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ロシア歌曲から:ラフマニノフ「全てを奪われた」

久しぶりに音声クリップを作ってみました。のびのびになってしまっていた(^^;昨年3月のモスクワでのリサイタル音源から、ラフマニノフの「全てを奪われた」"Всё отнял у меня" です。

いつも親機におまけでくっついてきた、WindowsのムービーメーカーVista版を使って作っていたのですが、今回はWindows7のネットブックちゃんで作ろうと四苦八苦。

なんでって、7に入っている「Windows Live ムービーメーカー」って、タイムラインがないし、今までのよりも使いにくい(しかも作ったファイルの互換性がないし)ので、Liveではないムービーメーカーをインストールした…まではよかったんですけど。

これもやっぱり、親機に入っているVista版とは微妙に違いがありまして(Windows Movie Maker 2.6)タイムラインはあるんですけど、Vista版に入っている「特殊効果」のバリエーションが少ないんですね(^^;
(しかもやっぱり、作ったファイルの互換性がないし。同じWindowsのムービーメーカーなんだから、その辺は何とかして欲しいですーー;)

なので、今回は簡潔。まあ、曲自体が短くて、ぱきっとしているので、これでもいいかしら??と、見切り発車です。あ、日本語の訳はまだつけていませんよf(^^;

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

さて「全てを奪われた」ですが;
日本語訳は、まだ自分ではつけられませんから(笑)いつものように、梅丘歌曲会館さまよりお借りしました。解説にも書いてあるように、非常に難解というか、深遠、これぞヴィノグラドフの得意分野(笑)な作品です。

リサイタルでは、プログラムの一番最後に持ってきてました。単独で聴くよりも、一つのプログラムとしてイロイロ聴いてきた後で、続けて最後に聴くと、この曲の凄みがよくわかります。そういう意味では、こうして単独で取り上げると、少し片手落ちかな…という感じがしますが。

ロシアの歌手には、好まれる作品だそうでして、YTでもけっこう、見つかりました。

梅丘さまの解説にも書いてありますが、最後の「お前」("тебя"「お前=ты」が格変化した形)の解釈ですが、実はロシア語では、神そのものへの呼びかけもтыという、親称になります。

なので、もしかしたら「《神》によって全てを奪われ、最後に自分に残されたのは《神》だけ…あとはもう、祈るしかない」という解釈も、成り立つのかも。

そこいら辺も、もう少しロシア語できるようになったら、しっかり考えてみたいと思います

《7月7日追記》

コメント欄で娑羅さんが紹介して下さっているディミトリー・ホロストフスキー氏の「全てを奪われた」も、貼っておきます。聴き比べてみると、キーも違いますし(笑)全く別の曲のように感じるのが面白い^^

こちらは1990年のものですので、今のヴィノグラドフと同じくらいか、もう少しお若い頃でしょうか?

ホロストフスキー氏のこの歌い方ですと、確かに神というよりも、自分にとって、ものすごく大切な誰かに対する「お前…」と解釈したくなります

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ロシアもの:オペラ&歌曲」カテゴリの記事

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コメント

おぉ~!当ブログで話題にしていただいた曲がYTにupされている~!(゚0゚)
聴きなれているキーと違ったので、「え!?」と戸惑う私(笑)
ヴィノさんはバスだからキーが違うのは当然なのに、まだまだ慣れません

ヴァラリンさんはロシア語をしっかり勉強されているから、曲の解釈も深いですね~。
私はまだまだダメです~・・って言うか、英語も全くダメダメなもんで、ロシア語まで手がまわらない状態。
実は最近ロシア語の勉強は全くやっていません

ところで、ヴィノさんのこの曲は堂々としていますね。
この解釈だとтебя=神と捉えることが可能かも。
ホロストフスキーの場合、この部分をかなりロマンティックな歌い方にしていたんですよ。
前半と後半で、テンポも強弱もがらっと変えていました。
YTには20年前の映像しかないので残念です。

ほかのロシア歌曲も聴き比べしてみたいです

娑羅さん:

食いついて下さって、ありがとうございます(笑)

…というよりも、娑羅さんのお陰で、重い腰を上げて作ることができました(^^)v

それで、キーの違い&解釈の違い(笑)を比べると面白いかと思って、ホロさんのものも貼りつけさせて頂きました。

(しかも、ホロさんのクリップには、丁寧にロシア文字&翻字法での歌詞、そして英訳が掲載されてましたので、ちゃっかりコピペさせて頂きました^^;
なかなかロシア文字で歌詞が見つからないもんですから、助かりました~~m(__)m)

>ヴィノさんのこの曲は堂々としている

そうですねぇ…だから色々歌ってきた最後に、短くストイックに、きりっとこれで締めるなんて、カッコイイわと思ってたんですが、
ホロさんの歌い方を聴いて、初めてこの曲の別の側面(ロマンチックな部分)に気がつきました。やはり、色々聴いてみるものですね

んもう、ヴィノさんったらイロケなしの朴念仁なんだからぁ~~もう(笑)

わ!ホロストフスキーのもupしてくださったんですか!?
ありがとうございます!
1990年というと、カーディフで優勝した翌年になりますね。27~8歳の頃です。
20年経った先日のウィグモアホールリサイタルでは、もっと前半と後半の差があって、さらにロマンチックになっていました
でも、解釈は変わってないような気がします。

ラフマニノフの歌曲集って、日本語版がないんですね・・。
今日、楽譜を見てきたんですが、リムスキー=コルサコフ歌曲集まであるのに、なぜかラフマニノフの日本語版楽譜はありませんでした

娑羅さん:

いえいえ。せっかく紹介して下さったし、これだけ解釈や歌い方が違いますと、いい意味で聴き比べとして置いておきたい…と思いまして、貼らせて頂きました。

>もっと前半と後半の差があって、さらにロマンチックになっていました

うひゃ それはそれは…
これでも充分、前半と後半に差があると思ったのに。今回のリサイタル、録音はされてないのでしょうかね?聴いてみたい(笑)

>ラフマニノフの歌曲集って、日本語版がないんですね・・

ええっ、そうなんですか
梅丘さんのところでも、けっこう取り上げてあるんですが、それでもヴィノグラドフのリサイタルで歌った曲の中で、一曲だけ歌詞が見つからないものもありますし、逆に歌詞を見ただけで「聴いてみたい~~」と思うものもありますしね。
チャイコの方がポピュラーで馴染みやすいですし、名曲が揃っていますが、ラフマニノフも聴きこむと、本当に魅力的ですよね。
もっと色々聴いてみたい…と思ってます。あ~~、残りのクリップも作らないと。

ロシアのバスとバリトン聴き比べ、興味深いです。(でもホロさんが銀髪じゃないとかちがうところに気をとられたりして)ホロさんのほうがソフトでsweet、ヴィノさんは威厳があって立派。 同じ曲でも歌詞の意味までちがって聴こえるんですね~。 私はロシア語わかんないのでそれぞれの音の感触を楽しみます。両方聴かせてくださってありがとうございます。

galahadさん:

聴き比べ、楽しんで頂いてありがとうございます

>ホロさんが銀髪じゃない

そういえば(笑) 27~8歳の時とのことですから、今のヴィノさんよりもお若いんですね。

>それぞれの音の感触を楽しむ

うんうん、それってとても大切なことです。歌詞の意味がどうのこうの…ってごたくは(笑)その後ついてくればいいんだと思いますもの。
私も意味もわからずに、耽溺してしてしまくって(笑)
ようやく「意味をダイレクトにわかるようになりたい」という境地に達したばっかりですから

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