデン1999年他2件 追記しました »

Search




  • WWW here

カテゴリー

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ