R.シュトラウス《アラベラ》その1・ディスクリスト(2010.10.3追記あり)
初日(10月2日)の感想は⇒⇒⇒ 2回目(10月5日)の感想は⇒⇒⇒
もうすぐ新国立劇場の新シーズンがスタートします。オープニングはR.シュトラウスの《アラベッラ》。
。。。え?誰ですか「お前、10月10日からのフィガロにしか、キョーミねーだろ

そ、そんなことないもん!!《アラベッラ》にも2回行くし、ヴァラリン10月は大忙しなんだからっ( ̄ー+ ̄)
そ、それに実は…今、ヴァラリン思いっきり「まりっじ・ぶるー」的気分の落ち込み


本当は一から書き直したいぐらいですが(^^;最初に作ったHPに載っけていた、この作品のディスクリストを紹介しておきます。と言っても、これを書いたのは5年以上前、今では新しいDVDも出てますし、Youtubeでも色々見ることができますが、
私の手持ちのものはこれ以降増えてませんし、今よりも更に稚拙な文章で恥ずかしいですが、多少は皆様の予習の参考になれば、幸いです。
尚、今回の新国立劇場での上演に先立ち、この作品の日本語訳を試みて下さった(下さっている)方々を紹介しておきます。
・かまたひろたか様 訳文はPDFファイルでDL出来ます。
・オペラ対訳プロジェクトに順次投稿なさっているwagnerianchan様。ブログの方にもURLをアップなさってます。
読み比べてみると、それぞれの訳者の方の個性が感じられて、楽しいです(笑)
以下、最初に作ったHPより転載(2005年頃作成)レイアウトの関係等で、以下の記事が読みにくい方はこちら⇒⇒⇒をどうぞ
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この作品は『洒落系』R.シュトラウスの、陰の代表作だと勝手に思っている私(^_^;)
『ばらの騎士』の焼き直しのように言われることもありますけど、話の筋も手が込んでいて、喜劇作品としても第一級のものだと思います。
最初に見た、メトの映像でセカンドヒロイン・ズデンカに思い切り感情移入してしまいました。姉のアラベラは家の為に、多少打算的な結婚を決めた・・という側面もあるかと思いますが、妹のズデンカは、好きな男に体を張ってぶつかって行った、そのせつなさが何とも言えません(^-^)
というわけで、見たり聴いたりする時には、自然と妹カップル(ズデンカ&マッテオ)の方へ関心が行ってしまいます。
好きな場面は、全編の聴き所でもある、アラベラとズデンカの2重唱が筆頭に上がりますが、、ヴァルトナー伯爵夫妻(姉妹の両親)の『何故か夫婦の会話が噛みあっていない^^;』2重唱も面白くて好きですし~~終盤のズデンカの告白もいいですねぇ(#^.^#)
実演では2002年4月バイエルン国立歌劇場にて、現代的なイマドキのアラベラを堪能出来ました(^^)v
同じ系統の『ばらの騎士』と比較すると、圧倒的に上演回数が少なく、それ故ソフト類も少ないのですが、お陰で?!市販ソフトの大半を制覇することが出来ました。上演回数がもっと増えて欲しい作品の一つです。
<配役の略号>
アラベラ=Ar、ズデンカ=Zd、マンドリカ=Man、マッテオ=Mat、ヴァルトナー伯爵=Wa、アデライデ=Ad、フィリカミーリ=Fi
演奏・メディアデータ | 配役 | 勝手なコメント(^_^;)/お気に入り度 |
---|---|---|
ショルティ/映画版/ウィーン・フィル/O.シェンク/'78/図書館にて視聴 | Ar:G.ヤノヴィッツ、Zd:ガザリアン、Man:B.ヴァイクル、Mat:R.コロ、Fi:E.グルベローヴァ | 豪華キャストの映画版ですが、あまり違和感を感じませんでした。出来れば、実演でこのメンバーの映像収録を見たかった気がします。マンドリカは、役作りが若すぎるような気がしました。ちょい役の占い師役でM.メードルが出演しているのも、個人的に嬉しかったです(^o^)/☆☆☆☆ |
ハイティンク/グラインドボーン音楽祭ライブ/J.コックス/'84/図書館にて視聴 | Ar:A.パトナム | 映像で見れる、本当に『美しい』アラベラです。残念ながら他の2つの映像と比較すると、全体の演奏レベルはかなり落ちます。こじんまりした美しい舞台で、手作り感覚といったところでしょうか。しかし、このオペラの魅力を十二分に発揮できていないもどかしさがありました。2003年10月に輸入版(リージョン1)でDVDが発売されました。/☆☆ |
ティーレマン/メトロポリタンライブ/O.シェンク/'95/DVD/グラムフォン/073 005-9(輸0) | Ar:K.テ・カナワ、Zd:M.マクローリン、Man:W.ブレンデル、Mat:D.キューブラー、Wa:D.マッキンタイアー、Ad:H.デルネシュ、Fi:N.デッセィ | 初めての『アラベラ』字幕が100%理解出来なくても、お芝居の面白さ、登場人物の駆け引き等がしっかり伝わってきます。風格が漂い、お茶目な所もしっかり表現しているマンドリカ、恋する女性のせつなさを見事に表現したズデンカ、その彼女をしっかりと受け止めるマッテオ。ヴァルトナー伯爵夫妻に大物ゲストを揃えたところが、いかにもメトらしいと思いますが、この配役はピッタリです。欲を言えば、アラベラがもう少し貴族的な立ち居振る舞いを兼ね備えていたら、もっと素敵な映像になったと思います。(歌はたっぷりと聴かせてくれますよ~)数あるメトの映像の中では個人的イチオシ映像です。/☆☆☆☆☆ |
演奏・メディアデータ | 配役 | 勝手なコメント(^_^;)/お気に入り度 |
---|---|---|
ベーム/ザルツブルグライブ/’49/グラムフォン/445 342-2 | Ar:M.ライニング、Zd:R.デラ・カーザ、Man:H.ホッター、Mat:H.Taubmann、Wa:G.ハン、Ad:R.Anday | 時代のことを思えば、音はまずます。後年アラベラを持ち役としたデラ・カーザのズデンカが可愛いです。マンドリカは貫禄と(意外にも?!)茶目っ気充分。おっとり系のアラベラの歌い方には時代を感じます(^-^;/☆☆☆ |
ショルティ/ウィーン・フィル/'58/デッカ/460 230-2 | Ar:R.デラ・カーザ、Zd:H.ギューデン、Man:G.ロンドン、Mat:A.デルモータ、Wa:O.エーデルマン、Ad:I.マラニウク | (2010.10.3追記)新国立劇場での上演は「完全ノーカット版」ですが、現在流通しているCDのノーカット版はこの盤だけです。音楽的な雰囲気が強いです。ズデンカは、もう少し翳りがあった方が良いのでは・・と思います。マンドリカは声に好き嫌いが分かれるかも。田舎から出てきた「上品に振舞いたいけど、根は野卑な男」という観点から聴くと、案外「ハマってる」と感じます。/☆☆☆ |
カイルベルト/バイエルンライブ/'63/グラムフォン/471 380-2 | Ar:R.デラ・カーザ、Zd:A.ローテンベルガー、Man:D=F・ディースカウ、Mat:G.Paskuda、Wa:K.C.Kohn、Ad:I.マラニウク | ↑のショルティ盤と比較すると、アラベラが自然体でいい感じです。マンドリカは、勿論素晴らしいのですが技巧に走っている感じが先行し、野性的な魅力には欠ける気がします。オケの味わいは充分。/☆☆☆☆ |
レンネルト/ローマライブ/’73/BellaVoce/BLV 107.225 | Ar:M.カバリエ、Zd:O.ミリンコヴィッチ、Man:S.ニムスゲルン、Mat:R.コロ、Wa:K.モル、Ad:O.ドミンゲス | イタリアのオケですが、充分魅力的な味わいがあります。品格も充分なアラベラ、朴訥な雰囲気のマンドリカに加え、キュートなズデンカ、若々しくて輝くばかりの美声を聴かせるマッテオなど、キャストも魅力充分。聴いた回数は、一番多いかもしれません。/☆☆☆☆☆ |
サヴァリッシュ/バイエルンライブ/'77/Golden Melodoram/GM 3.0046 | Ar:J.ヴァラディ、Zd:E.マティス、Man:D=F・ディースカウ、Mat:J.Hopferwieser、Wa:K.ベーメ、Ad:H.Toepper | マンドリカはこちらの方が自然体です。透明感のあるズデンカの声も美しいですし、オケは相変らず巧いです。ヴァルトナー伯爵の豪快さに当初違和感を感じましたが、この作品の初演にも、脇役で名前を連ねていらっしゃるベテラン歌手ですので、作曲者の意図は案外こういう感じだったのかも(^-^)これも、脇役占い師がM.メードルなのが嬉しいです。/☆☆☆☆ |
サヴァリッシュ/バイエルンライブ/'81/Orfeo/C 169 882 H | Ar:J.ヴァラディ、Zd:H.ドナート、Man:D=F・ディースカウ、Mat:A.Dallapozza、Wa:W.ベリー、Ad:H.シュミット | こちらが正規版ですが↑の方がまとまりがよいように感じます(^-^;マンドリカはかなり衰えを感じますーー;こちらのズデンカも可憐で良いと思います。/☆☆☆ |
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ドキドキ落ち着かない日々をお過ごしでしょうと存じますが、くれぐれもお怪我なさいませんように。 10月までハイヒール禁止!?
でも登場人物のなかではズデンカが一番好きです。 アラベラ姉ちゃんはよくわからん人だし。
「アラベラ」は観に行かないので、レポートを楽しみにしています。
私はどちらかというとシュトラウスのオシャレ系作品のほうが苦手かなあ? ヴァラリンさんと逆ね。
新しいとこでは2007年のチューリヒ歌劇場公演のユリア・クライターが可愛いくて、キャストの中ではピカ一だと思いました。 アラベラは綺麗だけど庶民的なルネ様…。
投稿: galahad | 2010/09/19 11:46
galahadさん:
>ドキドキ落ち着かない日々
そ~ぉなんですよぉ(ρ_;)もう、待ってるのってやっぱりしんどい、自分が追っかけて行く方がよっぽど気楽…
あと3週間…白髪が増えそう(笑)
白髪染めは、直前まで引っ張っておかねば。。。
>10月までハイヒール禁止!?
そう思ったんですが、実は一足、8センチくらいあるハイヒールを買いました
まあ、ウェッジソールなんですけどね(^^ゞ
この2年間、奇しくも10月の舞台を観ているんですが、ロンドンやベルリンではブーツでも大丈夫だったですが、日本だと、まだ少し早いかな?というのと、いつも冬の観劇はブーツばっかりでしたので、普通の靴が欲しいと思いまして。
転ばないように気をつけつつ、練習しなくちゃです。。。
>2007年のチューリヒ歌劇場公演
そうですね、これは部分的にTVで観た記憶があります。フレミング、まさに仰る点が弱点です。これはメトの映像の、キリ様やYTに上がっている、パリシャトレ座のマッティラなんかにも言えるかも…
バイエルンのパンフレットに、過去のバイエルンでの公演写真が掲載されているので、次回はそれを載せてみようかと思ってます。現代のアラベラにはない、《おひい様》的古き良きアラベラ姉さんたち百花繚乱
ですよん。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2010/09/19 18:33
かまたです。
拙訳のご紹介ありがとうございます。
ゆっくりとですが、シュトラウス全作品の対訳を進めていて、公演があるタイミングで公開しようと思っています。
よろしくお願いします。
投稿: かまたひろたか | 2010/09/20 01:22
かまたさん:
ご訪問、ありがとうございます。またこの度は貴重な訳文を公開して頂き、ありがとうございました。
PDFファイルにして頂いたお陰で、印刷しやすいのはもちろんのこと、iPod Touchにも取り込むことが出来、ネットに繋いでいない時間にも、目を通すことが可能になり、本当に助かってます。
>シュトラウス全作品の対訳
それは、とても有意義で素晴らしいことですね!
「ばらの騎士」のような、既に日本語訳が手に入りやすいものなども、新しい訳文に触れることで、今まで気がつかなかった何かが見えてくる可能性もありますし。
楽しみにしています。今後ともどうぞ、よろしくお願いします。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2010/09/20 23:09