091008 ショスタコーヴィチ 交響曲第13番《バビ・ヤール》op.113@コンツェルトハウス・ベルリン(二回目)
ショスタコーヴィチの交響曲第13番《バビ・ヤール》は、決して泣けるような曲ではないし、予習で色々聴き比べをしても、煽られる曲調によって、感情を揺さぶられ、ぼーっとした状態にはなるけれども、涙を流すことはありませんでした。でも多分私は、この曲を彼の声で聴いたら、大泣きするだろう…と思ってました。
尤も、一日目のフィルハーモニアでは、うるっとする瞬間(第3楽章の終りの部分)はあれども、心配したほどでもなく。凄まじい曲調に圧倒はされたんですけどね。
今回のチケットを買う時に
「最近はケチって(^^;複数回聴くチャンスがある時には上の階の席とか、後ろの方で聴くことが多くなってきたけど、一年に一度ぐらいは、双眼鏡いらずの至近距離で聴きたいし~~~どっちかでは、前の方で聴きたいな」
と思って色々考えた末、大型ホールのフィルハーモニアの席を2階席にして、コンツェルトハウスの方では一階前の方…という今回の選択は、大当たりでした。
ある意味「とりあえず"サワリ"ね」と割り切ったフィルハーモニアでは、日本語対訳も持参して、ところどころ歌詞と歌の流れをチェックしたり…という作業もこっそりしましたし
(でも途中からやっぱり、どうでもよくなっちゃったんですけどね^^;やはり、歌詞と歌の突き合わせは、ヘッドホンで音だけ聴いている時に実行するに限ります^^;)
あの、良すぎるほどの音響空間は、その瞬間には「ああ、いい音響だわ」と感じましたが、幾分人工的な感じもあったように思います。
とんがり感の強いシュターツカペレ&この作品、そして独唱者のヴィノグラドフのキャラクターとも、そぐわない感じがしました。これは単に、私の席の位置だけの問題ではないと思います。
初日の感想がなんとなく「ぬるい」のには、そういう理由もあったのです。
さてそのコンツェルトハウス・ベルリン。座席数が一階席が約700席、三階席まで含めても1,400席程度の、こじんまりしたホールです。こちらもフィルハーモニア同様、建物の前は何度も通っていたんですが、中に入ったのは初めて。内装はなんとなく、リンデンに近いような感じで、舞台と観客席の間は、目で見ても、とても近い。この会場での席を前にして、本当に良かった…と思いました。「絶対に今夜は、素晴らしい演奏になるに違いない」と、確信が持てました。
この日の席は、一階席の前から8列目のど真ん中。ヴィノグラドフが使うであろう譜面台は、数メートルの距離こそあれども、まさに私の真正面(^^;
前の席のおじい様の座高が高くて、ちょっと見づらい時もありましたけど、彼の声をダイレクトに浴びるには、うってつけの位置でした。
前日同様、先にクレーメルのバイオリン協奏曲が演奏されました。彼もやはり、この日の方がノッていたと思います。11月には来日なさっていたようでしたが、鬼才ギドンの演奏を、2晩続けて(しかもお手頃な値段で)聴けたんですものね。これも貴重な体験でした。
そして休憩を挟んで、いよいよ再び13番。着席して演奏者が出てくるのを待っていたら、急にこみ上げてきて…
「えっ?ちょ、ちょっと待って、まだ始まってないって^^;」と心の中でセルフ突っ込みを入れつつ、彼が出てきた瞬間
「2回あるから…と思ってたけど、今日が最後なのよね…」と急にウルウル。
ダメじゃん、ちゃんと聴かなきゃ~~と、きゅっとハチマキを締めるように切り替えて、一旦は収まったんですが、あの、陰々とした鐘の音とバス合唱、&前日の、やけにまろやかだったシュターツカペレとは打って変わった、堅い金属音のような響きに乗って、彼が自在に歌い出したらもう、完全に壊れた蛇口状態。
もし観客が私一人だったら、誰にも憚らずに思い切り声を上げて、泣きじゃくっていたでしょう。涙はもう、どうにもならないと思ったので、とにかく声を上げないようにしなきゃ…と、ぐっとこらえていたんですけどね。
一体、何がそうさせているんだか。私の中の、ありとあらゆる感情が全て揺り起こされ、理屈では説明のつかない本能的な部分において、私の全てが彼の声と歌とこの作品に共鳴したとしか、言いようがないのです。
あの激しい第一楽章の間じゅう、私はずっとそんな感じで、泣きっぱなしでした。
前日は大編成のオケに、声が埋もれる瞬間も時々ありましたけど、この日は絶好調。10月3日のパルマでのヴェルレクを含めて、この日が一番調子が良かったと思います。ストイックに且つ厳しく、場面によっては凄味もよく出てたと思います。
特に第一楽章の最終部
【独唱】
ユダヤの血はぼくには流れていない。
しかしぼくはすべての反ユダヤ主義者に敵意をこめて頑迷なまでに
ユダヤ人として憎まれる、
【独唱と合唱】
だからこそ、ぼくは本物のロシア人なのだ!
(引用:「バービィ・ヤール ウクライナのホロコースト」様より。第一楽章「バービィ・ヤール」 エフゲーニー・エフトゥシェンコの詩の邦訳に、私が「独唱」と「合唱」を書き加えました)
この最後の、独唱と合唱が重なる部分
[и потому - я настоящий русский! ]
で響いてきた彼の声は、まさしく
「僕が、今夜このホールを征服する」
と宣言するかのような気迫が感じられました。
それは前日の、大ホールのフィルハーモニーでは決して味わうことの出来ない、歌い手と聴き手の近しい距離感が生みだしたものでもあったと思うのです。
彼自身、大きなホールよりも小さなホールで歌う方が好きですし、その方が自分の声に合っているということを、よく認識しているから。私もまた、そういう彼の姿勢に、心から共感しているのです。
オペラでは、まったくもってオレ様的ではなく(^^;
常にどこか一歩引いた感があって、その辺が好ましいと思う反面(ファンの私でさえ)「もう少しハジケてもいいんじゃないかなぁ?」と思う時もあるんですが、さすがにこういう《一時間、大編成のオケを突き破って、低い声の男ばっかりの合唱を従えて、殆どフルヴォイスで歌いっぱなし》なシチュで、そんな遠慮は無用。
しかも彼が大好きで、彼の身体に染みついているショスタコーヴィチ。何度も言ってますけど、本当にこういう作品には良く合った声と表現。まさに「彼の音楽」だと思います。
時にジェスチャーも交えるなど、色々工夫もしてました。ユーモラス且つシニカルな第二楽章と、深遠な歌詞のやり取りが合唱と独唱の間で、まるで禅問答のように続き、最後にはオケと静かな鐘の音で美しく終わる(このあたり、彼もほっとしたのか、音楽に合わせて、すーーーっごく、いい表情してましたヨ)第五楽章が、彼の持ち味には、特に合っていたでしょうか。
難点をつけるとすれば、もう少し柔軟性を持たせても良かったかも。多少力任せになったかな?と思うところもありましたし、勢いつきすぎて先走ったところもありましたし(^^;
まあ、この作品を歌うのは今回が初めてでしたし(オペラで言うところの「初役」ですね^^)次に歌う時にはどう変化するか、楽しみです。
ちなみに、一か所早まった箇所というのは、その(多分)「お得意の」第二楽章での一場面。
本人もさすがに、すぐに気がついて「やべっΣ(|||▽||| )」という表情になって、バレンボイムに「早すぎっ」と指揮棒でたしなめられてました。もちろん、素早く修正したんですけどね
第一楽章では泣きっぱなしだった私も、この辺りではだいぶ落ち着いてましたし、お陰で今度は、クスクス笑いをこらえるのが大変でした。全くもうーー;
♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:
指揮とオケについてはこちらにまとめたので、ここではもう一つの主役である、合唱にも触れておきましょう。
リンデンの合唱団に加えて、プラハ交響楽団の合唱団も交えての編成だったんですが、おそらくこのことが、こちらで書いたことに通じる、この作品における、民族的フォークロア感を強めるには、非常に効果的だったと思います。
どこがどう、というわけではありませんが、たとえばプロムスの映像の合唱と比べると、音色が幾分暗かったと思いますし。
視覚的にとても効果があったのが、第三楽章の最終部。全編通して、合唱団もソリストも、自分たちが歌わない時は椅子に座っていたのですが、この部分ではそれをうまく使って、合唱の声が徐々に大きく重なるのに合わせて、少しずつ立ち上がって行くんです。
ちょうど真ん中の楽章で、音楽的にも一つのクライマックスの場面。音楽は胸に迫ってくるわ、男たちは視覚的に迫ってくるわ(^^;で、ある意味「白眉」とも言えたかも。
それにしても、バスばっかりの合唱というのは、ありきたりではありますが「ド迫力」です。ある種の陶酔感は、確かに感じられます。煽られますもん(笑)
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
演奏が終わった後は大喝采。ブラボーが飛びまくってたので(^^; 私もほっとしました。ええもう、またもや壊れた蛇口状態で、完全におかしくなってましたけどね。よく無事にホテルに戻れたもんだと思います。
少し残念だったのが、両日とも観客の反応はとても良かったのですが、お客の入りとしては7割程度、しかも年配の方々が、その大半を占めていました。バレンボイムが指揮するショスタコ…というだけでも、話題性は充分高かったと思うのですが、やはり、若年層のクラシック離れは、ベルリンでも深刻なのかも…とも、思いました。
クレーメルのバイオリン協奏曲が終わったら帰ってしまう人もいるかもなーー;とか、密かに危惧してたんですが、それは(私が気がついた範囲内では)ありませんでした。
決してソリストのネームバリューだけでチケットを買った…というだけではなく「ショスタコのプログラムを楽しむ」というスタンスの観客が殆どだったのでしょう。
長々と引っ張ってきた割には、気の効いたことが書けなくて(^^ゞ
でも、本当に圧倒されて、茫然自失状態。パルマのヴェルレクでは、はずみで触れた自分の頬の熱さに驚きましたが、この夜は全身火照って、動悸が収まりませんでしたから。明らかに体温も上がっていたと思います。
彼の声をまともに浴びて、体内に留めて。全ての芸術が「代用品」であるとすれば、まさしく「ソノ直後」と同じ状態であったのは明白でしょう。
これを聴けたことが、何よりも嬉しいんですが、その背景には、強引に旅行を決めたことを殆ど黙認してくれた私の家族、快く休暇の申し出を受け入れてくれた職場の同僚たちやお友達…この人たちの気配りや、手助けあってのもの。
それがなければ、私があの場に足を運んで、素晴らしい演奏を体験できることはあり得なかったのですから、皆様に感謝…
そして、私の宿願とも言えるこの作品を、本当に歌ってくれたアレクサンドル・ヴィノグラドフには「お疲れ様」と「素晴らしいステージをありがとう」という気持ちでいっぱい。何しろ、2か月たってもまだ私、この夜のことを思い出すと、うるっとしてますから(笑)
とりあえずもう、アップしちゃいます(^^; いつまでも引っ張っていてはラチがあかないし、今日彼の誕生日だし(笑)
また何か、書きたいことが出てくれば、随時追加投稿します…いずれにしろ、この作品とは長い付き合いになるでしょうから
♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:
2. Abokonzert Staatskapelle Berlin
Dirigent: Daniel Barenboim
Violine: Gidon Kremer
Bass: Alexander Vinogradov
Einstudierung: Eberhard Friedrich
Prager Philharmonischer Chor (Herren)
Einstudierung Prager Philharmonischer Chor Lukas Vasilek
Staatsopernchor
Staatskapelle Berlin
DMITRI SCHOSTAKOWITSCH
Violinkonzert Nr. 2 cis-Moll op. 129
Sinfonie Nr. 13 b-Moll op. 113 ≫Babij Jar≪
Konzerthaus Berlin
08 Okt 2009 | 20.00 Uhr
« Happy 33th Birthday:))) | トップページ | おまとめスペース »
「Alexander Vinogradov (Bass)」カテゴリの記事
- 今夜です!0:05-BSプレミアムにてメータ/ベジャール第九、放送されます(^^)(2014.12.21)
- まだ気持ちの整理がつかなくて(2014.11.14)
- アレクサンダー・ヴィノグラードフ来日のお知らせ(2014.11.04)
- 2014.May Berlin & Valladolid (Spain) & Madrid(2014.07.24)
- 続・9月9日、スカラ座ツァー@ウィーン国立歌劇場でのヴェルディ・レクイエム(2011.09.13)
「2009秋 パルマ&ベルリン一人旅」カテゴリの記事
- 091008 ショスタコーヴィチ 交響曲第13番《バビ・ヤール》op.113@コンツェルトハウス・ベルリン(二回目)(2009.12.12)
- 《バビ・ヤール》@コンツェルトハウス…の前に、シュターツカペレ・ベルリンとダニエル・バレンボイム雑感(2009.12.04)
- ベルリン旅行の参考に…素敵なガイドブックのご紹介(2009.11.27)
- 091007 ショスタコーヴィチ バイオリン協奏曲第2番(op.129)&交響曲第13番《バビ・ヤール》op.113@フィルハーモニーホール(一回目)(2009.11.21)
- 私とロシア音楽、そして、アレクサンドル・ヴィノグラドフ(2) 《ロシア的》とは?(2009.11.13)
「バビ・ヤール(ショスタコーヴィチ交響曲第13番)鑑賞プロジェクト」カテゴリの記事
- 091008 ショスタコーヴィチ 交響曲第13番《バビ・ヤール》op.113@コンツェルトハウス・ベルリン(二回目)(2009.12.12)
- 《バビ・ヤール》ロマンティックな部分もあるのヨ?!(2009.12.10)
- 《バビ・ヤール》@コンツェルトハウス…の前に、シュターツカペレ・ベルリンとダニエル・バレンボイム雑感(2009.12.04)
- 解けた!(2009.12.02)
- 091007 ショスタコーヴィチ バイオリン協奏曲第2番(op.129)&交響曲第13番《バビ・ヤール》op.113@フィルハーモニーホール(一回目)(2009.11.21)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
プラハの合唱団が入っていたんですか! それはすごくよさそう。 いいなあ、フォークロリックな演奏・・・。(私が好きで聴いてるのはバイエルン放送響のなのですが、民族的というか田舎くさいところがあるのはいいですよね)
ヴァラリンさんの充実の鑑賞体験、ほんとうによかったですね。 想像してこちらもドキドキです。 私も機会があったらぜひ聴きたいところですが、お気軽に演奏される作品じゃないですよね。
とても楽しく読ませていただいた鑑賞記執筆、お疲れ様でした。
投稿: galahad | 2009/12/12 18:35
予想以上に力の入った、臨場感あふれるレポートで、読み応えがありました。こういう体験が出来るから劇場通いはやめられないんですよね♪
>本人もさすがに、すぐに気がついて「やべっΣ(|||▽||| )」という表情しながら
ふふっ、想像してしまいましたヴァランシエンヌさんの記事をたどっても、彼は自分が間違ってもシレッとしていられる性格ではないですものね。
投稿: Sardanapalus | 2009/12/12 23:00
いやいや~、読んでいるうちに、その場の熱気や迫力、陶酔を、私も追体験させてもらった気分になりました。
たとえ大好きな歌手の大好きな声でも、こんな凄い体験っていつもいつもできるわけではないじゃない?(曲目や、心身のノリ具合にも左右されるし)ほんとうに幸せな、素晴らしいことだと思います。
で、
> 数メートルの距離こそあれども、まさに私の真正面(^^;
2回目は近距離真正面だったのね
オペラと違って(基本的には)ずっとその場から動かないで歌うわけだから、聴くほうも「浴びっぱなし」状態になるわけで…もうタイヘンですよね。(←他人事じゃない^^;)
投稿: Nao | 2009/12/12 23:31
galahadさん:
もう、13番の記事書くたびに閲覧数が減るにも関わらず
ほぼ毎回、暖かいコメント下さったgalahadさんには、本当に励まされました。ありがとうございました
女性で13番が好きな人というのは、本当に珍しいらしく、ネットを彷徨ってみても、バックがピンク色スキンのブログで、これだけ粘着にこの作品を取り上げたのは、ホントにウチくらいじゃないかしら(^^ゞ
もちろん彼が歌ってくれるのを待っていたのは紛れもない事実ですが、そうでなくても、この作品は充分に面白いと思います。もう少し突っ込んだ解説というか、ノートを作りたいんですが、それはもう、ゆっくり時間をかけてやればいいかなと。
とりあえず、鑑賞記を彼の誕生日までには上げたかったので、最後の方はもう、やっつけ仕事みたいになっちゃいましたけど(^^ゞ
>バイエルン放送響
ヤンソンス指揮の↓ですか?
http://www.hmv.co.jp/en/product/detail/1613917
サンプルをちょっと聴いてみましたけど、やっぱり音色が明るいですね。こうして聴いてみると、やはりシュターツカペレベルリンは「東の音色」だと思います(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/12/13 23:11
サルダナさん:
オペラと違って、歌詞はあることはあるけど、叙事詩みたいなものですし、
ストーリー展開がどうのこうの…な作品ではない作品のレポートを書くのが、こんなに大変だと思いませんでした(^^ゞ
なので
>予想以上に力の入った、臨場感あふれるレポート
と仰って頂けるのは、本当に嬉しいです。ありがとうございます。
>彼は自分が間違ってもシレッとしていられる性格ではない
その場で何事もなかったかのように、さらっと流せるようになればいいんでしょうけどねぇ(笑)
今回のは明らかに「気分良すぎて先走っちゃった」ってヤツでしょうから、若気の至りですね
(本人は忘れても、私は覚えてますよ、イジワルですから)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/12/13 23:28
記事アップ、お疲れ様です。
私はこの曲は全く知らないので、皆さんのように突っ込んだコメントはできないのですが・・
声を上げるのを堪えるほどに泣けたなんて体験をなさったのは本当に羨ましいと思いました。
なかなか無いことです。
やはり前世で…?(笑)
記憶の彼方に追いやっていた故郷を描いた絵画を、遠い外国で偶然に見つけたような、そんなお気持ちにも似ていますでしょうか。
私なりにいろいろと想像してしまいます。
投稿: しま | 2009/12/13 23:41
Naoさん:
>その場の熱気や迫力、陶酔を、私も追体験させてもらった気分になりました。
そうですか?^^?
あまりショスタコがお得意ではないNaoさんに、そう仰って頂けると嬉しいですね。ありがとうございます
>凄い体験
そもそも、ここまで長く引っ張ったのには
「記憶のおさらいの為に、手持ち音源をもう一度聴き返そうと思うまでに、帰国後20日かかったから」
という理由が一番です。
それは、記憶を上書きされるのがイヤ…というのではなく、とにかく思い出すと、愛しくて泣けてしょうがなかった。未だにウルウルしているんですから(笑)
>近距離真正面
チケット買った時に、最前列も空いていたんですが、あんまり近すぎても気恥ずかしいし、自分が出てくる前から号泣している観客が目の前にいたら、彼も気が散ってしょーがなかったと思いますからあのぐらいの距離が、一番いいです(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/12/14 00:07
しまさん:
家で何か、彼の歌を聴いている時にウルウルするのはしょっちゅうなので、いつでも泣いているみたいなんですけど(笑)
ホールで号泣したのは、意外にも?!初めてなんです^^;
この連載を書いている間、しまさんがお書きになられていた、アレンのウィグモアホールでのリサイタルレポのことが、常に頭にあったんですよ。
歌付き交響曲ですし、合唱も従えてますから、純然たるリサイタルとはちょっと違うんですが、オペラでの「役に化ける彼」よりも、歌手としての彼の力量、資質、そして人間性がダイレクトに味わえるという点では、こういうコンサートの方が、より魅力的ですもんね。
お陰で、一度コンサートで聴いてみたかった…という願いも叶いましたしね(^^)
>記憶の彼方に追いやっていた故郷を描いた絵画を、遠い外国で偶然に見つけたような、そんなお気持ちにも似ていますでしょうか
前世のことも含めて(笑)
彼の声でロシア物を聴く時の気持ちって、高揚感と異様な陶酔感と共に、何となく「初めて聴いた気がしない、収まる所に収まってる」感が、常にあるんですよね~~
ロシア語を殆ど理解できない私が、何故か語感とか、響きの美しさを敏感に感じ取ることができるのも、ロシア風の刺繍や模様が入ったお洋服その他諸々に、異様に敏感に反応するのと同じなのかも(笑)(笑)(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2009/12/14 01:19