101002 R.シュトラウス アラベッラ@新国立劇場(1回目)
新国立劇場の新シーズンが始まりました。10月はこの後上演される「フィガロの結婚」がらみで(^^;初台へ行く日がグーンと増えます。風邪もだいぶ良くなってきましたし、頑張らなければっ
さて、シーズンオープニングの《アラベッラ》。
まだ初日が終わったばっかり+もう一度行きますので、詳細は2回目の後で…と思ったのに、けっこう長くなっちゃいました
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・今回初めて、C席(4階3列目中央辺り)に座りました。座った瞬間「あれ?椅子の位置が高いよ^^;」…足元には足載せ用のバーがあるんですね。
ちなみに前の列(4階2列目)を見ると、何やら緑色のクッションが。2列目は1列目との段差が少ない為、見えにくいとの苦情に対応したとのことで、今シーズンから付属されたそうです。
あと、4階だけコインロッカーが設置されました100円入れて使用後は戻ってくるタイプです。
「他の階にはないのですか?」と他の方が係員に尋ねているのを小耳にはさみましたが、とりあえず4階だけだとか。
わざわざクロークに預けるほどじゃないけど、ちょっとした荷物があるんだよね~~~とかいう時に、あるとすごく便利だと思います。
是非他の階にも設置を~~~
舞台の見え方は、決して悪くありませんが(肉眼では歌手の細かい表情や、衣装の質感まではわかりませんでしたが、まあこんなもんね的…な見え方)音響的には微妙(・・;
ちょっと抜けるような感じかなぁ。3階でそういう風に感じたことはないので、その辺に差があるんですね。。。
コストバリューも鑑みると、B席2階サイドor3階がベストかな…と思いました。
(以下、内容に触れる部分がありますので、観劇予定がおありになり、その点が気になる方は公演をご覧になった後で、目を通して下さいませ)
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・ミミ馴染みの薄い旋律がちょこちょこ出てきます。それに、やけに長い…と思ったら。
実は今回の上演「完全ノーカット版」だそうです。(合唱指揮の三澤洋史さんのHP参照)
この「完全ノーカット版」現行のCDでは、ショルティ版のみだそうで、私は聴いたことがある「はず」なんですけど、そーいえばこのCD、他のものと比べると聴く回数は少なかったから、全然気がついてませんでした(^^;
(ディスクリストにその旨書き加えておきました)
で、通して舞台で聴いた感想は…というと「ウ~~~~~ン?!」という感じ。。。
元々私、音楽的素養がナシのせいか、カットに関しては寛容でして…
なきゃないで、別にいいんじゃないの…あるとちょっと、説明的過ぎ…それでなくても充分長いし、魅力的な旋律はいっぱいあるし、もうお腹いっぱいだよ…というのが本音かなぁ。
確かに3幕騒動の大詰めで、アラベラがズデンカの無償の愛に対する感動を歌うところは、なかなか良い歌詞ですけど、
そんなに力説しなくても^^;ズデンカの(*1)《身体を張って、捨て身で愛する男にぶつかって行った愛の行動》は、舞台を普通に観て、音楽を辿って行けば、普通に感情移入できると思いますもん。(←ヴァラリン、ズデンカの危うい一途さには、痛いほど共感してるもんですから)
まあ、せっかくCDも対訳も手元にあるのですから、次回までにショルティ版のCDをさらってみて、確認しておきたいと思いますが。
(カットについては、対訳をPDFファイルで公開して下さっている、かまたさんのブログにも説明があります。「オペラ対訳プロジェクト」の訳文も、3幕はノーカットです)
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・ミミ馴染みの薄い旋律が…と書きましたが、んじゃ、聴き慣れてる旋律はどーなのよ?!となると、これまた微妙(・・;
シュトラウスのオペラには「各声楽パートの、高音部の輝かしさ」や「会話オペラと言われるような、細かい旋律の歌い回し」を聴く楽しさがあると思うのです。
これがきっちり、聴こえてこないと、かなりストレスが溜まります。
オケもちょっと、鳴らし過ぎ…歌手の声が消えちゃうほど鳴らさなくても…まあ、次回は一階席ですから、この辺りの印象はまた変わるかも。
・舞台は青を基調にしたもので、装置は気が効いてると思います。舞台写真 ⇒⇒⇒
(私はこういう、ポップな感じの装置は好き)
人物の動かし方は、多少うるさい!!と思う場面もあり、逆に間が持てない…という場面もあり。この辺はもう一度見てから、書きます。
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・この装置に対して、衣装は???(あああ、ごめんなさい^^;)
とりあえず遠目で観た限り…微妙でした(・・;
装置のポップさと比較して、古すぎ ええっ?イマドキこれ?!って思っちゃいました
(ファッションって、好みも大きく左右するし…)
田舎から出てきたマンドリカの衣装は洗練されているのに、都会人アラベラの舞踏会ドレス、それはないでしょ…
体型的には(歌手としては)ぼってりしているわけではなさそうな歌手さんなのに、あのカッティングでは(・・;
なに!!双眼鏡も持たずに4階から見ただけで、そんなこと言うな!!
と石が飛んできそうですが、ネットをさまよってみたところ、私のような意見の方が少なく「オートクチュールだし、レースやスパンコールとか、すごくキレイ!!」というご意見が大半ですから
次回1階席から見る時に、質感とか、しっかり確認したいと思います。。。
・衣装繋がりでもう一つ。3幕の騒動の最中、他の宿泊客がわらわらと、白い寝巻姿(ネグリジェ)で出てきます。
この後、騒動を引き起こしたズデンカが「パパ、ママ!」と部屋を飛び出して、白いスリップ姿で出てくるんですが(私の大好きなシーン)
なんで、同じ「白」なのよう(ToT)
どこからズデンカが出てきたか、瞬時にわかんなかった…
これはね、赤にすると、インパクトが増すと思うんですけどね。或いは部分的に赤く染めるとか。そうすればズデンカの《愛する男に捧げた=失った●●》が際立つでしょ
…って、刺激的過ぎるかな。。。
しかし、「ズデンカに重きを置いた演出に」と明言してたんですし、色のコントラストが美しい舞台ですから、そのぐらいやって欲しかったなぁーー;
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(*1)
でもズデンカの行動が、必ずしもマッテオにとって、即幸せ…に繋がらないかもしれない…んですけどね。
出来ればこの二人には、メトの映像の演出のように、ベタベタにラブラブでいて欲しいのですが、マッテオにはマッテオの事情もあるんですよね。
(ズデンカの行動は、彼にとっては理由はどうであれ
「俺をだましたな、この女」とも取れるわけですから…いずれ彼女と幸せになるにしても、悩む時間があっても、おかしくはないかと)
今回の演出、そのあたりにも注目すると面白いと思います。
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こんな感じで、初日は多少、消化不良気味でしたが、次回は1階席からですので、また違って見えることもあるでしょう。
それに今度は、一人での鑑賞ですから。
同行者がいると、幕間は退屈しなくて済みますけど、一人で音楽に浸って考えをまとめたい時もありますから、ネ。
(フィガロにも当然、そーいう日を設けてありますからねっ)
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アラベラ@新国立劇場
2010年10月2日 4階3列目中央辺りで鑑賞
【指揮】ウルフ・シルマー
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー
【衣装】森英恵
キャスト
【ヴァルトナー伯爵】妻屋秀和
【アデライデ】竹本節子
【アラベッラ】ミヒャエラ・カウネ
【ズデンカ】アグネーテ・ムンク・ラスムッセン
【マンドリカ】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【マッテオ】オリヴァー・リンゲルハーン
【エレメル伯爵】望月哲也
【ドミニク伯爵】萩原 潤
【ラモラル伯爵】初鹿野 剛
【フィアッカミッリ】天羽明惠
【カルタ占い】与田朝子
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
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コメント
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カウントダウンが7日になってるっ!とあらためて10月になったんだな~と思いました。 シーズンオープニングはわくわくしますね。
「アラベラ」今回はノーカット版なんですか。 私はけっこう初版とかノーカットとかが好きなほうなので、観てみたかったな。
オートクチュールのお高い衣装の詳細は、次回の観察をお待ちしてます。
投稿: galahad | 2010/10/03 20:16
galahadさん:
>カウントダウンが7日になってるっ!
そーなんです、アラベラと違って、フィガロは新国サイトでも扱いが薄い(このブログの方が、よっぽど粘着に取り上げているはず)んですが、あと一週間なんです
>シーズンオープニング
記事に書きそびれましたが、昨日は色んな方がいらしてました。オペラ好きで知られる元総理とか(すれ違ったんですが、夫は気がついたのですが、私は彼に言われてから振り返って、後ろ姿だけしか確認できず)
某民放テレビ局のアナウンサーとか、外国の夫婦連れのお客様も多かったです。
一幕終了後、一階のホワイエの階段付近に、演出家のアルロー氏や森英恵さんもいらっしゃいました。アルロー氏は、ノート片手に何やら熱心に打ち合わせ?なさってましたが、想像よりも小柄な方でした。これも、夫が先に気が付きました。
私は意外とダメですね、こーいうことには
(リンデンでドミンゴやサイモン・ラトルに遭遇した時も、そういえば夫が先に気がついたんでした)
>ノーカット版
はい。「影のない女」はカットあったのに、何故アラベラはノーカットなのでしょうね???
>オートクチュールのお高い衣装の詳細
galahadさんからリクエストがあったので、双眼鏡でガン見しなきゃ!!と思ってたのに、自分の衣装選び(笑)に時間がかかって、双眼鏡をバックに入れる暇がありませんでした(というか、前日から用意しておけばいいものを…)
今日、オペラ用のバックに入れておきました。なので次回はダイジョーブです!!
投稿: ヴァランシエンヌ | 2010/10/03 20:40
ノーカットなんですね。それは大胆な。かなりきわどい歌詞があり、ノーカットは珍しいです。ぼくは8日、11日に見ます。新国はプレミエは不調でも調子を上げていくパターンが多いので、楽しみにしています。
投稿: かまたひろたか | 2010/10/04 08:23
かまたさん:
はい、合唱指揮の三澤さんのHPからの情報ですので、間違いないと思います。
この作品のカットのことは、2幕~3幕に直接なだれ込むバージョンしか知りませんでしたし、かまたさんの対訳情報をフォローしていて初めて「ふうん」と思った程度でして(;;)
この作品をよく聴いている方なら「どうも長いな~~~なんか違う気がするな~~」と感じると思います。
>新国はプレミエは不調でも調子を上げていくパターンが多い
そうですね。実際この日も、一幕が一番???で、徐々に調子が上がって行った感じを受けました。
私もできれば、終盤の公演に行きたかったのですが、フィガロと連日になるのを避けたかったので、しょうがないです。
詳しい感想は今後色々上がってくると思います。かまたさんの感想も、楽しみにしていますね。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2010/10/04 12:04