祝!初メフィストフェレス@マヨルカ島+インタビュー
バス歌手にとっては大きな役の一つ、「ファウスト」のメフィストフェレス・ロールデビューを無事に果たしたわがゴヒイキさん、アレクサンドル・ヴィノグラドフ。
Youtubeに(ほんの一瞬だけど^^;)公演の模様が出ていますので、貼り付けておきます。
この公演に先立って、マヨルカ島のメディアインタビューにも応じてます。
(と思ったら、一か月もたたないうちに新聞社のサーバーから、リンクが消えてしまったのでHPに再UPしておきます。よかったぁ、原文コピペしておいて。近いうちにこちらのテキトー訳も、もう少しまともに直して、HPにUPしますね)
機械翻訳で英語に直したものを、簡単に訳してみました。英語で文章を読むときには、逐語訳で完璧に…はなく、概要をはしょって意味が取れればいいかな…という程度の読み方ですので、そういう形での紹介です。お許しを(^^;
(もし、間違えて意味を取っている箇所があれば、ご指摘下さるとありがたいです)
・メフィストフェレスは、ずっと歌ってみたいと思っていた役なので、今回機会を得ることができたのは、非常に嬉しく、幸運だと思う。大変難しい役なので、リハーサルに入るまでに多くの準備時間をかけ、とりわけフランス語をネイティブ並みのレヴェルに引き上げることに力を入れた。
(ヴォイストレーナーも現地に同行してくれたそうです)
・不安を取り除き、確実な自信を得るためには、できる限り多くの準備をしておく…それが僕にとって、一番重要なこと。
・ファウストは、あらゆるオペラの中で、最もロマンティックな作品。
ファウストの人物像は、「ファウスト博士」のように、僕たちにもわかりやすい。自分が悲しくなった時には、彼の気持ちがわかるし、ヴァレンティンは善良さを主張する高貴な人物。マルグリートは愛と純粋さを表現している。
メフィストフェレスの人物像は、底意地の悪さと嫉妬の象徴。自分とこの人物像を同一化することは出来ないけれども、彼の考え方を完璧に理解できる。
・どの公演、どこの場所でも、自分が出来る限り最大の力を尽くして公演に臨んでいる。ここマヨルカでも、いい公演になることを約束する。
5000人も収容できるアメリカのような大きな劇場よりも、こういう小さな劇場で歌う方が好き。
・(オペラが作曲された時代から上演形態が変わり、常に何がしかの論争を引き起こしてますが、それについてどう思いますか?という質問に対して)
登場人物の基本的なキャラクター、感情、対話のエッセンスが失われていないものが好ましい。もし、誰かを殺したりする場合に、登場人物の解釈が損なわれているとすれば、それは問題があると言えるだろう。
・(世界金融危機がオペラに与える影響は?という質問に対して)
個人的にはまだ影響は受けていないが、劇場が受けている影響は深刻。プログラムを組む段階で、既に問題を抱えている。劇場は、お金がかかりすぎることを理解できていないから。とりわけアメリカは、個人経営の会社がスポンサーとなっているケースが多いので、反響は大きい。イタリアでの危機も深刻で、ボローニャでは僕が契約していた公演(*1)が、資金不足のためにキャンセルせざるを得なくなった。反面、ドイツは政府からの補助金があるので、状況はまだまし。
(*1)おそらく、ボローニャでの「レポレッロ@ドン・ジョヴァンニ」のことかと思います。昨年秋の「ボエーム」@ROHのプログラムには書いてあった予定なのですが…
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
彼がメディアインタビューに答えたのは、私が知っている限りでは、これが3回目だと思います。
一度目は2004年6月の"Das Opernglas"での、紙ベースでのインタビュー、二度目が今年3月の、モスクワリサイタルの時の、ロシア語での音声インタビュー。(リンク先から、ロシア語の文字ベースでの概要が読めます)
そして今回が3回目…スペイン語ですが、ソースまるごと文字ベースで、ネットに乗っかっているのは初めてですので、紹介してみました。
この(私の拙い^^;)要約からも、彼が歌い口同様、非常に優等生的で(笑)生真面目な歌手だというのが、伝わるかと思います
○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*
メフィストフェレスが大きな役だという認識はあるものの、個人的には正直に言うと、まだ、この作品のよさは、全然理解出来てない…と思います。メフィストの旋律自体は、デモーニッシュで魅力的だな、とは思うんですが、作品全体となると、なんとなく軟派な感じがして(^^;
でもまあ、こうして本人が「すっごくロマンティックな作品なんだよ!」と語っている以上、ゆっくりと…になるでしょうけど、作品と仲良くなりたい。そう願ってやまないのです。
ま、四の五の言わずに彼が歌うのを聴いたら、一発で落ちると思いますけどね
かつて、まだツンデレしまくっていた頃の私が、死ぬほど嫌がっていたエスカミーリョですら、歌うのを聞いちゃったら、簡単に落っこちた前科があるもんですから(^_^;)
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
Faust: Giuseppe Varano
Mephistopheles: Alexander Vinogradov
Marguerite: Tatiana Lisnic
Valentin: Marcin Bronikowski
Siebel: Manuela Custer
Dir. musical: Pietro Rizzo
Dir. escena: Ignacio Garcia
Orq. Simfonica de les Illes Balears
Cor de la FTP
June 26 & 28 @ Opera Teatre Principal - Mallorca,SPAIN
« 好きなオペラ歌手に関する50+αの質問 再掲のお知らせ | トップページ | ちょっと早いけど5周年です…ありがとうございます&来日予定のお知らせ^^ »
「Alexander Vinogradov (Bass)」カテゴリの記事
- 今夜です!0:05-BSプレミアムにてメータ/ベジャール第九、放送されます(^^)(2014.12.21)
- まだ気持ちの整理がつかなくて(2014.11.14)
- アレクサンダー・ヴィノグラードフ来日のお知らせ(2014.11.04)
- 2014.May Berlin & Valladolid (Spain) & Madrid(2014.07.24)
- 続・9月9日、スカラ座ツァー@ウィーン国立歌劇場でのヴェルディ・レクイエム(2011.09.13)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« 好きなオペラ歌手に関する50+αの質問 再掲のお知らせ | トップページ | ちょっと早いけど5周年です…ありがとうございます&来日予定のお知らせ^^ »
やっぱりバス歌手にとって、メフィストフェレスは避けて通れないでしょうね。
きっとやりがいがあると思います。
今後、いろんな大劇場でヴィノさんのメフィストが観られるようになるといいですね
You Tubeも拝見させていただきました。
ファウストとの二重唱、声はしてるのに姿が映らず・・で、きっとヴァラリンさんは唇をかみしめて悔しがられたのでは?
でも、だからこそ、一瞬映る姿にクラッ!ときたりするんですよね
個人的にはヴァレンティンのアリアにも反応しましたわ♪
すっかり忘れていたのですが、もう一人の王子様も来年6月にSFOでメフィストを歌うんですよ・・って、この情報はヴァラリンさんに教えていただいたんでしたっけ(笑)
投稿: 娑羅 | 2009/07/03 01:00
娑羅さん:
ありがとうございます
そう、単に邪悪なだけじゃなくって、表現するべきことがいっぱいある、やりがいのある役でしょうね。
それなのに、なんとなくピンと来てないのは、ひとえに私の趣味嗜好のせい(^^;
嬉しいことに変わりはないんですけどね。
メフィストはベルリオーズの「ファウストの劫罰」と、ボーイトの「メフィストフェーレ」もありますからね。どれも私にとっては未知の作品ですから、もし彼がこの3つのメフィストを全部歌ってくれたら、私にとってはえらく大変…ではあるけど、料理のしがいはありそうですわ(笑)
>youtube
実は最初にメフィストが入ってくるところのシルエットと歩き方が、いかにも彼!って感じで、クスクス笑ってたの(^^ゞ
映像のアップは未だに、照れます(*v.v)。
>ヴァレンティンのアリア
へへへ。やっぱりね(笑)
>もう一人の王子様
あ、そういえばそうでしたね。SFOだったら、少し遅れてでもきっと放送録音が聴けますよね。私も楽しみにしてます!!
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/07/03 21:56
おおっと、ちらりと映るメフィスト姿素敵じゃないですか? デモーニッシュなヴィノさんって予想がつかないから、ぜひとも単独音声をきいてみたいですわ。 でもおばちゃんに迫られるとこなんかは、かわいさが思い浮かんだり・・・。 私の勝手な考えでは、「ファウストの劫罰」などがすごく良いのでは、などと。 (ほんとは御大にも歌ってほしいのョ)
またまた楽しみですね。 私もまた妄想しちゃったり。(゚m゚*)
投稿: galahad | 2009/07/03 23:17
galahadさん:
も、見て下さって、ありがとうございます
インタビューからもうかがえますが、本人的には、すっごく気に入った役だそうです(笑)
>ファウストの劫罰
こっちもね、2年くらい前に話はあったんですが、他の仕事とかぶっちゃって、キャンセルしちゃったんですね。
「すっごくいい役だと思うけど」って言ってたので、機会があれば、また歌ってくれる可能性大だと思います。
なんにせよ、悪魔は私の未知なる世界。ゆっくり勉強しますわ
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/07/03 23:58
遅くなりましたが(笑)メフィスト姿、見せて&聴かせていただきました。
若々しくハンサムな風貌に、ちらりと恐ろしさが見え隠れする悪魔というイメージで、なかなか似合ってますよ(^_-)
もっとたくさん見たかったなあ…
セレナーデの哄笑も、どんな風か聞いてみたかったし(笑)
ダレカさんの高笑いは(アリア集のCDのはともかく)ライヴだと、いつもどこかぎこちなくて寒いのですが(え、聞いてない?^^;)
投稿: Nao | 2009/07/06 21:44
Naoさん:
ありがとうございます。隠れフランスオペラビイキ(笑)+ファウスト大好きのNaoさんにそう言っていただけると、ほっとしました
私はいまいち、まだこの作品の魅力がわかってないので(^_^;)
>セレナーデの哄笑
あの「ガハハ笑い」ですか?(笑)
けっこう豪快に笑い飛ばす人ですからね
先輩はまた今年、シカゴリリックでお歌いになるし、あそこならば放送があるかもしれないから、楽しみですね!!
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/07/07 10:04