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ロッシーニ 小荘厳ミサ曲+キケンなヴェルレク

ワシントンDCでの「カルメン」の公演終了後、引き続き11月21日、22日の2日間、ロッシーニの小ミサにも、バスソリストとして出演したアレクサンドル・ヴィノグラドフ。

指揮はドミンゴ(!) テノールソリストがアンドレア・ボチェッリということで、何気にショー的な香りもプンプン
もしかしたらリアルタイムWebラジオ放送があるかも~~と、楽しみにしていたのですが、残念ながら、ありませんでした

でもワシントンの公演は、暫く経ってから放送することも多いみたいですから、今後も引き続きチェックして行きたいと思ってます。

公演を見に行った方のブログ(書いているのは、たぶんマダム(笑))によれば、ヴィノグラドフは歌も良かったけど、舞台上で、ボチェッリのサポートを実に適切に行っていた…とのこと。そういう気遣いが、またもやマダムのハートをがっちりゲットしたようで

ありがたいことにワシントンでの公演期間中は≪お部屋≫も、アメリカからのアクセスが(ほんの少しですけどネ^^;;;)増えましたし、彼自身もいい仕事ができたみたいですし。うふふ

いつか、両演目ともWebラジオで放送されますように!!

Petite Messe Solenelle by Rossini

Sabina Cvilak(soprano)
Kate Aldrich(mezzo-soprano)
Andrea Bocelli(tenor)
Alexander Vinogradov(bass)

Cond.Placido Domingo

November 21&22,2008 @Washington National Opera

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今シーズンの彼は、オペラよりも、宗教曲などのコンサート系の比重がこれまでよりも、高めなのです。

オペラで「役に化ける」歌手を愛でるのも楽しいんですが、コンサートでは、その歌手の歌唱力+その作品への解釈+表現力=力量が、ダイレクトに伝わってくる点で、ごまかしが効かない分、ストレートに彼らを味わえる…というメリットがありますしね。
そういう意味では、ピアノ伴奏での歌曲のリサイタルが一番、歌手のプリミティブな部分まで味わい尽くせるんでしょうけど。

オペラの実演は、頑張って一年にいちどき…聴いている(聴けている)ので、そろそろ本気で、コンサートかリサイタルでの実演を聴きたいなぁ。
舞台上での素の挙動も観察できそうだし…また頑張って、資金を貯めねば。

しかし宗教曲は、オペラ以上にレパートリーの少ない私(^^;
彼のレパートリーに合わせて、私の鑑賞レパートリーも少しずつ広がるといいなぁ…との願望から

「ロッシーニの小ミサって、どんな感じの曲なんだろう?」

と、CDを聴いてみました。

チェチーリア・ガスディア(ソプラノ)
ベルナルダ・フィンク(コントラルト)
ヴィンテェンツォ・ラ・スコーラ(テノール)
フランチェスコ・エッレロ・ダルテーニャ(バス)
ルチアーノ・スグリッツィ&ジャン=フランソワーズ・アントニオリ(ピアノ)
フィリップ・コルボ(ハルモニウム)

指揮:ミシェル・コルボ
ローザンヌ声楽アンサンブル

私の宗教曲のレパートリーといえば、今のところヴェルレクONLYなのでf(^^ゞ
全くとんちんかんな感想になりますが(^_^;)

このCD、演奏がピアノ伴奏だから…というのもあるのかもしれませんが(この曲の演奏スタイルについては全く疎いので…オケ版もあるんでしょうか?)なんとなく涼やかな感じ…清涼飲料水みたいな印象を受けました。

バスが歌うところがけっこうあるので、嬉しいですね(笑)
(このCDのバスソリストさんも、真っ直ぐで、のびやかなが声質が好印象でした)

ヴィノグラドフのダークな声で聴いてみると、また違う印象を受けるかもしれませんが。

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対する(私の今のところ、唯一の宗教曲レパートリーである)ヴェルレクは、私にとっては、あらゆる意味で危険な曲

これは、2年前のイースターの時期にヴィノグラドフが歌ったWebラジオ録音が手元にあるので、それが私のデフォルトになっています。

同時期に同じメンバーで、2か所で歌っているんですが、両方とも放送されたという、とってもLuckyな演奏♪詳細はこちら ⇒⇒⇒ ミュンヘン・ヘラクレスザール ルツェルン
どちらの放送も、何度か違う放送局経由で再放送されていますから、ライブ当初よりも、随分良い音質で聴けるようになりましたし

聴く度に泣けてしょうがないので、あまり聴かないようにしているのですが、こうして「宗教曲歌うよ♪」という時期には、きっちり、それに類する音源を求めてしまうサガで

ここ数日、久々にこの曲と向き合っている…という感じ。

よく私は「彼の声は、私が女性だということを強く認識させる声」だと書いていますけど、初めてそのことをはっきりと自覚したのが、実はこの時の演奏…

宗教曲を聴いて、そんなこと考えちゃダメ、ばちが当たっても仕方ないかも…と思いつつ、涙がボロボロと出てきたのを、今でもはっきり覚えています。

泣けるなんて生易しいもんじゃない、まさに、エロスとタナトスがそこには同居していて、二つは切っても切り離せない、表裏一体のもの。
人間が生きていく上で、避けて通れない欲求と、いずれ誰にでも、平等に訪れる死。

私はキリスト教徒じゃないし、知識としてのマグダラのマリアも断片的にしか知らないけれど、この時、もしかしたら、マグダラのマリアはこういう気分だったのかも、とか、「パルジファル」のクンドリの、性欲を断ち切りたくても、断てない苦悩がちょっとわかった気になったとでもいうか。

実はこの時の演奏、批評でも「バス以外は良かった」とばっさり切り捨てられていますし、私も彼の調子自体は、すんごく悪いと思います。

でも、惹かれてしまった。調子が悪いな、と思わせながらも、曲に奉仕するような表現を決して崩さない、修道士さながらのストイックさが、たまらなく官能的。

この作品のバスの旋律は、力強く、男性的でドラマティック。でも決してそれだけではなく「救い」をも感じさせてくれる部分もあるわけで。

その旋律を、私の両極端な部分 -精神的な部分と、女性性を覚醒させる部分- の両方に訴えてくる罪深き声(笑)で歌われる…この声になら、罰せられてもいい…と。

同じ「官能的」でも、エスカミーリョで感じられる類のソレとは種類が違うんですけどね。

…え?ヴァラリンはいつでも、頭の中がド・ピンクだから、何を聴いても…なんでしょっって?^^;

一時期流行った「脳内メーカー」が証明してる…ってか ⇒ ヴァラリンの脳内

でも「ヴァランシエンヌ」だと、こうなるんですよ ⇒ ヴァランシエンヌの脳内

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Alexander Vinogradov (Bass)」カテゴリの記事

コメント

>そういう意味では、ピアノ伴奏での歌曲のリサイタルが一番、歌手のプリミティブな部分まで味わい尽くせるんでしょうけど。


うんうん。やっぱり、贔屓の歌手のピア伴によるリサイタルは、とても贅沢な時間を過ごせますよね。

私のご贔屓さんは、今シーズンはオペラが3つ(コンサート形式も入れると4つ)しか予定されてなくて、あとはコンサートやリサイタル。
もともと、年間にオペラのステージをそんなに多く歌う人ではないんですが、もし、リサイタル歌手になってしまったとしても、私は応援し続けるし、リサイタルの追っかけもしたいですね

でも、まだ彼で見たい役がたくさんあるから、当分オペラは続けて欲しいですけど

>曲に奉仕するような表現を決して崩さない、修道士さながらのストイックさが、たまらなく官能的

なるほど、女って罪深いなぁ~(笑)
宗教曲は本来オペラ歌手が歌っちゃいけないのかもしれないですね。

脳内メーカー懐かしいです。
自分のもそうですけど、ご贔屓3大バリトンでやってみたことあるんですよ。なんかそれなりに、当たってるような気がするわけw
ヴァラリンさん、ダーリンの脳内、調べてみた?

どこかで書いたことの繰り返しになるけど(^^ゞ
宗教曲の本来の役割…「精神の極みにいざなう」は、ふとしたはずみに、簡単に「官能の極みにいざなう」に、すりかわり得るのかも…と、思いました。
しかも、それを、自分にとって最も官能的な声で歌われたら…ね(^_-)

だから

> 宗教曲を聴いて、そんなこと考えちゃダメ、ばちが当たっても仕方ないかも…

罪深い…のかもしれないけど、実は至極自然な感じ方なのだとも思います

> 脳内メーカー

おっ、昨年の秋ぐらいに盛り上がりましたね
私は、Naoでもカタカナ表記でも本名でも、それなりの結果です
ちなみに我がダーリンは、名前の2つ目のeに付いているアクサンテギュが脳内メーカーでは受け付けてもらえないため、アクサンテギュ抜きで入力・判定すると…結果はちょっとココには貼れません。いやん(///

娑羅さん:

そうだった…ちょうど私がロンドンで、ボエームを見ていた同じ日に、ロンドンでホロさんのリサイタルがあったんですよね。
日にち違いだったら、行ってみたかったんですが。。。

>もし、リサイタル歌手になってしまったとしても、私は応援し続けるし、リサイタルの追っかけもしたいですね

そう来なくちゃ
どんな形式ででも、元気で本人が気持ち良く歌ってくれれば、それを支持して追っかけるのが、ファンのツトメですもん

そうそう、ダーリンの来日決定?!おめでとうございます。娑羅さんをはじめ、ファンの熱意が彼に届いて、呼び寄せたんでしょうね

しまさん:

>女って罪深いなぁ~(笑)

いやん
あの、ヴィブラートバリバリの、顔に似合わん(笑)ひっくい声がイカンのです

な~んて、女性の方が男性よりもはるかに複雑で、はるかに罪深い生き物でしょうね。

>>脳内メーカー
>ダーリンの

はですねぇ…
フルネームはアルファベットだと長すぎて(^^;受け付けてもらえないし(笑)
カタカナにも、複数の呼び方があるので、
ファーストネームだけでやってみたりしたので、一概には言えないんですけど(^^ゞ

脳内相性メーカーなんてのもあるんですね。これもなんだか、当たっているような気が(^_^;)

Naoさん:

>宗教曲の本来の役割…「精神の極みにいざなう」は、ふとしたはずみに、簡単に「官能の極みにいざなう」に、すりかわり得るのかも…と、思いました。

うまいこと言いますねぇ(笑)
つまり、そういうことです
官能の極みは精神的高揚がなければ得られないし、精神的高揚には、一種の爽快感(カタルシス)をも伴いますからね。カンノーと紙一重でしょう。

罪深くも、そのことを認識してしまったら目を反らすことはできない…あとはもう、昇華しつつ、向き合っていくしかないと思ってます。
そういう思いも含めて、書く作業によって昇華できる場を設けられることは、幸せですね

>>脳内メーカー
>先輩の
>アクサンテギュ抜きで入力・判定

うわ~~、「ヴァラリン」よりツワモノが(笑)

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