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来日記念再掲:アイドルを探せ!Vol.1 ルネ・パーペ(Bs)

★2009年9月・スカラ座来日公演「ドン・カルロ」の5回全公演でのフィリッポ&NHK音楽祭ヴェルディ・レクイエムにも出演のパぺさんのことを、最初に書いたのは2005年の5月。

4年以上前に書いた古い記事ですが、今回の来日公演でのハードスケジュールにエールを送るべく&本日(9月4日)45歳のお誕生日(おとめ座)おめでとうございます&おめでたいお知らせを兼ねて、再UPしておきます

《「ルネ・パーペ」の検索でこちらに来られたファンの方へお・わ・び

ヴァラリン、以前はすっごくパペさんに対して、とんがってたの(^^;
(尤も、パペさんにだけじゃなくって、何に対してもとんがってた、小生意気なブロガーだったなぁ 今はもう、そんなことない(と自分では思う)んですけど

ええと、先輩のことはわがゴヒイキさんアレクサンドル・ヴィノグラドフ「パーペは尊敬する憧れの先輩歌手だヨ」って言うもんですから

好きな人の「尊敬する先輩」を、じゃけんにすることなんて、ヴァラリンできないワ(*vv
…い、いやそのvv、決してそれだけじゃないんですけどネ

ということで、微妙なとんがり具合…許してください(笑)

おわびに、ステキなHPをご紹介します。パペさんの検索でこのページへ辿り着いた方(こんなカビの生えそうな過去の記事はスルーして頂いて^^;)是非、↓のおうちへ足を運んでみて下さいね(^^)v

★★★René Pape private fanpage★★★

我が家の大事なお客様・お友達のNaoさん運営の、ルネ・パーペのファンサイト。この度、パーペ氏ご本人の承諾を得られましたおめでとう!!
ファン歴19年(!)の筋金入りの熱い鑑賞記が秀逸です。

+++++++++++++++++++++

《注:この記事を最初に書いたのは2005年。ということで、以下「今年」というのは2005年当時のことです。いまさら直すのも面倒なので^^; そのまんまでーす ごめんなさい》

disk-48 先日取り上げた『日本のオペラ歌手に対する記事って?』にちろっと書きましたが、あちらの記事には載っていなかったけど、現役バリバリで活躍中の、今が旬?!といえるかな?ドウカシラ・・?
そんな歌手を私の独断と偏見で取り上げて行こうと思います。

でもそんなに沢山は知らないので(^^;あんまり期待しないで下さい。

一応、数少ない実演体験のなかで、印象に残った歌手を中心に、ほんの数名挙げて行く予定です。

第一回はルネ・パーペ(Rene Pape:1964.09.04生まれ おとめ座

実は、決して好き!という歌手ではないんですが(パーペファンの方、ごめんなさい^^;)何となく動向が気になるのが、ルネ・パーペ(Bs)です。

René Pape private fanpage...owner and editor,my friend, Nao

ドレスデン聖十字架教会合唱団出身という経歴が目を引き(私が好きなテオ・アダムやペーター・シュライヤーの後輩にあたるわけですね)期待のドイツ人若手美声バス歌手ということで、何となくチェックしていました。
初めて見たのは、'99バレンボイム指揮・ベルリン国立歌劇場ライブ映像の『フィガロの結婚』だったと思います。

割と固めの声で、ちょっととんがったような歌い口は、辛口系のフィガロで、それなりに好感が持てました。
どちらかというと、美声というよりも表現で押していくタイプに思えました。

そんな彼に思いがけず実演で当たったのが、昨年夏のベルリン国立歌劇場での『ドン・カルロ』フィリッポ役でした。
この時私は、ベルリン国立歌劇場初体験だったのですが、この劇場が予想以上に小さめの建物だということに、ちょっとびっくりしていました。
座席数は1400あまりだそうですが、とっても小さく感じるのです。

『これなら、歌手の声は聴こえやすいわけだわ・・』と思ったものです。実際、今まで行った劇場の中では、少し硬めに響いては来ますけど、音響はとてもよいと感じました。

実はパーペ氏、ベルリン国立歌劇場では看板バス歌手で、とっても人気があるんですよね。カーテンコールでの拍手は凄かったなぁ(@。@;
目の前に座っていたイギリス人のオバサマが『とっても素敵!』とうっとりしていらっしゃったんですが、実演で聴いてもやっぱり『声量』というよりは、表現と演技力で押していくタイプだなぁと思ったものです。
このくらいの大きさのオペラハウスに向いているんじゃないかしら・・と感じました。

この時のフィリッポの役作りは陰険そのもので、結構それが素敵ではあったんですけどね。(でも惚れなかったんだな、何故か^^;)

最近はそのベルリン国立と合わせて、メトロポリタンへの出演も多いようですね。
私が見たメトロポリタンの映像では『トリスタンとイゾルデ』マルケ王と 『マイスタージンガー』ポーグナー親方でしたが

・・うーん、かなり無理して歌っている気がするなぁ・・と感じたのは私だけかしら・・特に『マイスタージンガー』では、周りの歌手に負けまいとして、怒鳴っているようにも聴こえます・・
今年の4月にはメトロポリタンで『ファウスト』のメフィストフェレス役にチャレンジし、なかなか評判はよかったようですが・・

それはさておき、後になって気がついたのですが、’97ベルリン国立来日公演の『魔笛』映像に、実は弁者としてこっそり?出演していたではありませんか!!
で、驚いたのがこの頃は、かなり丸々していたんですね(^^;
ダイエットしたんでしょうか・・?
しかし、とてもたっぷりとした『美声』に感じました。低音もよく響いているし、これなら、確かに『美声の若手バス歌手』として納得が行くものでした。

というわけで、もーしーかーしーたーら、度重なるメトロポリタンへの出演で、ちょっと無理しているんじゃないのかな?とか、余計なことをつい考えてしまう私でした。

そのパーペ氏、今年12月には本拠地?ベルリン国立歌劇場で、バレンボイム指揮・新演出の『ボリス・ゴドゥノフ』のタイトルロールに挑戦するそうですよ!
『ボリス』と言えば、バスの大きな役の一つですよね。
以前はドイツ語圏での『ボリス』上演はドイツ語でしたけど、今の時代、当然ロシア語での挑戦になるかと思いますが、どうなんでしょう?楽しみです・・ → その《ボリス・ゴドゥノフ@リンデン》…2005年の12月に2回観ました。懐かしいです(笑)

で…ファンの方、すみませんm(__)m タイトルロールのパペさんではなく、準主役の老僧ピーメンに熱く、思いっきり特化したレポはこ・ち・ら

《2005年9月15日追記》
フンメルさんが、9月11日に上演された、ベルリン国立歌劇場での「パルジファル」について詳しいレポートを書いていらっしゃいます。グルネマンツ、よかったそうです!

《関連記事》
・日本のオペラ歌手に対する記事って?
・日本のオペラ歌手に対する記事って? 追記
・ベルリン国立歌劇場 2005−2006シーズン日程
・アイドルを探せ!Vol.2 アレクサンドル・ヴィノグラドフ(Bs)
・アイドルを探せ!Vol.3 ローマン・トレーケル(Br)
・アイドルを探せ!Vol.4 ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(Bs-Br)

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アイドルを探せ!」カテゴリの記事

コメント

ルネ・パーペ、いきなり大物登場ですね!
>ベルリン国立歌劇場では看板バス歌手で・・・
バレンボイムからの信頼も厚く、ベルリンでの人気は高いですね。彼が歌うだけで、まわりの緊張感が変わるというか。シュトルックマンに近い“存在感”をもつ歌手だと思います。
>(でも惚れなかったんだな、何故か^^;)
あのフィリッポの冷血ぶりはすごかったですね。あれでは惚れようがないでしょうか。(^_^)
>新演出の『ボリス・ゴドゥノフ』のタイトルロール・・・
これ楽しみです。

ネット情報では、1964.09.04- [ドイツ]1974-81 少年合唱団のメンバーで、日本にも来たことがあるとか。

いよいよ始まりましたね、「アイドルを探せ」!
パーペさん、私はショルティ新盤『マイスタージンガー』のポーグナーと、どちらもバレンボイム指揮の『タンホイザー』(ヘルマン)『ローエングリン』(ハインリッヒ)で聴きましたが、いずれも好印象を受けました。
ヴァランシエンヌさんやフンメルさんが体験されたフィリッポ、私も聴いてみたかったなあ……。

MET歌劇場は大きいそうですからね……。(^^; 歌劇場はそんなにビッグサイズでなくてもよいのでは、と思う時があります。

ボリスですか!今ではドイツでもやはり原語上演……なのでしょうね。
どんなボリスになるのか、気になります。

えうりでぃちぇさん、彼もまた少年合唱団の出身だったのですか!ご教示ありがとうございます!

フンメルさんは、あのフィリッポ以外でパーペを実際にお聴きになったことはありますか??
そういえば、シュトルックマンって私、CDも映像でも当たったことがないんですよね。何年か前に国立歌劇場が『リング』で来日した時に、ヴォータンを歌ったのは確か彼だったと思いますが、値段が・・;手が出ませんでした(><;

edcさん、フォローありがとうございますm(__)m 少年合唱団時代の来日がお初だったとは(笑)

ユルシュールさん、私も
>歌劇場はそんなにビッグサイズでなくてもよいのでは、と思う時があります。
に同感です。でもアメリカの劇場は、概して大きいですね・・メトは座席数4000弱ですし、シカゴリリックも3500ですから。
歌う側も大変でしょうけど、見る方も遠くの席だと、何が何だかわかんない状態(ーー;でしょうね・・

>新演出のボリス
まだ国立歌劇場の来シーズンの予定が出ていないので、確かなことはわからないのですけど、多分ロシア語上演だと思います。私はさる個人的な思い入れにより、ロシア語上演をつよーく希望しているんだけど・・(笑)←うふふ。。意味深な笑い・・
はっきり書けばぁ?!ってところですが、もうちょっと黙っていようっと(笑)

この新演出ロシア語上演について、フンメルさん、どう思いますかぁ??

おお、パーペさん。生では機会がなくてまだ聞けていませんが、映像でならケント・ナガノ指揮ベルリン国立歌劇場でのガラコンサートで、レポレッロのアリアを歌っているのを見ました。オペラ歌手としては珍しい(?)シャープでワイルドな魅力があると思います。2005年4月号の「Opera News」の表紙では、ジーンズ、革ジャンにサングラスでポーズとってましたよね。背も高くてがっしりしているので、危うくプロレスラーかと(笑)

>表現と演技力で押していくタイプ
私の見た映像でも歌詞に合わせて顔の表情がころころ変わって、観ていてとても楽しかったです。勿論、大喝采でした。

>メトは座席数4000弱
映像で見るたびに大きいよな~とは思ってましたけど、数字で考えると改めて驚きます。ヨーロッパの歌劇場は人間の限界を超えないサイズだと思いますけど、アメリカは歌手の皆さん大変ですね!観客にとっても豆粒のような歌手では…キャラを混同してストーリーについて行けなくなりそうです。

Sardanapalusさんも《OperaNews》ご覧になったんですね。私は立ち読み(立ち眺めの方が正しい・・)したんですが、表紙の写真が一番垢抜けていた気がしました(^^;

確かにがっしりしてて、舞台栄えする体型ですね。
どんな歌手でもそうかも・・ですけど、この人は特に、実演を見るのが一番いい気がします・・それも、シリアスな役柄のほうがいいと思います。
映像だと、今ひとつ魅力が伝わりにくいです・・私には(笑)

イギリスへはあまり行かないのかな?公式サイトの予定を見ても、来シーズンのコヴェントガーデンへの出演はなさそうですね・・

>>メトは座席数4000弱
>映像で見るたびに大きいよな〜とは思ってましたけど、数字で考えると改めて驚きます。

そうですね。在米中に一度は行かなきゃね、と思っているのですが、なかなか足が向きません。
日帰りできる距離ではないという問題もあるのですけどね(^^;

>何年か前に国立歌劇場が『リング』で来日した時に、ヴォータンを歌ったのは確か彼だったと思いますが・・・
シュトルックマンは現在最高のヴォータン歌手かもしれません(と、勝手に思っています(^^;)。彼が歌うとバレンボイムの気合の入り方が違うんですよね。当時のリンクでは、パーぺは、ラインの黄金のファーゾルトや、ヴァルキューレのフンディング。脇役ではありましたが、すでに存在感充分で好評を博してました。(もっとも私はジークフリートしか観てないんですけどね。)
>2005年4月号の「Opera News」の表紙では、・・・
その写真とは違いますが、STAATSOPERの月間プログラムVIVACEで、工事現場の立ち入り禁止標識の前(笑)でポーズをとっている写真が載ってました。兎に角レパートリーをどんどんと広げて色々なキャラクターを自分自身で勉強して身につけている最中で、歌うことが趣味であり、歓びだとか。その楽観的な考えと、世界中どこでも自宅のようにくつろげるというふてぶてしさが自身の強みだそうです。今春のFESTTAGEでのグルネマンツについては聞いてませんが、以前のマルケ王はすごく高い評価でした。今が旬の歌手には間違いなく、「アイドルを探せ」第一号に選ばれたのはさすがです。
P.S.でもヴァラリンさん好みではないようですね。顔が悪役すぎますか?(^^;

>レパートリーをどんどんと広げて色々なキャラクターを自分自身で勉強して身につけている最中

これは、Operanews のインタビューでもそう答えていますね。
将来的にはヴォータンやザックスも視野に入れているみたいですしね。
グルネマンツはその伏線・・かな?
年末のボリスも、素直に楽しみにしてますよ(笑)
ロシア語、大丈夫なのかしら??(←ヨケイナお世話と思いつつ)と思ったんですが、彼はドレスデン出身ということで、恐らく第一外国語がロシア語だった世代ですよね。

>でもヴァラリンさん好みではないようですね。顔が悪役すぎますか?(^^;

つまり、ソウイウコトカモシレナイ・・(^o^ゞ

やっぱり、バレバレですかぁ・・書き方に「愛」が足りなかったですか?^^;
でもこのくらいの思い入れの歌手の方が、客観的に書くことができて、ちょうどいいのかもしれません(^^;

思い入れが強すぎると、感傷的に走ってしまいそうで・・
これからこのシリーズで挙げていく歌手の中に、ひとりだけそういう人が混じるはずですから(^^;;;

でもパーペ氏が芸的にも、年齢的にも今が「旬」という意味では、フンメルさんのご指摘に同感です。
何故日本であまり取り上げられてないのかが不思議です・・来日も結構多いみたいですけど。

来年はメトの来日に参加するんじゃなかったかしら?

ヴァラリンさん、わざわざ再UPと拙宅のお知らせにスペースをさいてくださってありがとうございます
そして、乙女座男子wパーペの誕生日も祝ってくれてありがとう

それにしても、今になってこの記事に初めてコメントさせていただくことがとても嬉しいし、感慨深いです。
この記事が掲載された当時は、私も「ルネ・パーペ」検索で訪れた読者の1人でした(^^ゞ「パーペに対して微妙にとんがってる(笑)けどなぜか嫌じゃないし面白いな。それにパーペをよく観察してらっしゃるな」と、内心ニヤニヤしながらこっそりROMしていた頃から、もう4年以上経つんですねえ…

熱い鑑賞記少しずつ増やせるように頑張ります。
これからもよろしくお願いします

この記事、御大のこと知りたいと思っているひとにとってすごく有益だと思います。 観察も鋭い!
>好きじゃないけど何となく動向が気になる
っていうのはけっこうちまたで聞いていたことです。
もう、ヴァラリンさんたら正直ものなんだからっ

私も、今回読み直して改めてコメントさせていただきたく。

たしかに声変わってきてますよねえ。90年代の方が、美声と呼ばれるに相応しい(まあ私は今でも充分だと思ってるんですけども、あえて比較するとですよ)、初聴きのときに、より多くの人に美声と思われやすい、分かりやすい特性の声だったと思います。

あととんがってると仰ってますけど、そのときそう感じたんだからいいんじゃないかと。こういう評価が出るのは、その人がムズムズっとさせられたからですし、単品で見ると悪くないけど評価が高過ぎて納得出来ないといった要素もあるかもしれませんし、ある意味ベタ誉めより読み応えがあって私は好きです。

Naoさん:

改めて、おめでとうございます
ちょうど来日公演の時期に差し掛かったので、タイミング的にもバッチリでしたね。

>内心ニヤニヤしながらこっそりROMしていた頃

ははは(笑)
Mixiのコミュ経由でNaoさんのことを知った時には
「うっわ~~~、こんな濃いファンがいるなんて、私のあの付け焼刃の紹介記事、読まれていたらどうしようーー;」と、青くなったものです
やはり、こーいう紹介記事は、ファンが書くべきものだと思います。

もちろん私も、はなっから興味を持てなければ、取り上げることもしませんでしたし、先輩は何と言っても私の初リンデンで、強烈な印象を与えてくれた舞台の一翼を担っていた方ですし、
あの舞台に出会ってなければ、その半年後にまたリンデンへ行こうとは思わなかったですし。

お陰で(てっきり先輩が出てくるもんだと思っていた^^;)半年後のリンデンで、私はかけがえのない出会いを得ることができましたし、
しかもその歌手の憧れの先輩歌手はルネ・パーペ…ということで、縁が深いんでしょうね。
そういう広い意味では、先輩のふぁん(笑)と言えるのかも。

こちらこそ、今後ともよろしくお世話して下さい(笑)
来日公演のレポも、楽しみにしてます。

galahadさん:

>御大のこと知りたいと思っているひとにとってすごく有益

そ、そおですかぁ?^^;
でもやっぱり、もうカビ気味ですわ。だって「ボリス」も「ファウスト」もまだ歌う前に書いたものですもん。情報は日進月歩…あな恐ろし。
乗り遅れないようにしないと

>>好きじゃないけど何となく動向が気になる
>っていうのはけっこうちまたで聞いていたことです。

なるほどね。しかも同じ声域歌手のファンだと、レパートリーの確認もできるもんですから。
「ふ~~ん、じゃ、御大くらいの年齢になったら、こーいうの歌ってくれるのかなぁvv」とかってね
(ちなみに、御大とわがゴヒイキさんは、ちょうど一回り違いです。辰年なのよねん)

starboardさん:

こうしてパーペファンの方々から、暖かいコメントを頂けるのは嬉しいですね。
(いまだにこの記事、グーグルで「ルネ・パーペ」と検索すると、相当上位に来るはずですので)

>とんがってる

少し主旨からズレますが、オペラを観る、聴く…ということは、作品を通して人間を観る、聴く、それによって自分の内面や趣味嗜好と向き合うことだと私は思っています。
ですので、そこに関わる方たちに対して、好き嫌い、生理的に受け付ける、受け付けない…という感情が沸くのは、ごく当たり前のことでもあると思うのです。

だからこそ私は、特に歌手に対して批評する時には、相手に対する敬意は失ってはいけないと思ってます。
それを持つことができない場合(つまり、どうにも受け付けないの、という場合)は、書かない、もしくはやんわり、論点をあいまいにする…ように努めてます。

この記事を書いた頃は、それが出来てなかった。「ちょっと知名度があるからって、何よもう、少し貶しちゃえ」みたいな、意地悪な気持ちがあったことは否定できません。
そこが私の言う「とんがっていた」ということです。

今の私の方向性は「事なかれ主義」みたいで面白くない!と感じる方もいると思いますが、今はもう(特に歌手のパフォーマンス以外の部分で)色々議論することに対して、全く魅力を感じないのです。

私のゴヒイキさんのことも「ヴィノさんは、熱唱すると眉尻が下がって情けない顔になるの」とか「アクションがもたつくのよね」とか、必ずしもべた褒めばかりしているわけではなく(笑) けっこう言いたい放題だったりするのですが、
それでも、彼に対する敬意と感謝の気持ちは失ってないと、断言できます。これだけは、自信を持って言えることです。

>「ヴィノさんは、熱唱すると眉尻が下がって情けない顔になるの」「アクションがもたつくのよね」

ベタ褒めどころか、もはやノロケにしか聞こえません。

あんなblogを展開している私でさえ、ヴァランシエンヌさんが書かれたようなことを感じることがあるので、まあいいんじゃないかと。でも、もはや教えてもらえないかもしれませんが、どうして受け付けない(なかった)のか聞いてみたい気もします。顔って言われたらニヤニヤします(困ったファンですね)。

starboardさん:

>どうして受け付けない(なかった)のか

それは、説明が難しいですf(^^; 

あえて言うと、パーペの声質が(私には)明るすぎるのと、よくstarboardさんがブログで書いていらっしゃるように「ルネ・パーペはどんな時もルネ・パーペだ」という、彼の、いつでも感情を思い切り吐き出すような、覇気りんりんの全力投球の表現が、私には濃すぎるのかな…と思います。
私のゴヒイキさんとは、同じ声域(声自体はヴィノグラドフの方が深くて低いです)で、一部レパートリーも被っているとはいえ、全く正反対の表現&声質なので。

ある声に対して特別な感情が湧き、その声を好きだと感じて、時には涙腺を刺激され、時には魂を揺さぶられて煽られ、でも幸せよ、というような様々な感情を丹念に見つめながら、
自らの中で育み、そんな感情を持つ自分と彼自身を愛しく感じることは出来ても、
そうじゃない気持ちに関しては、私はそこまで貪欲に探求する労力は持ち合わせてませんから。

一人として同じ声を持つ歌手はいませんし、キャリアの進め方もそれぞれです。
私はプロの批評家ではありませんから、どっちが優れているとかいないという二者択一の判断ではなく、
それぞれの歌手の個性だと認めた上で、その個性を愛でる聴き手も、千差万別、いろんな選択肢があるんだよ…
ということを、このブログやヴィノグラドフのファンサイトを通してお伝えできれば、それで充分です。

言いにくいことを、どうも有難うございました。たいへん興味深く拝読しました。

私は人間の感覚に興味があります。自分のblogも、主役はやはり私がどう感じるかです(派生情報の方がウケるので、ついそっちに流れがちであります)。同様に他人の感覚にも興味があるので、書き手さんが歌手や音楽を評価するといったスタンスではなく、受け手としての自分の感覚を意識して語ってくれると(私の興味という観点からは)嬉しいところです。

このやりとりには思わぬ収穫がありました。一人満足して、ヴァラシエンヌさんには色々言いにくいことに付き合わせちゃってすみません。

この記事へのコメントは終了しました。

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