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ざーっと感想@ドン・ジョヴァンニベルリン国立歌劇場来日公演最終日

《演奏の出来、歌手の出来…初日と比べて》

初日の方が良かったと思います。歌手陣はマゼットと騎士長以外は全員お疲れモード…だったかもしれません。
特にアネッテ・ダッシュ@エルヴィラは精彩を欠いてたと思います…段々良くなってくるかな?と思ったんですけど、最後まで同じような感じで、これにはかなり不満が残りました。

ペーター・マッティ@DGも、初日の方が良かったかしら。特に「シャンパンの歌」は明らかに初日の方がよくって、6日は途中でちょっとばてちゃった、って感じが…でも2幕のセレナーデは、あま~く聴かせてくれました。

ハンノ・ミュラー=ブラッハマン@レポレッロも、イマイチノリ切れてない感じで…
ただ、彼の鑑賞に関しては、私の気の持ち方に左右されたかも。初日は演奏途中でヴィノグラドフ@マゼットが出てないことに気がついて、そのお陰で?!彼に集中できたんですが、6日は…(*vv だとすれば、ブラッハマンにしてみれば、エライ迷惑な話です(^^; 

パヴォル・ブレスリク@オッターヴィオも、6日の出だしはどうなることやら?!ってハラハラしちゃったけど、なんとか後半は持ち直したかな。オッターヴィオの人格やアリアの内容はともかく(^^; あの2つのアリアの旋律は割と好きなので…
声量小さめだけど、デリケートな歌い回しで、好感が持てました。ボリス@リンデンの聖愚者で聴いた時はよくわからなくって、もう少し歌うところが沢山ある作品で聴きたいと思っていたので、今回聴けて嬉しかったです。

アンナ・サムイル@アンナは、最初にリンデンでムゼッタを聴いた時から、な~んか垢抜けないな…って思ってるんですけど…やっぱり垢抜けないような(^_^;) Webラジオで聴いた今夏の《オネーギン》のタチアーナは、いいと思ったんですが…
声だけは大きくって、ところどころハッとするところもあるんですけどね。

シルヴィア・シュヴァルツ@ツェルリーナも、お歌の出来としては、初日の方が良かったかも…でも、マゼットとの絡みは、贔屓目かもしれないけど、昨日の方が良かった(*^^*)

アンナとエルヴィラって、やっぱり声楽的に難易度が高いのかも。それでいて、どっちも強烈な性格表現を求められますが、今回の2回を含めて合計4回実演に当たりましたが…
一昨年のコーミッシェでのドイツ語版DGも、去年のバレンシアでのDGも、アンナとエルヴィラは、どうも満足行かなかったんです。で、結果的に女性陣ではツェルリーナが一番印象的になるという…

クリストフ・フィシェッサー@騎士長は、初日には、いい声なんだけどなんとなく騎士長には物足りないなぁ…と思っていたんですが、6日は特に、地獄落ちのところではいい感じにデモーニッシュでした。彼もリンデン2回実演に当たっていますけど、その時はかなり大柄な歌手かと思っていたんですが、何しろ今回はタイトルロールのマッティが190センチの長身なので、カーテンコールでは随分小さく見えました。↓の方よりも、大きいですけどね(^_^;)

アレクサンドル・ヴィノグラドフ@マゼットは、初日には歌わなかったので、比較のしようがないんですが、今まで実演・ネット放送合わせて聴いた中でも、相当良い出来だったと思います。ホッとしました(^^ゞ

彼はスロースターターなので、最初の方はモタモタ気味でしたが、徐々にデリケートな低音がよく響いてきました。初日に無理しないで休養したのが効いたのか、役的にさほど難易度の高い役ではなかった為なのか?まあ、その両方かな(笑)
マゼットって、やっぱりバスの役だぁ~~って思いました。もう何度もクラクラしましたけど、これについては別立てで長く語っていますので、興味のある方はどうぞ(#^.^#)

《初日と明らかに違ったところ》

晩餐が始まったところで、マッティ@DGがおもむろにテーブルクロスを床に広げて「ゴザ」状態。そこに何気に、初老の白髪老人(笑)が、大入の旗付き・刺身の舟盛りを持って参上。DGにお箸をふるまい「さあさあ、どうぞ(^o^)/」ってな感じで。

誰よ、この老人?!って、双眼鏡を覗くと、な~んとバレンボイムでした(^^ゞ オケは、この間指揮者ナシで演奏してたってわけ。
マッティ@DGもお刺身食べて「刺身は美味い~♪」とか歌っていました。バレンボイムったら、ついでにブラッハマン@レポレッロには、刺身のツマを無理矢理食べさせて、それがちょうど

「レポレッロ、歌えよ」
「生憎風邪を引いていて、うまくしゃべれません」

のところにうまく合わせてあって、可笑しかったです(笑) 
最終日ならではの日本向けサービスに、お客さんは大喜び。来日公演はこういうノリが楽しいんですね。

不思議なことに、な~んとなく演奏自体も初日のほうが良かった感じのオケも、このバレンボイムの一旦の休憩?!の後の聞かせどころ=地獄落ちは、まるで別物?!ってくらい、よくなりました。
大好きなシュターツカペレですが、実はこのオケ、歌手のダレカさん同様、半端じゃなく「スロースターター」だと思います(^^; これは本拠地で数回聴いて、毎回同じような感じなのを受けるので…けど、演奏が進むにつれて「ハッとするような」うっとりする音を出したりするもんですから、やっぱり好きです、ここのオケ(笑)

でも本当は、本拠地の入れ物で聴くべきでしょうね。ホールの響きにも左右されると思うし…《トリスタン》を上演するNHKホールだと、どうでしょうね?

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実演鑑賞記」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりでございます。
私、PC不具合で暫く遠ざかっておりましたが、要約元に戻り、久々に拝見できて、グッドタイミング!!
マッティにメロメロになりました。4回見て(変な人)と言われますが、4回とも全く予想外の動きをしてくれて、楽しかったこと。2日目は床が開かずマッティは下に落ちませんでした。
おっしゃるように、初日が1番勢いがあったかな?と思いますが、それでも毎回「ジョバンニ」さんを楽しんで、歌っているのかな、とこちらも楽しくなりました。
セレナードでは、私の心もウットリんこ!
今、キャスト表を見ましたら、2日目と4日目しか保存していませんでしたが、マゼットは初日だけが違ったのですか?
やはり配役表は確かめるべきなのですね。
(会場に注意書きもなかったし・・・。)
ツェルリーナさんは、どうも、オケと合いにくいところが最後まで解決しないようでした。
でもあんなにかわいい人なら「ジョバンニ」が手を出したくなるのもうなずけます。
その後、以前から話題のトレケルさんを拝見してきました。
申し訳ないのですが、こちらは、オケが勢いよすぎで、トレケルさんの声がなかなか聞こえてまいりませんでした。
澄んだ・きれいなお声のようでしたので、リートのCDを買い求めましたら、なんとすばらしいこと。
やはり、コンサートへ行くべきでしたのでしょうが、「ドン・ジョ」と重なるわけなので、マッティの方へ行くのは仕方なかったか・・・。
もう一度、水曜日に長編に挑戦します。今度は、もう少し声が聞こえるといいですが。

ゆみゆみさん:

お久しぶりです(^^) ゆみゆみさん、4回全部行かれたとは!!羨ましい~~です。

> マゼットは初日だけが違ったのですか?

はい。初日はアルットゥ・カターヤくんという長身のバリトンでした。

> 会場に注意書きもなかったし・・・。

えー、一応あることは、あったんですよ(^_^;)
でもあの状況では、気がつかないのも無理ないと思います。手元の配役表は、ヴィノグラドフのままですし、殆どの方がそのまま勘違いなさっていらっしゃると思います。

その時の詳細は↓に長々と説明してますので、時間のある時にでもどうぞ(^_^;)
http://valencienne.tea-nifty.com/brot/2007/09/post_3394.html

一応、NBSの《9月28日の配役表》は訂正されてますが。
http://www.nbs.or.jp/news/detail.php?id=539


>トレーケル

NHKホールは大きいですからね… 
リサイタルは、堪能できましたよ。オペラで「役に化けた」彼もステキですけど、小さなホールで、彼の歌声そのものを味わえるリサイタルは、コストパフォーマンスも高くて、贅沢な気分でした(^^) 

その詳細(というほどでもないんですが)は、こちら↓
http://valencienne.tea-nifty.com/brot/2007/10/post_2a91.html

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