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130113 ニュルンベルクのマイスタージンガー@ライプツィヒ・オペラ:★★★★★

御年65歳、しかしまだまだ充実の歌いっぷり、ヴォルフガング・ブレンデルのザックスを、生で聴けたこと!


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これに尽きるのですけど、初めて訪れたライプツィヒオペラの「オペラハウス」としての機能性の充実度、ハウスとしての能力の高さ、それになんと言ってもゲヴァントハウスオーケストラがピットに入り、合唱団も充実。


ブレンデル以外のキャストも、多少の凹凸はあっても、大きな穴になるような人はおらず、演出には多少???なところもあれども、
歌合戦の場面では、舞台奥に反面鏡を用いて、客席が鏡に映るという仕掛けもあり、視聴者参加型の気分も充分味わえ、終わってみれば何かを成し遂げた感すら感じる爽快さに、ああ、いいものを見聞きしたねえ~という充足感。

(金額のことはあまり言いたくないのですが^^;)44ユーロでこんな素晴らしい演奏が聴けるという、ライプツィヒオペラのコストパフォーマンスの高さに感激して、今回の旅の最後の鑑賞を終え、
もう、暫く生鑑賞しなくてもいい・・・とさえ、思いました。

ブレンデルは、もともと、歌い方が少し大雑把な感じなのが、人間味溢れるキャラクターに繋がるような、不思議な魅力のある方で、実は映像鑑賞における密かな私のアイドルな御方(笑)

来日も多いですが、これまでにチャンスがなく、私も夫も初めての生ブレンデルでしたけども、
ライプツィヒオペラの入れ物の小ささも割り引いても、間違いなくこれまでに実演で接した歌手の中での、一番の大声(^_^;)

悪い意味ではなく、オペラハウス全体にワンワンと響くような美声は今もって健在で、若い歌手の中に混じって、正に扇の要的な役割をしっかりと果たしてました。
私たちの席は前から10列目の右サイドだったんですが、もし反対袖に座っていたら、ちょうど自分たちの真横で!という場所に(演出上)降りてきて歌うシーンがあったんですが、ちょうど対格上の位置とはいえ、同じ地面の高さで、直に聴くブレンデルの歌声は、まるで地響きのように感じました。
(左サイドの同じ位置、チケット買った時に空いてて、どっちにしようか迷ったのに残念!)

この演出は、ザックスが決して偉大な人格者ではなく、どこにでもいるような、年老いたおじさんと言う感じで、
すぐ酒は飲むわ、愚痴るわ^^;
3幕の5重唱の前に(従来の演出では)ザックスが唯一自分の感情を爆発させて怒りをあらわにするところでは、おいおい泣いちゃうし(^_^;)
挙句の果てには、最後の演説が終わると、心臓発作を起こして倒れ、救急隊に運ばれてザックス退場…という演出でしたが
(前日の「ばら@コーミッシェオパー」の、心を乱すマルシャリンに胸をえぐられたラストのことが当然よぎりましたけども)
不思議と、なんだか爽快な気分というか、すかっとしたというか。

またまた夫の言葉を借りてしまいますが;

「年老いて結局自分の残したものは取るに足りないが、これが自分の全てだ。決してバカにするなという意地を張った感じですね。
男の一生は誰でもこんなものと言った所なんでしょう。偉大ではないザックス、さえないやもめ男、意地っ張りの老人という面があることに気づきました。ワーグナーは晩年の自分をこんな風に感じていた部分もあったのかも」

というのが、一番適しているかな?
「ばら」では意見が相反した私たち夫婦でしたけど、この「マイジン」では一致(笑)

ザックスは、壮年期のバスやバリトンが歌うと、男やもめの色っぽさの面やら、若造にコンコンと説教を垂れるような(笑)感じもあって
それはそれで、まだ枯れてない男の悲哀が感じられて良いんですけど、私はどっちかというと、もっと年を取ったザックス、つまり、今のブレンデルぐらい老けているザックスの方が好きで(^^ゞ
そういう点からも、今、聴ける最良のザックスが聴けたんじゃないかな、と思ってます。

この意地っ張りブレンデル・ザックスの大声に、決して負けていなかったのが、エーファを歌ったクリスティアーネ・リボール(Christiane Libor)。
失礼ながら、美人でスレンダーさんが百花繚乱の昨今のソプラノギョーカイでは、ちょっと割を食ってしまうような容姿なんですが、高音がビンビン響くし、艶のある美声は、リリックソプラノも手掛けるエーファという役柄では、勿体ないぐらい。

エーファは、他のワーグナーの諸役のソプラノと比べると存在感の薄い役ですけど、こういう強い声で聴くと、エーファの旋律も、やはり聴き応えがあると思いました。役作りもちょっとちゃっかりしたような所とか、良く考えられてました。

最初の一声を聞いて「これはイゾルデの声だわよね~~」と思いましたけど、プロフを確認したところ、既にゼンタやマルシャリン、(フィデリオの)レオノーラ等、やはり強めのソプラノの役を歌っているとのこと。いずれ、ワーグナーのより強い声のソプラノの役を手掛けるようになることでしょう。
彼女はこの「マイジン」の後、引き続きライプツィヒで、ワーグナーの「妖精」のヒロイン役も歌うことになっていますが、4年前に歌った時の同アリアがYTに上がっているので、ご紹介しておきます。
http://youtu.be/3rHWhEa3kBs
是非、イゾルデやブリュンヒルデを歌って欲しいし、また聴きたい歌手さんです。

そのエーファの御相手役・騎士ヴァルターのダニエル・キルヒ(Daniel Kirch)。この人は実は声がちょいと小さめ(というか、とにかく二人の声がデカイかったので、相対的な問題かも^^;)でしたけど、歌の表現とか、表情付け&役作りが実にハマっていて、ちょっと、ルネ・コロがコンパクトにまとまった感じ(見た目も声的にも)も手伝って、私の理想のヴァルターにかなり近い感じで、◎
こちらもまだ若い歌手さんのようですから、順調に伸びて欲しいです。

ベックメッサーとダーヴィットは、2幕のドンチャン騒ぎで、でんぐり返りまでして本気で取っ組み合い^^;
そういえば2幕で、10時と11時の時報を知らせるために、すこぉしだけ出てくる夜警が、スピーカーからの声だけだったのは残念。あそこはやっぱり、ラッパ持って実際に出てきてくれなきゃ(笑)

これでやっと、オペラの感想が終わったので、後は諸々、気がついたことをちょこちょこ、書いて行きたいと思います。
とりわけライプツィヒオペラは、居心地も大変に良かったので、次回は劇場内部の様子のレポをアップします。

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DIE MEISTERSINGER VON NÜRNBERG @ Oper Leipzig ★★★★★
2013年1月13日 1階平土間10列目右サイドにて鑑賞

Inszenierung
Musikalische Leitung Ulf Schirmer
Inszenierung Jochen Biganzoli
Bühne Helmut Brade
Kostüme Heike Neugebauer
Choreografie Silvia Zygouris
Choreinstudierung Alessandro Zuppardo
Einstudierung Kinder- und Jugendchor Sophie Bauer

Besetzung
Hans Sachs Wolfgang Brendel
Veit Pogner James Moellenhoff
Kunz Vogelgesang Martin Petzold
Konrad Nachtigall Jürgen Kurth
Sixtus Beckmesser Dietrich Henschel
Fritz Kothner Tuomas Pursio
Balthasar Zorn Timothy Fallon | Ulrich Eisslinger Keith Boldt | Augustin Moser Tommaso Randazzo | Hermann Ortel Tomas Möwes | Hans Schwarz Zoltán Nagy
Hans Foltz Sejong Chang
Walther von Stolzing Daniel Kirch
David Dan Karlström
Eva Christiane Libor
Magdalene Karin Lovelius
Chor der Oper Leipzig | Kinder-, Jugend- und Zusatzchor der Oper Leipzig | Gewandhausorchester

www.richard-wagner-leipzig.de zum Wagner-Jubiläum in der Geburtsstadt Leipzig

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