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130110 カルメン@ベルリンドイツオペラ:★★★★★

到着日当日にスリリングな思いをしてまでも観たかった(聴きたかった)のは、ホセ・クーラがドン・ホセを歌う【カルメン】。
少し遅れても、隅の方ならもしかしたら途中で入れてもらえるかも・・・という願いもあって、2階(日本式に言うと3階)Loge一列目という席にしました。結局開演に間に合ったのですが、この席は大当たり!

いわゆる「ボックス席」で、係りの人に鍵を開けてもらって入ります。
4列×2シートの8人掛けですが、途中で(ちょっと落ち着きのない^^;)親子連れが入ってきたのですが、後半にはいなくなっていたので、私たち夫婦で貸し切り状態!
スカラ座のボックス貸し切りは憧れではありますが
なにもスカラ座へ行かなくても、DOBでもセレブちっくな雰囲気を堪能(笑)

CameraImage (2)
(写真は反対サイドの同じエリア)

さて、ホセ・クーラには、ちょっぴり思い出があります。
私たち夫婦が初めてベルリン国立歌劇場へ行った2004年の夏、「ドン・カルロ」を観た帰り道。どこからともなく聴こえて来たのは、素晴らしい歌声の「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」でした。

その時、ジャンダルメンマルクトで「クラシック・オープン・エア」というコンサートが行われていたのですが、そのゲストにクーラが出演していました。
オペラの帰り道のバックミュージックが、クーラの「誰も寝てはならぬ」だったという、なんとまあ贅沢だったこと。
張りのある素晴らしい歌声、いつかクーラも実演で聴きたいね、と話しながら、幸せな気持ちでホテルまでの帰路に着いたものでした。

あれから9年。やっと念願かなって、クーラの実演に接することが出来ました。

演出は2009年にプレミエが出て(当時、アンゲリカ・キルヒシュラーガーがタイトルロールを歌うとかで、ちょっと話題になってた記憶が)いる割には、新国のカルメンにもちょっと似てるかも?!というぐらい、きわめてオーソドックス。

クーラ目当てでチケットを買い、肝心のカルメンは誰だっけ?と、随分後になってお名前を確認したところ、
近年カルメン役であちこちのオペラハウスを席巻している、Anita Rachvelishvili(年末のスカラ座カルメンの放送時には「ラフヴェリシヴィリ」と表記されてたけど、ホントはどう読むの?ということで、以下アニタ嬢)。

彼女が2009年スカラ座オープニングの「カルメン」でデビューした時の話は、色々あっちこっちで書かれているので省きますが、放送されたスカラ座の公演の後の再演時(2010年11月)には、アレクサンドル・ヴィノグラードフがエスカミーリョでしたし、彼女とヴィノグラードフはその後、ベルリン国立歌劇場やヴェローナでも共演しています。

なので、名前だけはもちろん知ってたのですが、ちゃんと視聴したのは、年末のスカラ座の放送時が初めてでした。

最近のカルメンは、「ばらの騎士」のオクタヴィアン等のズボン役を得意とする、スレンダーでユニセックス、男勝り風なメゾさんが手がけることが多いんですけど、
アニタ嬢はどっちかというと、太めでむちむちしていて、ぱっと見は鈍重そうに見え^^;
いわば正統的というか、今の時代には、少し時代遅れ気味のカルメン…に見えるんですが、
実はこの手の、女っぷりの強い(オンナを武器に媚びているという意味じゃないの)カルメンの方が、う~んと好み!!!

それにやはり、歌手は歌と声とセンスが大事、と、実感しました。重心の低い、艶のある歌声!歌にも役作りにも、品があります。

カルメン役のお歌の中で、私は「ハバネラ」よりも、ホセを誘惑する「セギディーリア」と、2幕冒頭の「ジプシーの歌」のほうが好きなので
「ハバネラ」では、滅多に反応しないんですけども、いきなり
「すっごい艶のある声!」と、引きこまれました。さほど期待していなかった夫も、いきなり超ド級の「ハバネラ」を聴いてから、俄然聴く姿勢が変わったのが、わかりました^^;

また、ジプシーの歌で披露したフラメンコも上手。最近の歌手さんは歌って踊れる人が増えましたけど、決してスリムとは言えない彼女が、ダンサー顔負けのステップで踊り、おまけに歌にも全く支障がないんですから、凄い。近年、伊達にカルメンを歌いまくっているわけではないんだな・・・と思いました。

その上、彼女の役作りは、かつて新国カルメンで私の心を鷲掴みにした、マリア・ホセ・モンティエルを思い起こさせる、フェミニンなカルメン。これは私のツボにハマって、すっかり魅了されました。

ちなみに私、どの辺りで好みのカルメンかどうかを推し量っているかと言うと、3幕のホセとエスカミーリョの決闘 ⇒ ミカエラ登場 で、ひと悶着のところで、ミカエラがホセに「一緒に帰って」と懇願している間、どうカルメンが振舞うかに注目しているのです。

ここで、ホセをあざ笑うかのように振舞われると、一気にテンションが下がるんですが(カルメンは決して薄情な女ではない)
「帰んな」と言いつつも、うっすら寂しさを漂わせてくれたりすると、
もうもう「あ~~~~~わかるっ、その気持ちっ」と、一気に点数が上がるというわけ。

アニタ嬢、ここんところもすごく良かったのですが、圧巻はホセに殺されるラストシーン。
すがってくるホセに未練を残しつつも「ダメ、もう決めたことだから」的に毅然と振舞う姿に、既にウルウルしてたんですが、
自分を刺したホセにキスして、息絶えたのです。わーん、もう、こんなことされると本気で泣けちゃう~~~~~

というわけで、アニタ嬢、2009年のスカラ座の映像よりもぐぐっと進化していて、今後が本当に楽しみ。
アムネリスやエボリ、(最近はこのヴァージョン、少ないけど^^;)「ボリス」のマリーナとか、強めのメゾ声が要求される+品格が求められる役で聴いてみたいし、
またヴィノグラードフと「カルメン」で共演してくれたら嬉しいなあ(#^.^#)

20130206-234319.jpg


(この日の晩餐。幕間でのカフェタイム~全部で9ユーロだったかな?)

そして期待していた、ホセ・クーラのホセ!!!
クーラも頭に白いものが目立つようになり、少しお太りになられ(^_^;) 最初の出だしは控え気味かな・・・と思ったんですが、
ベテランらしく、抑えるところは抑え、女性陣との絡みでは女性陣に花を持たせ、自分はサポートに回るような感じ、とでも言うのかな。特にミカエラとの2重唱は、そういう感じを受けました。

しかし、聞かせどころはさすがに巧い。「花の歌」も高音からピアニッシモまで、むらなく聴かせ、さすが!と唸りました。

そして後半の、激して行くところ・・・カルメンとの丁丁発止のやり取りには、ホントに手に汗を握り、息をもつかせない、という感じ。

カルメンにはフェミニンさを、そしてホセには、どこか能天気で、物事を深く考えなさそうな明るさが欲しい
(目つきの悪いホセは論外で、悲壮感が漂うのもちょっと・・・^^;)
と思う私にとって、この二人のカップルはまさに理想的。この二人で見られて本当に良かったです。

最近はクーラよりも一世代若い、アラフォー世代の歌手さんの方が、最先端の話題に上ることが多いですけども、
まだまだ、クーラにはホセやカラフ、歌い続けて欲しいな、と思います。やっぱり超一流のテノールです。

主役の二人がこれだけ充実していると、もう、エスカミーリョもミカエラも殆ど添え物というか、まあ、雰囲気をこわさない程度でやってくれればいいよ…的な見方になるのだ・・・ということを学びました(^^ゞ

他の脇役、特にカルメンのお友達二人の女性陣は、とても上手でアニタ嬢との3重唱のハーモニーも美しかったです。

え?エスカミーリョが・・・だったら・・・と、全く考えなかったわけじゃなかったけど(^_^;)
なんせ、彼はコペンハーゲンで同じ演目に出ていた最中。心の中で「ごめん^^;」と思いつつも、コペンを蹴ってDOBを選んだ甲斐はありましたよ(^^)v

それと、児童合唱が可愛かったです。一人、すっごく小さな男の子が混じっていて、、周りのお兄さん、お姉さんに合わせて一生懸命0.5テンポくらい遅れて飛んだり跳ねたりしていたんですけど、一度ホントに遅れそうになった時には、隣のお姉さんがぐいっと引っ張って(笑)
反対側の脇に一緒に走って連れて行きました。なんだか微笑ましい光景でした。

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Carmen@ Deutsche Oper Berlin ★★★★★
2013年1月10日:2.Lang Loge 1列目で鑑賞

Musikalische Leitung :Jacques Lacombe
Regie : Søren Schuhmacher
nach der Inszenierung von : Peter Beauvais
Bühne, Kostüme : Pier Luigi Samaritani
Überarbeitung der Ausstattung : Norbert Bellen
Chöre : William Spaulding
Kinderchor : Christian Lindhorst

Carmen : Anita Rachvelishvili
Frasquita : Hulkar Sabirova
Mercédès : Rachel Hauge
Micaëla : Michaela Kaune
Don José : José Cura
Moralès : ZhengZhong Zhou
Zuniga : Seth Carico
Escamillo : Anton Keremidtchiev
Remendado : Matthew Pena
Dancairo : Jörg Schörner
Ein Bürger : Marek Picz
Andres Sung : Jin Kown

Chöre Kinderchor der Deutschen Oper Berlin
Chor der Deutschen Oper Berlin
Orchester Orchester der Deutschen Oper Berlin

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