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再アップ:煽られる…(ショスタコーヴィチ・道化の歌)

★2009年11月5日:Youtubeに再生リストをアップしました。
この作品のノート 
その1 その2 その3 (日本語の歌詞対訳付きです)

「ロシアものに馴染んでみましょうキャンペーン(←は?)」の一環です^^;

3年以上前の記事ですが(^^; 私の中では「バビ・ヤール」と深くカンケイ している作品。殆ど聴く機会がない作品かと思いますので、Youtubeに放送音源をアップしてみました。

一分前後の短い曲を10個合わせてチクルスとしている作品ですので、ぜひ続けて再生リストからお聴きになって下さると嬉しいですが、
一曲ずつちょん切ってアップしてありますから、お気に召したものを選んで聴いて頂いても

この作品のノート その1 その2 その3 (日本語の歌詞対訳付きです)にも目を通して頂けると、嬉しいです

アレクサンドル・ヴィノグラドフが出演した2006年2月17日のコンサート@ロンドンのプログラムでは、多くの方に馴染みがあるということで、我が家ではモーツァルトのアリアを中心に取り上げておりましたが、もうお一方の作曲家・ショスタコーヴィチからのプログラムも、大変魅力的でした。

特に、ショスタコーヴィッチ「リア王」から《道化の歌》が入っていたのは、私にとっては本当に嬉しいプレゼントでした。

これは、私自身は聴くのは初めてでしたが、彼にとっては、学生時代に出場したコンクールやら、デビュー間もない頃にも小さいコンサートなどで、ちょこちょこ歌っている為、恐らく10年近く歌い込んできていると推測されます。

内容は大部分が格言?警句…だそうです。
(ああ…「リア王」ちゃんと読むか観るか、しないといけませんねぇ…)但し、音楽はいたって馴染みやすいというか、そう!いきなりジングルベルのメロディーが!!

2005年の年末に実演で聴いたピーメン@《ボリス・ゴドゥノフ》の時にも、ちらっと感じたことですが、ロシア語(=母国語)の歌の時には、特に厳しい、ストイックな表現に徹しているように感じます。
ロシア語という言語の特性なのかもしれませんが、甘いところは極力見せない、端正さと生真面目さが勝っているとでも言うのか…

かと言って、とっつきにくいわけではないのです。

道化だからそうなんでしょ!と言われればそれまでですが、時折見せるユーモアとウィットが、彼の魅力の一つでもあるかな、なんて思っているのですが…

セリフの部分は歌うように、歌の部分は語るように。
私がオペラや歌曲を聴く時に、理想としていることでもありますけど、まさに格言を「しゃべって歌う」…道化そのものに感じます。これは、軽薄という意味ではなく、彼の知性を感じさせる確かな感情表現の裏づけがあってのことだと確信しています。

勿論、歌詞の内容は全く理解していないのですが、彼の声とノドにかかる歌い方は、このメロディーに本当によく合っていると思います。

彼が表現しようとしていること、私がちゃんと理解できているのか甚だ心配ではあるんですけど、まぁ聴いていて思考停止状態になるほど耽溺しちゃっているんですから「お願い、許して…」という感じかなぁ?^^;

特に最終部分の2曲は、オケもだんだん高揚してくるんですけど、この部分、大音量で聴くのが、気分を煽られて、たまらなく良いです。モーツァルトのアリアも、そりゃもう私にとってはめちゃくちゃ魅力的ですけど、どっちか一つしか選べないよ!どうする?!と言われたら、こっちを選ぶかな。
内容は全くわからなくても、耽溺度はこっちの方が上だろうなぁ…

ロシアオペラのバスの諸役は、ヘビーな声を求められるものが多い為、まだあまり集中したくはないとのことで、今のところロシア物では、歌曲を中心にレパートリーを選んでいるようですけど(叙情的な旋律が多いピーメンは、そのロシアのバス役としては、彼の声に適した役だと私は思っています)ショスタコーヴィッチを始め、ロシア歌曲は是非、色々やって欲しいと思ってます。

それと、オケのみのプログラム・Jazz Suite 1(ジャズ組曲)とHypothetically Murdered(条件付の死者)も、本当に洒落ていて魅力的でした。そうそう、アンコールは「二人でお茶を」だったんですね(^^;

歌曲に限らずもっとショスタコーヴィチ、色々聴いてみたくなりました(^^ ハマりそう…

最後になりましたが、指揮者のユロフスキ氏とオケ、そしてヴィノグラドフとのコンビネーションも良かったと思います。ユロフスキ氏、まだ30代前半だそうですから、年齢的にも近いヴィノグラドフとの共演の機会は今後も多そうですね。

この人の指揮でヴィノグラドフの歌うボリス@ピーメンを是非、聴いてみたいです

********************************

★えー、またこのコンサートのネタぁ?ヴァランシエンヌさん、本当に引越の準備は進んでいるんですか?!と、突っ込みが入りそうですが…いやその、もう耽溺しきっている+面倒なことは先送りしたいという、気持ちの揺れが、現実逃避に走っているみたいで…あーん、面倒なの、イヤ!!

★日本に帰ったら、英語・ドイツ語と平行して4月からN●Kのロシア語講座で勉強しようかなぁって、真面目に思ってます(ホントか?!)なんてったって、好きな人の母国語ですものo(@^-^@)o やる気だけは満々ですが、どこまでできることやら…

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バビ・ヤール(ショスタコーヴィチ交響曲第13番)鑑賞プロジェクト」カテゴリの記事

コメント

聞きました。
ヴィノグラドフとてもよかったですね。ショスタコーヴィチでは思わずシューベルトやブラームスを聞いてみたくなる声質・歌い方と思いました。
「フィガロの結婚」と「バスティアンとバスティエンヌ」も良かったですね。ヴァランシエンヌさんもおっしゃるように「ドン・ジョヴァンニ」はそれにくらべると、今一歩でしょうか。例えば音楽的にとても清潔でいながら闊達さも欠けてないヴァン・ダムの名唱などと比べると、やはり若さは否めないのかも。

TAROさん(^^!

うわーっ、女子フィギュアで盛り上がっている中、聴いて下さったんですね(^^!
ありがとうございますm(__)m
しつこく宣伝した甲斐がありました。
(引越ToDoリスト作りながら、また放送を聴いている私…^^;)

>シューベルトやブラームスを聞いてみたくなる声質・歌い方と思いました。

きゃーっ、TAROさんにそう仰って頂けるとは!!嬉しい~~
(男性、つまり彼にとっての同性に誉めて頂けるのは、本当に嬉しいんですよ^^!)

本人も「歌曲にはもっと打ち込みたい」と言ってますし、色々やって欲しいなぁと思います。

>モーツァルトのアリア

フィガロは既にレパートリーにして、舞台でも何度か歌っていますから、彼なりの呼吸が掴めているんでしょうね。

カタログの歌は、音楽的にも難易度の高いアリアですしね。今回のコンサートが初めて…ですし、仰る通りだと思います。今後の課題でしょうね。

声域的に結構近いと思われる、ヴァン・ダムは今回音声クリップを作るために、2つのアリア、改めて聴き直してみましたけど、どちらも崩れる所がないですし、改めて素晴らしいと思いました。

これで今日は安心して?!引越作業が捗りそうです(*^_^*)
本当に、ありがとうございました!!

ズドラストビ(←カタカナ)ヴァラリンさん。ロシア語ですかー、頑張って~♪

りょーさん:

うっ(^^;気分が高揚した勢いで書いてしまいましたけど、どれも中途半端になりそうで(^^;
まぁ気長に頑張りましょう♪

嬉しかったです馴染みとかをショスタコーヴィッチしなかった。


私も最近ショスタコーヴィチ気になってます(^^)今日も安売りの再販CDを勝ってしまいました~。このコンサートも録音しておけばよかったかな、とちょっと後悔してます。

ところで
>嬉しかったです馴染みとかをショスタコーヴィッチしなかった
わっはっは(^_^)さすがブレーチェン、しかしどういう意味でしょう?う~ん、とりあえず、私はショスタコーヴィチしたくはないかも…興味はあっても、ね♪

サルダナさん:

>私も最近ショスタコーヴィチ気になってます(^^)

ん?!最近キーンリさんって、何かショスタコーヴィッチを歌ってましたっけ?^^;
(そういう不純な動機で聴くのは私だけか^^;)

>ブレーチェン

ねー、もう何なのよー、この子は…(^_^;)
ある意味、飼い主のアホぶりにうまく呼応している証拠かもしれないけど…

>ん?!最近キーンリさんって、何かショスタコーヴィッチを歌ってましたっけ?^^;
いえいえ、歌ってません(笑)そういう動機のときも勿論ありますが、今回は普通にアニバーサリー・イヤーだから名前を目にすることが多いというのが理由ですよ~。

サルダナさん:

>アニバーサリー・イヤー

そうでした(^^;だからこのコンサートも企画されたんだったわ…

いかに私がいい加減だということが、バレバレ…
これじゃブレーチェンがまともに育たないのも、無理ないかしら?^^;

げ、道化の歌カッコいい! これはロシア語がわかるといいなと思いますね。 リア王の道化はこのくらいのストイックな表現が合っているといると私は思います。 ヴィノさんの声が今より少し軽快だ。 ユーロフスキのオケ伴がまたいいですよね、素敵なものを聴かせてくださってありがとうございます。 
ロシア歌曲に傾倒してってどうする私?

galahadさん:

わ~~!この地味な(笑)作品を愛でて下さって、ありがとうございます
ね~~カッコいいでしょ?もう、これを聴いた3年半前から、バビ・ヤールはずっと聴きたかったんですよぉ。「絶対、彼の声&芸風に合ってる!」ってね。

>ロシア語がわかると

そうなんです。そして、この時から私の「口ばっかりロシア語頑張ります」宣言も始まったんざますの

>ロシア歌曲に傾倒してってどうする私?

大歓迎ですよん
御大もほら、ムソルグスキーの「死の歌と踊り」歌うんですし
(ヴィノさんも歌ったことあるんですよ~~「バビ・ヤール」の宿願を叶えた今、一番聴きたいロシア物は「死の歌と踊り」かもしれないわ

ヴァランシエンヌさま>

充実した「キャンペーン」ありがとうございます!
当業界の不景気を吹き飛ばす効果がありますよーに。なーんてことは抜きにしても、ロシア芸術に親近感を持つ方が一人でも増えてくだされば、当方はマジでうれしいです!

わたし的にはヴィノグラドフ氏にはホヴァンシチナのドシフェイもお似合いかなぁ、と。ちょっとピーメンと似た感じの「慈愛」系の役柄なんですよ。そのほか、ロシアオペラには他言語のオペラにない「色男系」のバスバリトン(バッソカンタンテ)も多いし、歌曲にオペラに、将来楽しみですね!

旧名Sashaより

Shuraさん:

こちらこそ、お呼び立てしてすみません

>ロシア芸術に親近感を持つ方が

「道化の歌」は、以前からYTにアップしていた、モーツァルトのアリアと抱き合わせで演奏されたものでしたが、私は好きだけど、一般的にはどうだろう???と、お蔵入りさせていたのですね。

ショスタコーヴィチは、バスの為の声楽曲を色々作曲してますが、殆ど知られてないですもんね。そういう意味での、資料的価値も高いかも…と思って、思い切ってUPしてみました。

ヴィノグラドフ云々も勿論なんですが、このような作品に、少しでも興味を持って下さる方が増えてくると、嬉しいんですが…

>ホヴァンシチナのドシフェイ

おお!だんだんロシア物のレパートリーも増えてきましたし(「皇帝の花嫁」のSkuratovも、数年以内に歌う予定になってます)覚えておきますね( ..)φメモメモ

遅ればせながら、ようやく聴かせていただきました
なかなか面白い曲ですね。ジングルベルとの関係が書かれたページも拝見しました。
やはり、ショスタコーヴィッチがジングルベルを拝借した・・というのが正しいんでしょうね。

うふふ、道化と言えどもヴィノさんが歌うと“真面目な優しい道化さん”って感じですね
演奏って、その人の性格とか人間性とかが垣間見えるんですよねー♪

10曲目のファイルで、ショスタコーヴィッチのお顔が出てきた途端、モスクワでショスタコのお墓を見てきたことを思い出しました。
去年バレエ「明るい小川」で使われていた音楽もすごく楽しかったし、意外と親しみやすい音楽だったりしますよね。

娑羅さん:

聴いて頂いて、ありがとうございます
なかなかユニークな作品だと思います。
今回は彼のプロモーションというよりも、この作品はCDすら殆どないし…という資料的希少価値に重きを置いたので、味もそっ気もないビデオなんですわ(^_^;)
(多分、YTにも他の演奏家のものは、上がってないと思うので)

で「ああそうそう、ショスタコーヴィチの写真も入れておかなくちゃ」と思って(笑)最後の最後に入れてみたの

>演奏って、その人の性格とか人間性とかが垣間見えるんですよねー♪

そうそう。だから聴き手の方も、おのずと好みに合った歌い手を愛でているのですよ。

>意外と親しみやすい音楽

そうなんですよ。また改めて書きますが、あの派手な金管や弦楽器の使い方が、生理的に受け付けないという場合はともかく、
出来れば先入観なしで、色々聴いて頂きたいです。
かくいう私も、声楽曲以外では、交響曲すら、まだ全部は聴けていないのですけど(^_^;)

これは初めて聴かせていただきました。
4年近く前ですか?声質が今より明るい

聴きながら「あ、同じ路線だ」と思い出したのは、今年のモスクワ・リサイタルの放送で聴かせてもらったラフマニノフの歌曲…「運命」でしたっけ。
あの時も、辛口で少し皮肉の効いた表現がハマっていると思いました。

パーペも歌曲に力を入れているので、(話せないけど読めるらしい)ロシア語の歌曲のレパートリーもいずれ増えていくかも(笑)
私もドイツリートだけでなく色々勉強しないと

Naoさん:

も、聴いて下さって、ありがとうございます
そう、もう4年近く前ですね。リンデンでの「ボリス」の直後で、私がアメリカから帰国する寸前の頃ですからねぇ。早いなぁ…

>声質が今より明るい

ホントね(笑)
いっときは狂ったように聴きまくっていたんですけど、久しぶりに取り出してきて、懐かしかったですよ。
確かにこの頃の声では、
この前13番で聴かせてくれた凄味は、まだ出せなかったかもしれない、やっぱり、今くらいの声にならないと難しかったんだと思いました。表現の方向性は同じなんですけどね。

仰るように、ラフマニノフの「運命」(これも早く、クリップ作りたいんですが)も同系統の曲調&表現でしたから、基本的にこーいう作品の時は、皮肉っぽい辛口&渋くてストイックな表現に徹しているんだと思います。
(意外とね、あま~いラブソングは×なんですわ^^;真面目さんだからかな(笑))

その検証をしたくて、大慌てでクリップ作ったようなもんなんですが(笑)
YTに上げておくと、色んな人に聴いて頂ける可能性も広がるし、自分でもPC繋いでいる時に、気軽に聴けるのが嬉しいですね。

>パーペも歌曲に力を入れているので

先輩の場合は、あんがいチャイコのあま~いラブソングが、しっくり来るかもしれません。なんてったって、リサイタルで「詩人の恋」ですからねぇ(^~^++!

(後輩のモスクワリサイタルは、第一曲がいきなりブラームスの「墓場にて」だもんね

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