キャリア
子供の頃「大人になったら何になりたいか?」「将来の夢は?」と強制的に質問された経験は、誰にでもあると思います。
この質問が、大嫌いでした
訊かれる度に、頭をひねってああだこうだと、(*1)その場しのぎの答えを繰り出し、確固たる確信を持てないまま、地方の文科系短大を卒業し、数年間普通にメーカーでOLをして、20代半ばで結婚退職。
2年ほど、習い事(この頃とっかえひっかえ習い事をしていた中で、一番モノになった…というか、10年以上細々と続いているのが、パン作り)
をしつつ、専業主婦をしていたけど、子供もいないし、そろそろパートに出ようかしらということで、社会復帰のスタートは、CDレンタルショップの店員さん。
人間関係も程よく、そこそこ楽しい職場だったので、このまま暫く続けて行ければいいかな、と思って半年ほど経った矢先、そのお店が閉店することになり、あえなくストップ。
一度働きに出ることに慣れると、家にずっといるのも退屈なので、即職探しだあ…と、次に勤めたのが、家から徒歩10分もかからない近所の歯医者さんでの歯科助手。
畑違いで、やったことのない仕事だったけど、結構楽しくて、何よりも雇い主のドクターがものすごく良い方で、人間関係も良かったので、結果的にはOLとして働いていた期間よりも長く…5年間、アメリカに行く直前まで、ここでお世話になりました。
20代後半~30代前半までのキャリアは、ここが全て、と言えるでしょう。
この歯科医院で働くことが決まる前に、別の職場へ面接に行って断られたことがあります。その時の理由は
「結婚していて、子供がいない人はリスクが大きい。仕事を覚えてもらったと思ったら、妊娠して辞めます…というケースも多いから」
ということでした。今から10年くらい前の話ですが、これと似たような理由で断られるケースは、私だけではなく、他にも聞いたことがありました。
雇う側からすると、こういう女性はすごく中途半端に見える…そうです。
子供が小さくてもアウト。子供が急病の時などに、急に休まれたら困る…という理由です。つまり雇う側としては、未婚女性か、手がかからないくらい大きくなった子供がいる女性の方が、都合がいい、ということ。
断られた時は、ショックでした。自分自身に関する問題というよりも、先入観で断られたということに対して。
結果的には、そこで断られて、次に面接に行った歯科医院で、気持ちよく5年間働けたので、断った雇い主には、感謝しなくてはいけないのかもしれませんね(笑)
(どっちにしても、そういう雇い主の下では、5年どころか、5日も持たなかったかもしれませんが(^^ゞ)
30代中盤は、アメリカで2年半生活して…これは、職歴としては何処にも書けませんが(笑)何よりも大きな「経験」でした。
そして帰国後の、現在の職場・某公立図書館のパートスタッフも、10月で丸2年。
一緒に働いている子たちは、殆ど自分よりも年下、10歳以上離れている子も多いけど、人間関係も良好なので、居心地もいい…
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取り立てて特別な才能があるわけでもなく、輝かしい職歴もなければ、資格もないし、手に職があるわけでもない、ごくフツーの女性(しかも、キャリア志向皆無^^;)が、気持ちよく仕事を続けるために一番重要なのは、仕事内容の云々よりも、実は職場における人間関係だと思っています。
勿論、仕事の内容が全く嫌だったら、話にならないんですが、
かと言って、どこかのキャッチコピーみたいに
「ワタシ、仕事、好きですよ(^o^)丿」
と、お気楽に言えるのか?と胸に手を当てて考えてみると、好きかもしれないけど、好きの意味は、複雑ですもん(笑)
20年近く社会人をやって来て、こうして時系列で振り返って見ると、結構変転しているようにも見えますね。
自ら望んで変転しているわけではなく、夫の仕事の関係上…という側面はありますし、新しい環境に馴染むまでには時間もかかりますし、葛藤もあるけれども、一旦馴染むことができれば、こっちのもの。
変化することに対しては、恐怖感も伴うけれども、そのこと自体には抵抗感が少ない、私自身の性質がもたらした、今の自分のキャリア
(正社員で働き続けているわけではないから、世間的・常識的にはそんな風には形容できないのかな(^^ゞ)
とも言えるかな、と思います。
全然畑違いの仕事ばっかりしてきているので、ハタから見たら「散漫な仕事選びで、いい加減…」というように見えると思いますが、
その時にはわからなくても、ふとした瞬間に、以前やっていたこと、経験してきたことが、何らかの形で、今の自分に役に立ち、身についている…と思えることは、確実にあります。
それは残念ながら、目に見えるものでもなければ、紙に書けるような「履歴」「資格」ではないんですけど、ネ。
これからどうなるのか、また夫の転勤云々で引越することにでもなったら、また新しい仕事に就くことになるんでしょうけど、いい職場に巡り会うことが出来れば、それはとても幸せなこと、と言えるんでしょうね。
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(*1)将来の夢・その場しのぎの答え
・電話交換手とか、タイピスト
(どうしても答えが浮かばなかったので母親に「何かいいアイディアないかなぁ?」と訊ねた小学生の頃。当時はまだこういう職業が女性の花形職業として、成立していたのね(^^ゞ)
・オヨメサン
(中学校の文集には、確かこう書いた記憶が。ある意味、叶った夢?^^;)
・スチュワーデス
(高校の頃はそう思ったこともあるんです(^^ゞ でも155cm以上だったかな?身長制限があると知って諦めました…どっちにしても、あんな重労働、私には無理。お客さんとして、たまにヒコーキに乗るのがいいと思います(笑))
・エッセイスト
(モノを書くのが好きだったから。これもまあ、こうしてネットというツールのお陰で、ちまちまとモノガキ出来ていますから、ある意味、叶った夢?^^;しかし、お金をもらうとなると、色々しがらみが出てきそうだから…やっぱり、趣味で無理のない範囲でやるのが、いいんですvv)
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コメント
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フムフムと興味深く拝読しました。
ワタシの場合は、そうだなぁ……、20代の頃は病気してたんで、本格的に働き始めたのは30くらいからですよ。人生出遅れた感が強くて、焦りまくってました。
ようやく去年あたりから、仕事と趣味を両立できるようになってきたって感じですね。
ホント、いい年して、中途半端な社会人経験しかないんです。
職場は人間関係が大事ですね。“それが全て”と言っても過言ではないかも。
実は今、そっち方面で四苦八苦しています。こういうのも、かけがえの無い、ありがたい試練だと思って、日々修行していますよ。
お互い、いろいろな経験を重ねて、成長していきましょーねー♪
投稿: しま | 2008/07/14 22:21
ヴァランシエンヌさんも文章お上手ですけど、レビュー系ブログなさってる方たちはみなさんまとめ上手で文章上手ですね。(あたりまえ?) 私は話したり、ビジネス文書は得意ですが、こういうことがだめで・・・。 仕事も大学出てからずーっと同じ職種、少人数で好きにやってる仕事なので、人間関係なども経験値が低いんですな。 歳もトシだし、これから成長できるのかどうかわからないんですが、努力しようと思います。
投稿: galahad | 2008/07/15 09:16
>結婚していて、子供がいない人はリスクが大きい。仕事を覚えてもらったと思ったら、妊娠して辞めます…というケースも多いから
雇用に関してはアメリカにはるかに遅れてる日本だから通る理由ですね。アメリカの面接でこんな事をいったら差別で訴訟を起されますよ。自分も時々面接をする事がありますが年齢、結婚・未婚、子供の事、身内の事とか宗教関係は一切聞いてはいけないことになってます。考えてみれば当然ですよね。最終的には本人の能力次第なのですから。
自分も職を転々して今の仕事に落ち着きましたが今まで人間関係のトラブルがなかったのが幸いです。仕事の量が多くても余りストレスは感じませんが(それか鈍感で分かってないだけ)人間関係は大きなストレスになるタイプなのです。
中学生の時は考古学者、大学生の時は物理学者になりたかってのですが結局全く関係のない仕事をしてます。
投稿: 蘭丸 | 2008/07/15 15:12
わーい♪反応があって嬉しいです^^
しまさん:
>ようやく去年あたりから
うふふ。潜在的に「何かしたい」っていう思いもきっとあったんでしょうし、それを可能にしたのは、やっぱりしまさんの情熱ですよ
私も20代の頃の方が、身体も心もよわっちかったかもしれません(笑)
仲間内では一番先に結婚したんですが、後から結婚した友達が次々と出産した頃、なんとなくネガティブな方向に向いていましたもの。
やはり、子供を産まないと、女性として未完成な感じ…や、周囲からも、どことなくソウイウ感じをチラチラ受けている気がしてましたしね。
30歳過ぎたあたりでようやく、子供がいない夫婦も世の中にはたくさんいるんだし、子育てだけが全てじゃないし…と、夫婦間での楽しみへ、という方向に向いた結果、こういう風になってしまったと(笑)
仕事やキャリアも然り、でしょうね。それだけが全てではないから、仕事と趣味をバランスよく…と思うと
(収入には限界があるんですが)今みたいなカタチをもう暫く、取り続けていくと思います(笑)
何事も頑張り過ぎないこと、ですね。自分に無理のない程度、出来る範囲で…ということを、心がけています。
>ありがたい試練
偉い!
私もこれからは、ヤなことがあったら「これも成長する為の試練じゃあ~~」と割り切るよう、頑張ります(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/07/16 09:03
galahadさん:
>文章上手
いやんvv ありがとうございます
って、たまにはこういう真面目な話もしておかないと、いつも何処かの(ロシア人の)ダレカさん(バス歌手)の話題ばっかりで、ハート飛ばしている、頭からっぽのイタイ女(事実だから仕方ないんですけど)だと思う人も、いっぱいいらっしゃいますしね
>ビジネス文書
私はOLやっていたのが、かれこれ15年近く前にさかのぼってしまうので(^^ゞ
実はWordやExcelすら、まともに扱えない…んですよ。ちょうど、私がOLをやめた直後あたりから、これらがビジネスの場面で主流になったので、ホントに趣味程度にしか使えないです。
だから、事務系のオシゴトではなく、接客(店員も歯科助手も図書館スタッフも、キホンは接客なので^^;)の仕事を選んだ理由にもなっているんですけどね。
>これから成長
できますよー(笑) 御大も、齢40歳を過ぎて、ますますいい男になっていらっしゃるじゃないですか(ニヤニヤ)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/07/16 09:19
蘭丸さん:
>雇用に関してはアメリカにはるかに遅れてる日本
仰る通りですよね。
単純に「欧米の女性は仕事と家庭を両立しているから、日本女性も!」なーんて、お気軽に言えないですよ。
インフラが違いすぎます。少子化対策を真剣に考えるならば、欧米並みに保育施設を充実させるとかの対策を(机上の空理空論だけではなく)立てるべきでしょう。
勿論男性の環境も然り、ですけど。
現在は、月の約半分、1日8時間労働の出勤形態ですが、この程度の就労時間でも、欧米では立派な「ワーキングレディ」で通ると思ってます…って、あくまでも「時間」に限った話ですが。
>人間関係は大きなストレスになる
男性もやはり、根っこは同じですよね。どんな職場環境でも、これが一番重要でしょうね。
>中学生の時は考古学者、大学生の時は物理学者
あはは^^;
皆さん、夢は色々お持ちだったけど、実際にはなかなか思い通りにはいかない、でも今は今で楽しくやれているなら、それでいいかな…という感じでしょうか(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/07/16 09:31