ラ・ボエーム@ロイヤルオペラ(コッリーネ編:...his favorite Colline, my lovely Colline)
「彼のコッリーネを実演で観たい」
初めてそう思ったのは、3年前(2005年)の夏。その半年前の2004年12月、旅先のベルリンでの≪魔笛≫ザラストロで、名前も知らなかった彼に一耳&一目惚れして(出会いの詳細はこちら)
もう一度、実演で聴いてみて、記憶を確かめたい…そう思って、初めて「特定の誰か」を聴きに行く為に計画した、2005年夏のボエーム@ベルリン国立歌劇場での鑑賞。
「追っかけ」って、こういうことをする人のことを言うのよね~~と、微妙に自虐気味に、でも「あの神々しかったザラストロの彼、若い男性の役だと、どんな感じなんだろう?」と、わくわくどきどきしながら、めいっぱいお洒落をして、出かけたベルリンで待っていたのは、Web上の配役表は彼の名前のままだったのに、現地で配られている紙の月間プログラムは、一ヶ月以上前に、別の人の名前に変わっていた…という、なんともお間抜けな結果。
公演当日、出先のベルリン植物園(笑)でその紙を目にした途端、血の気が引いた時のあの感覚は、一生忘れないでしょうね。
飛行機の中で、泣きながら帰ってきて、一か月以上イジイジと落ち込み…あの頃、よくあれだけの涙があったものだと我ながら感心します(^^ゞ
(この話をする時、実は未だにうるっとしてしまうのはナイショ(笑))
そんな私のベソベソモードを知ってか知らずか、神様は粋な計らいをしてくれて…
音だけでは同じ年の11月に、パリでの公演 を放送してくれたお陰で、聴くことができました。
記念すべき、私の初めてのWebラジオ録音音源が、これ。
その後、2006年にはこの役でロイヤルオペラデビューを果たし、2007年夏のサンタフェ音楽祭、今年2月~3月のベルリン…(私が聴き損ねたのと、同じ演出)と、毎回歌う度に「今の声なら、あの放送録音よりも、もっと深くて、この役にぴったりのはず…役柄に相応しい若さを保っているうちに、実演で観て聴いておきたい」と切望しながらも
「でもあんまり大きな役じゃないし、行ってもし、またキャンセルしたら、激しく落ち込みそうだし・・;」と微妙な戸惑いは持ち続けたまま。
ファンになって以来、毎シーズン、一度は実演を聴いておきたい、という願望から、大方のシーズンスケジュールが出ると「さて今年は、どこに、何を聴きに行こうかな?」と計画を暖めるのも楽しみのひとつ。
昨年は2回も来日してくれて、いながらにして彼をたっぷり堪能できるという幸運にも恵まれたけど、それはやっぱり、レアなケース。本当は彼の出る公演、全部行って観て聴きたいけど、それは無理な話だし。
んー、今年もROHでコッリーネ歌うのかぁ…「あのプロダクションは、オーソドックスでとても気に入っているよ」とも話してたし、そもそもコッリーネは、彼自身も大好きな役。
…彼が大好きな役を、彼もとても気に入っているプロダクションで、のびのび歌うのを聴いてみたい。今聴いておかないと、なんだか夏休みの宿題を、やり残しているような気がして、落ち着かないし…
という、相変わらずの私の勝手な感傷が、最終的には決め手となりました。
******************************
数えてみたら、実演で観るのはこれが7回目。中には同時期に複数回観た役もありますから、純粋な回数としてはもう少し多いんですが(今回のコッリーネ2回を含めると、15回…)追っかけ歴4年弱でこの回数ですから、頑張っているほうでしょうか(笑)
事前の椿姫さんからの情報で、元気そうにしているのはわかっていたけど
「私が行く時に、彼が出てこなかったらどうしよう」と、ロンドンへ行く前~実際に劇場に到着するまでにも、ドキドキ。
出ることがわかったあとは、開演直前には「ちゃんと声出るかな、大丈夫かな?」と、どこまでもナーバス。回数こなしていても、相変わらずの心配症…治りそうにありません(^^ゞ
さて、そんな私の勝手な思い入れをよそに、彼は本当に、楽しそうに、ノビノビと、コッリーネを歌い、演じてくれました。
好きな役でもあり、学生の頃から歌っている、ある意味「手の内に収めた役」ですし、ロイヤルオペラにも2回目の出演ということで、リラックスしていて楽しんでいるのが、よくわかりました。
声楽的なことはあまり詳しく語れませんが、今の彼の声と、技量をもってすれば、このぐらいのレベルで歌えて当然、出だしこそ、少し声が遠くに聴こえましたが、これは「ザ・スロースターター^^;」ですから、折り込み済み。
それ以降は危なっかしいところもなく、そういう意味では、これまでの鑑賞歴の中で、一番安心して見聴きできたと思います。全体の出来としては、少し疲れが見えた3回目(16日)よりも、最終日(18日)の方が良かったかな。
でも、私の高揚感は、16日の方が勝っていたかも。
実は、全体の感想がいま一つ歯切れが悪い書き方になってしまったのは、今回の鑑賞、特にバルコニーから双眼鏡で見ていた16日は、ほんっとに彼だけしか、目に入ってない、耳に残ってない…と言っても過言ではないくらい、彼に浸っていたから。
少し気取った言い方をすると
「彼だけがカラーモードで、他の登場人物も、舞台もすべてモノクロ。彼の歌だけがリアルに響いてきて、たとえロドルフォとミミが、いくらアツアツモードで、ロマンティックな旋律を聴かせてくれても、それは私にとって、舞台上のコッリーネの挙動に対するBGMにすぎない」
という感じでしょうか。
彼に穴が開くんじゃないか?というほど、彼ばっかり見ていた自分がふと冷静になった瞬間「やだもう、何やってるの、私?」と思ったんですけど、
「でもそのために来たんでしょう?」と天の声が聞こえたので(笑)ええいもう、浸れるだけ浸ってしまえ!と思ったというわけです(^^ゞ
この位置から双眼鏡で覗くと、ちょうど新国の平土間6列目あたりから、肉眼で至近距離で眺めたのと同じくらいの距離感で見えるのです。しかも、レンズ越しに見る…というのは、決められた枠の中で、部分的に切り取って見ているような感覚。
約一年ぶりの生鑑賞という高揚感も手伝って「私の視界には、彼だけ」気分を満喫するには、おつりが来そうな見え方。そして私が心から恋い焦がれ、憧れてやまない、愛しい声が、時には劇場いっぱいに広がり、時にはささやくように、私の心と身体の奥深くに響いてくる…
「人間はもともと、二つが一つだったものが、半分に削がれて、その半身、自分にないものを求める、補うために彷徨っている…」という類の思想があるけれど、彼の声は、まぎれもなく私の中の、私が欲している男性的な部分を補う声…
遺伝子レベルで、私のプリミティブな部分に訴えてくる、罪深くも暖かくて深い低声に、身を浸す幸せ。
女性は男性が発するエネルギーを全身で受け止め、胎内(体内)に蓄積して、慈しみ、愛しく思える能力を、誰でも持ち得る…というのを、改めて実感しました。
オペラ歌手云々にかかわらず、特定の誰かに心奪われ、実際にツアーやスポーツ観戦に行ったり、無理してでも海外まで追っかけている…のは、男性よりも女性の方が圧倒的に多いですが、
もしかすると、女性はそういう方法で、自分の体内に(その人だけが自覚できる周期で)生の男性のエネルギーを取り入れないと、生きていけない生き物で…
それをしなくても平気になった時、女性は女ではなくなる…のかもしれません。
私が一年にいちどき、こうして彼=好きな歌手のパフォーマンスに触れたくなるのは、体内に彼の声を、エネルギーを取り入れるため。
…そんな飛躍した想いまで抱かせた、あの位置からの双眼鏡鑑賞は、本当に美味しく、忘れがたい体験です。
*******************
最初にコッリーネが出てくるところの金管…ここを聴くと「コッリーネが出てくるんだわ♪ワクワク」と、自然に私のスイッチが入るんですが(笑)
舞台右側から彼がむさくるしい髭面・よれよれのコートに身を包んだ熊野郎姿(笑)…のくせに、微妙に気取りながら「ちくしょ~~~っ、クリスマスには質屋も休みだぜ!」と彼が出てきた瞬間
…に、似合うじゃないのっ(*vv(←ヴァラリン早くも崩壊…)
3年前のパリの放送録音と、自然に頭の中で聴き比べをしながら
「んんー、やっぱり声が深くなってる(*vv」とほくそ笑みつつ、双眼鏡を覗きっぱなしでニヤニヤ。怪しいことこの上ない東洋美女(ん?)約一名…(^^ゞ
2幕のカフェ・モミュスの場面。
格安でコートを手に入れたコッリーネ。意気揚々と、テーブルに座っていたかわゆい女の子に、しれっとメニューを提示しながら「どれがいい?」みたいな感じでちゃっかり声をかけるんですけど、彼女は既に売約済み。「ん?変な男が俺の彼女に声かけてる( ゚皿゚)キーッ!!」みたいな感じで、慌てて連れの男性が彼女を連れて行ってしまって。
ははは、せっかく床屋に行って、さっぱりしたのに、見事に振られたわね(笑)
「ちぇっ、しょーがないから、やけ食いするぞっ」なノリで、ショナールとメニューを見て、あれやこれやと頼んで。
女の子が残して行ったピンクのお花を耳にはさんで「ふんふん♪」みたいな感じで何気にご機嫌。キメの「さら~めっ」で、威勢良くメニューをふっ飛ばし…たのが、また可笑しかったり。
この「さら~めっ」ですが、パリの放送録音では「さ~らめっ」と、「さ」にタメつけてたんですが、今回はそうでもなく。いつでも同じ、というわけじゃないんですね。その時の演奏スタイルに合わせて、フレキシブルに対応しているのかな?
そういえば、コッリーネといえば、不健康そうにパイプ銜えて~~ってイメージが強いんですが、今回はパイプは無でした。煙草嫌いの私としては、嬉しい限りでしたけど(笑)
可笑しかったのは、2幕のラストで最後にムゼッタのパトロン・アルチンドーロに勘定をツケて、みんな揃って逃げちゃう場面で、密かにコッリーネったら、涼しい顔して赤ワイン一本くすねて意気揚揚と引き揚げようとするんです。
でも、すぐにお店の人に見つかって「ダメダメ( ̄○ ̄;)!」って、叱られてるの(笑)ばれるような盗み方しても、ダメだってば(^^ゞ
こんな感じで、すっかり私は崩壊、話題になってた(笑)髭剃りクリーム拭き取り忘れ疑惑(しまさんちにジャンプ)解明のことももう、どうだっていい…と思っちゃったのです。
だって彼、本当に楽しそうに歌ってたから。
と言いつつ、一応解明しておくと
4幕の男性4人おふざけシーンで、舞台左側のテーブルに置いてある髭剃りクリームを、あごに塗って髭剃りのまねごとした後、、チャンバラ遊びを始めるんですけど(^^;(←これがまた、うっれしそ~~~~~に遊んでいるものですから、それを眺めてデレデレ崩壊していたヴァラリン)
血相を変えたムゼッタが、ミミを抱えて4人組のお部屋に飛び込んできた瞬間「あっ、いけねっ∑(゚∇゚|||)」って感じで、慌ててタオルでクリームをぬぐい取る…んですが、初回と2回目(椿姫さんちにジャンプ)は、ここでの拭き取りが、たぶん甘かったんだと思うんです(^^;
私が見た3回目と最終日は、きちんときれいに全部、拭き取っていました
なので、そういうアドリブを、計算して意図的にできるようになれば、大したものなのでしょうけど、残念ながら彼は、そういう「遊び方」をするタイプの歌手ではないですし…小さなハプニングのひとつ…だと思います。
済んだことですし、深く追求するのはヤ・ボ(*^_^*)あまり意地悪な見方はしないで下さい(笑)な~んてね。
ミミが来てからのコッリーネは、友人カップルをさり気なくサポートしてあげる…という気配り、彼の優しさがよく表れていたと思います。
お約束の≪外套の歌≫は、指揮者のテンポが少し早すぎ…?ちょっと歌いにくそうに聴こえたんですが、やっぱり今の声で聴けて良かった。
短いアリアですけど、あの時間だけは、時が止まったように、観客も聞き入っているのがわかりましたから。このアリアを聴いたら、泣くかなぁ~~と心配してたんですが(^^ゞ
随所で「声、深くなったわよね~」と思いつつ、うっとりしていたんですけど(いやん)
一番効いたのは、大詰めフィナーレの場面。外套を売ってお金をもらってきたコッリーネが、ムゼッタに"Musetta, a voi!"とお金を渡し、ロドルフォに向かって言う"Come va?..."
…(///▽/// き、効きました(*vv
そしてフィナーレの「ミミ~~~~♪」と、ロドルフォがミミを抱き寄せて号泣する瞬間でさえ、私はコッリーネだけ見ていて。
彼の立ち位置は、舞台の左上手部分。左から見ていたバルコニーではもちろんのこと、平土間の右側でも、全く死角にならなかったのです。
(だから、椿姫さん曰く「左から見ないと、最後にミミが死ぬ場面が見えないのよ」という、この舞台の最大の欠陥?!でさえ、私にとっては、ほとんどマイナスにならなかったというわけです^^;;;;;
尤も「平土間のように、どこから見てもきちんと見える席ならば、特に問題ない」そうですけどね(^^ゞ
右側の立ち見席から見た方によると、何をやっているのか全然見えない時間が多かった!とのことです)
この時に、ちょっと大げさなくらい(笑)驚いた顔して、口を手で覆って、最後は舞台に背を向けるんですけど、その後姿を見て、じわーっと涙が…
ここで泣いていても、きっとほかの人は「ああ、ミミが死んでしまったから、この東洋美女(ん?)は泣いているのね」としか思わないだろうから、憚らずに泣いてしまえ、と。
あんまり他にはいないでしょう。うなだれるコッリーネの後ろ姿に泣けた観客なんて
*************************
そういうわけで、3年越しの思い入れたっぷりの彼のコッリーネ、2回聴けてホントに嬉しかったですし、やり残した宿題も、やっと終えた気分。
暫くこの余韻に浸っていたかったが故、長々とお待たせして&待っていて下さった方々、すみませんでした。
彼のパフォーマンスに触れた時には、こうして長々と、書き綴っていくことが、私の何よりの楽しみ。感じていることの全てを表現するのは、本当に難しくて…これだけ書いても、全然、言い足りなくて、もどかしいのです。
だからこそ、やりがいがあるのですけど(笑)
*******************************
Puccini - La Boheme
2008.Oct.16 & 18 @ Royal opera House,London
Sung by Italian
Conductor:Christian Badea
Director: John Copley
ロドルフォ:ウーキョン・キム
ミミ:アレクシア・ヴォルガリドウ
マルチェッロ:クリストファー・マルトマン
ショナール:ローデリック・ウィリアムス
コッリーネ:アレクサンダー・ヴィノグラドフ
ムゼッタ:アナ・リース
べノワ:ジェレミー・ホワイト
Rodolfo Wookyung Kim
Mimi Alexia Voulgaridou
Marcello Christopher Maltman
Schaunard Roderick Williams
Colline Alexander Vinogradov
Musetta Anna Leese
Benoit Jeremy White
« ラ・ボエーム@ロイヤルオペラ(全体編) | トップページ | カルメン@ワシントン・ナショナル・オペラ…写真とyoutubeと、新国カルメン放送休止のお知らせ »
「実演鑑賞記」カテゴリの記事
- 150129 辻井伸行、ヴァシリー・ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル@愛知県芸術劇場(2015.02.07)
- スペイン・バリャドリッドのミゲル・デリベス文化センターについて&140529-30 R.シュトラウス【変容】withカスティーリャ・イ・レオン管弦楽団(2015.01.22)
- 141206 ドン・カルロ@新国立劇場(2014.12.17)
- 140707 イマジン七夕コンサート ルネ・コロさよならコンサート(2014.07.08)
- 140528 ドン・カルロ@ベルリン・シラー劇場(2014.07.02)
「Alexander Vinogradov (Bass)」カテゴリの記事
- 今夜です!0:05-BSプレミアムにてメータ/ベジャール第九、放送されます(^^)(2014.12.21)
- まだ気持ちの整理がつかなくて(2014.11.14)
- アレクサンダー・ヴィノグラードフ来日のお知らせ(2014.11.04)
- 2014.May Berlin & Valladolid (Spain) & Madrid(2014.07.24)
- 続・9月9日、スカラ座ツァー@ウィーン国立歌劇場でのヴェルディ・レクイエム(2011.09.13)
「2008秋・ロンドン一人旅」カテゴリの記事
- ロンドン一人旅その10(最終回)遅ればせながらの海外一人旅デビュー雑感(2008.12.18)
- ロンドン一人旅その9 今回の旅行に利用したサイトリンク&補足(2008.12.17)
- ロンドン一人旅その8 市内観光(2)お買いもの・お散歩・お食事(2008.12.14)
- ロンドン一人旅その7 市内観光(1)クイーン・エリザベスホールを探せ!(2008.12.04)
- ロンドン一人旅その6 ロンドンで一番心に残った美術館(2008.12.01)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« ラ・ボエーム@ロイヤルオペラ(全体編) | トップページ | カルメン@ワシントン・ナショナル・オペラ…写真とyoutubeと、新国カルメン放送休止のお知らせ »
うわ~っ、地球の裏側にまで熱い思いが伝わってきましたよ。
私も、日は違えど同じものを見てるわけですから、ヴァランシエンヌさんの仰ることすごくよくわかります。私も双眼鏡で可愛いヴィノグラドフ君ばかり見ていたんですよ。いつもどうしてもロドルフォやミミにばかり注目するのですが、おかげさまで今回はとても新鮮な体験ができました。
髭剃りクリームレポもありがとうございました。そりゃそうですよね、わざと少し残すなんてことはやろうと思ってもできることじゃないでしょう。
投稿: ロンドンの椿姫 | 2008/11/10 21:37
椿姫さん:
火傷しませんでしたか?(笑)
コッリーネもショナールも、歌うところは少ないですけど、アンサンブルでは絶妙な絡み方もしてますし、映像ではピンポイントでしか見られない舞台上での彼らの動きも、実演で、自分の好きなところにフォーカスすれば、以外と面白いこともやっていたりするんですよね。
またROHで再演されることがあったら、是非「新旧コッリーネ比べ」やってみて下さい
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/11/11 00:47
せっかくの余韻を、ぶち壊しちゃってごめんなさい;;;
せっかちな性格なので、早くヴィノ君の様子を知りたかったんです。
それにしても、何年越しもの想いが叶って、感激もひとしおでしょう。本当によかったですね!!!
>胎内
ふう~む、このくだりには、林あまりの短歌を連想させられます。
「立て膝をゆっくり割ってくちづけるあなたをいつか産んだ気がする」
なんか、共感できるような気がしません?
で、熊くんなんですけど、今までボエームを観ていてコッリーネに注目したことが無いものですから、今回のレポはとても興味深いです。
Copleyの演出が細かいからってのもあるかと思いますが、いろんなことやってるんですネ。
>ばれるような盗み方
こういうところなんか、すっごくコッリーネっぽいですよね(笑) というか、ヴィノ君のコッリーネだから、こんなふうに可愛げが出るのかな?
無骨な不器用さんなコッリーネなら誰でもできるけど、そこに愛らしさが加わる…なんてバス歌手はなかなかいないですよね。
>ヒゲ剃りクリームの件
ははは;;; 悪ノリし過ぎちゃってすみませんでした。
そういうところもカワイイから、おばちゃん、ついついイジりたくなっちゃうんデスm(_ _)m
でももうこれで終わりにしますネ。
投稿: しま | 2008/11/11 00:56
>飛行機の中で、泣きながら帰ってきて、一か月以上イジイジと落ち込み
これ、状況は違いますが、同じような経験しました。
2004年12月、本人から「来年日本に行くよ」と言われたのに、年が明けて、彼のエージェントにメールしたら、「その話は、スポンサーが降りてしまい、なくなった。とても残念だ。」との返事。
情緒不安定状態になり、2日間ぐらいは、ずっと泣きっぱなしでした。
でも、急に日本でのプロモーターが変わり、急遽来日。
てんやわんや(古い!)でした
さてさて。
ヴィノさんOnlyのレポで、これだけ書けてしまうヴァラリンさんは、やっぱり熱い!
私もシカゴでは2回観ましたが、“Only”な記事にはならなかったもん・・・。
(え?なってました?)
オペラグラスではなく、双眼鏡というところがいいですね~♪
私も、小型双眼鏡です(笑)
ただ、昔は私も、オペラグラスかぶりつき症だったのですが、最近はあまり使わなくなりました。
どうしても、TV画面で見ているような気分になり、声と人が一体にならず、生を聴いてる感じがしないんです。
だけど、オネーギンを観に行った時は、オネーギンが歌わない、トリケのクープレの場面なんかは、彼の小芝居を堪能すべく、オペラグラスを使いましたけど
ヴィノさんからは、エネルギーをたくさんもらえましたね!
読んでる私も、ヴァラリンさんからパワーをいただきました!
投稿: 娑羅 | 2008/11/11 14:34
しまさん:
あ~~いやいや。彼だって次のお仕事に入っているんだし、私もいつまでも蕩けているわけにもいかないですから(笑)
そろそろきちんと書かなきゃね…って、やっとエンジンがかかってきたところへの叱咤激励でしたから、有難かったです
>「立て膝をゆっくり割ってくちづけるあなたをいつか産んだ気がする」
あああ…なんだか泣けてきちゃうわ(笑)
林あまりさんの短歌って、あんまり気にしたことがなかったんですが、職場で探してみたら短歌集が見つかったので、早速借りてきました。ご紹介のお歌は掲載されてなかったんですが、もう~~女心にビシビシ響いてきて、大変なことになりそうですぅ
>コッリーネ
3幕以外は、それなりに舞台上に長く滞在してますからね
私もコッリーネ歌う歌手のファンじゃなかったら、こんな粘着な見方はしませんってば(笑)
>無骨な不器用さんなコッリーネなら誰でもできるけど、そこに愛らしさが加わる…なんてバス歌手はなかなかいないですよね。
私のデレモード炸裂な書き方も影響しているかもしれませんが(笑)そう仰って頂けると、嬉しいです。ありがとうございます。
>>ヒゲ剃りクリームの件
いえいえ。超スタンダード再演演目で、特に目立ったスター歌手も出ていない公演でしたから、注目度も低かった(でも客席はほぼ満席でしたけどね)のに、椿姫さんとしまさんのお陰で、盛り上がりました(笑)感謝、感謝です。
でも「おばちゃん」発言は、ここではご法度ですよー(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/11/12 00:30
娑羅さん:
>同じような経験
>情緒不安定状態になり、2日間ぐらいは、ずっと泣きっぱなしでした。
傍から見れば「追っかけ対象相手に、何べそべそしてるのよ?!」ってな感じかもしれませんが、それでもやっぱり、泣けちゃいますよね。
同士にしか、わからない心の痛みです(笑)
>ヴィノさんOnlyのレポで
しかも、脇役のコッリーネなのにね(笑)
世界で一か所だけでしょう、この役にこれだけの分量のレポを載せているのは
(後日、お部屋にもきちんとレイアウトして、載せるつもり)
娑羅さんの「あの方」の観察も、いつもすんごく詳細だから、しっかり見ていらっしゃるんだな…って思いますよ。
そう、そう、私のも「小型双眼鏡」ですね。あんまり大きいと、バックに入らないし。
私も以前は「部分的に拡大したら、何の為に全体を見に来ているんだか、わからないわ」って思ってて、双眼鏡を使うのは避けていたんですよ。
でもね…
やっぱり、歌ってないところでの仕草とか、表情とか見たいな…って思ったら、もう手放せなくなっちゃっいました(笑)
(仕方ないのよ、あんまり出番がないもんですから、出ている時には「み、見逃すまい!!」って思っちゃうのー(笑))
>ヴィノさんからは、エネルギーをたくさんもらえましたね!
はい(笑)次回未定の逢瀬まで、しっかり反芻して、デレデレしますです
>読んでる私も、ヴァラリンさんからパワーをいただきました!
うわあ、泣けちゃうじゃないですか(笑)
こちらこそ読んで下さって、こういう言葉を頂くと、ホントに嬉しいです。ありがとうございます
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/11/12 00:47
これだけ思いのたけを書ききったら気持ちいいでしょう
読んでいて、胸がすきました(笑)
> 男性が発するエネルギーを全身で受け止め、胎内(体内)に蓄積して、慈しみ、愛しく思える能力
これ、生々しくも的を射たメタファーかも。耳でも頭でもなく、子宮で聴く(いや勝手に響いてくる)感覚というか。
そして慈しんだ後、その喜びをこうやって言葉にして表現できることは、本当に幸せですよね
> もしかすると、女性はそういう方法で、自分の体内に(その人だけが自覚できる周期で)生の男性のエネルギーを取り入れないと、生きていけない生き物で…
ふふふ。しかし、このことを一度自覚してしまうと大変かも(でしょ?^^;)
私など(耳タコでゴメンですが)16年間の我慢の後に、いきなり濃い生鑑賞体験を立て続けに…で、今はタガが外れた状態、もうエネルギー切れを起こしかけています
待つ時間も楽しみましょう…と、自分に言い聞かせているけどね(^^ゞ
双眼鏡で2人の世界は、私は未体験。
肉眼で全体を見渡すのがやっぱり一番好きだけど
> 決められた枠の中で、部分的に切り取って見ているような感覚
> 「私の視界には、彼だけ」気分
…も味わってみたいです
来年のスカラ来日コンプリート(予定)は、財布の都合上、舞台から遠い席も混ぜて買わざるを得ないので、その時に双眼鏡を持ち込んで、浸ろうかしら
投稿: Nao | 2008/11/12 02:55
Naoさん:
ありがとう
実はマイベスト・オブ・ヴィノグラドフレポ…だと思ってます(笑)
(お前のセンチメンタルな思いのたけを綴っただけじゃないか!などと突っ込まないように)
>慈しんだ後、その喜びをこうやって言葉にして表現できることは、本当に幸せですよね
絵が上手に描ければ、もっとうまく表現できるのかもしれませんが、残念ながら画才は全く持ち合わせていませんから、
言葉しか、私が表現できる手段がないのでね。
でも、ほぼ会心の出来とはいえ、実は思っていることの半分も書けてないのかも。
上にちょっと書きましたけど、改めて数えてみたら、実演で見聞きした役柄は7つめ、純粋な回数としては、これが15回目で…そのうちの6回は、去年の新国エスカミーリョでの嵩上げですが(笑)
最初の頃のレポは、ミーハー丸出し(今も変わってない^^;)だったり、今よりももっとセンチメンタルだったり…ですけど、いつの間にか、こんなに増えてたのか…と思うと、感慨深いですね。
実演レポだけ、単独で目次を作ってもバチは当たらないかもしれない、と思いました(笑)
なるべく早く、HPにも転載しますね。
>子宮で聴く(いや勝手に響いてくる)感覚というか。
ふふふ。これ、以前「50質」やった時に、こう書いて下さった方がいらっしゃいましたよ。ええ、ここの御常連のお客様でね(笑)(笑)(笑)
女の幸せですよ、ホント。
>今はタガが外れた状態、もうエネルギー切れを起こしかけています
私もまだ、一か月も経ってないのに、次の公演の写真(しかも反則!あんなにかっこいいなんて)なんか見てしまうと
「あああ、いますぐ飛んで行きたいっ」って、思っちゃいますよ。
今回も「2回も見られて幸せ」と思う反面「去年は(マゼットまで含めると)7回も観たのにーー;」って、微妙に物足りなかったり(笑)
>待つ時間も楽しみましょう…
そう、これも実は好きなんですよ。今回のように、ほぼ極秘で準備を進め「さて、どうやって報告しようかな」とほくそ笑む瞬間も含めてね。
>スカラ来日コンプリート(予定)
頑張ってね
何公演あるのかな?東京公演だけだとすれば、交通費も大変だけど、やっぱり「来てくれる」のを待つのは「追っかける」のとは、違う意味でうれしいものですからネ。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/11/12 20:33
うんうん、あのキャストチェンジの時は、本当に落ち込んでらっしゃいましたものね。当時はオペラハウスのウェブサイトは全然役に立ちませんでしたし今回は2度ともばっちり歌ってくれて、リベンジ達成ですね。この熱と愛のこもった記事を読んだだけで、ヴァランシエンヌさんの万感の想いが伝わってきますよ!本当、宿題が終わってよかったですね~~~。それに、ベルリンの時よりも声も重たくなった今のほうが、楽しめたのではないですか?あのときは指揮も好みじゃなかったと書かれていたと思いますし、何よりあの伝統ある熊男演出でご覧になれたのは羨ましいです~。そうそう、髭剃りクリームは、流石にアクシデントだったのですね。ギャグでやっていたら悪ノリしすぎだけど、そんなことする人とは思えないけどな~と気になっていたので、安心しました。
>これだけ書いても、全然、言い足りなくて、もどかしい
全て言い表せてしまったら、それこそトキメキも何もなくなってしまいますヨ。読み手のほうも、もっと書いて欲しいな~というところをアレコレ想像しながら読むのが楽しいですし。ロンドン旅行記の方も楽しみに待っています♪
投稿: Sardanapalus | 2008/11/12 21:40
サルダナさん:
うわあ、あの頃の話、覚えていらっしゃいましたか(^^ゞ 恥ずかしいなぁ…
良くも悪くも、あの時のことがあったからこそ…今があるんですけどね
無事に宿題も終わったし、待てば海路の日和あり・・を実感しました(笑)
仰るように、あの頃の声よりも、今の重くなった声の方が、聴きごたえもありましたしね。
(コッリーネに「聴きごたえ」だぁ?!なーんて突っ込みはしないように)
同時期のパリの放送録音のレビューでは「低音不足」って言われてましたけど、最近はさすがにそういうレビューは見なくなりましたが、この役は若いうちに聴いておきたかったので、今が一番の「聴き時」だったのかもね。
>髭剃りクリーム
>ギャグでやっていたら悪ノリしすぎだけど、そんなことする人とは思えない
基本的に生真面目な人ですからね(笑)
何はともあれ、こんな長いの(笑)読んで下さって、ありがとうございました。
ロンドン旅行記の方は、サルダナさんと競争ですね
投稿: ヴァランシエンヌ | 2008/11/12 23:21