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131009 リゴレット@新国立劇場

オペラのストーリー性はさして重要ではない、やっぱりオペラは音楽notesだよ…とはごもっとも、と思いながらも
あまりにもストーリーが陰惨すぎて、これまで避けてきた「リゴレット」。

しかーし!
ヴェルディ生誕200年だし、名作中の名作(と言われることも多いし)そろそろ真面目に聴いてみようかな…などという、優等生的な向上心…pencil

であるはずがなく(^_^;


あの方が今月、トリノでリゴレットの「殺し屋スパラフチーレ」を歌うもんですから。
(10月17日(日本時間:10月18日午前3時〜)RAI3にて放送もありますからねっ)
ええ、私のレパートリー開拓は、これが主たる理由catface

たとえ聴きに行けなくても、彼が手がける作品は一応頭に入れておきたいのです。もちろん、どう頑張っても好きと思えない演目もあるんですが「リゴレット」がどっちに転ぶかは、やってみないとわからない。

過去に何度か挑戦した手持ちのCDや、職場で調達してきたCDをとっかえひっかえ、ドライブ中に軽く聴き流す…という作業を夏の間に繰り返しているうち、少しずつですが、
フィナーレ近くの殺し屋、マッダレーナ、ジルダの3重唱に開眼し始め、

さらに、聴いてきたCDのうち、カラズ、ゴッビ、ディ・ステファノが歌う古いセラフィン盤での、音楽の彫りの深さ、くっきりとした人物の描き方には、まさに「耳からウロコ」

どうやら私、この作品に適正がありそうupだと、見極めがつきました。

ということで、実演ではあまり見たいと思えなかった「リゴレット」ですが、
・殺し屋の旋律で、特に最初に出てくるリゴレットとの対話シーンでの絡み方が、音だけだと(車の中でしか聴いてなかったし)よくわからなかったこと
・話が陰惨過ぎるとはいえ、字幕付きで一度見ておきたい…

と思って、久しぶりに新国へ足を運んだ次第です。

(スカラ座の来日公演では、今をときめくアレクサンドル・ツィムバリュク(<ーファーストネーム同じのVさんとは同い年)の殺し屋でしたから、聴いてみたかったんですけどねえ。テレビで放送するからまあいいかと(^^;)

そんなわけで、リゴレットに関してはホントに初心者。ああだこうだと語るのはおこがましいのですが、けっこう没入。とにかく退屈しないで、最後までちゃんと見られる(聴ける)公演でした。
指揮者に対して執拗にブーしている人もいましたが、私にはツボを押さえた良い統率に感じました。
舞台写真は新国FBより →→→

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歌手陣について。
マントヴァ公爵のウーキュン・キムの声が、一番飛んできました。
2008年ROHでの《ボエーム》ロドルフォ以来でしたが、あの時は、美声に任せて歌いきる…という印象でしたけど、この役の方が向いているのかもしれませんが、表現力もついてきたと思います。

ジルダのエレナ・ゴルシュノヴァは、2010年新国での《フィガロ》でのスザンナですからね。もちろん、覚えています。
スザンナの時はアンサンブルの要として、旋律をぐいぐい引っ張って行くような求心力の高い歌唱力を示していましたが
今回は強い部分の旋律になると、多少弱かったかな、と思います。

とは言うものの、ロシア系のソプラノらしからぬ?清澄なソプラノ声と、可憐な容姿(少し厚みが増して肉付きが良くなったかな^^;)は、ジルダのイメージによく合っていると思いますし、
公爵の館にさらわれた後の、リゴレットとの父と娘のデュエットでは、目頭が熱くなりました。

あの場面、もしプッチーニがこの作品を作曲していたら「さあ観客よ、ジルダとともに泣きなさい〜フフフ」といわんばかりに、もっとコテコテの「泣き」の入った旋律に仕上げたのかもしれませんが、ヴェルディもここはかなり、そーいう「情に訴える感じ」で作っているんですね。
字幕を見ながら、そう思いました。

でもその後の「復讐だ!復讐だ!」「怖いわ、お父様」のところなんて、スカっと明るめに聞こえてしまう旋律をつけるところが、ヴェルディとプッチーニとの違いかな。ヴェルディのそういう、カラッとした部分が、昔はよくわからなかったんですが、最近はその乾いた感じが心地いい…と感じます。
(ここ↓の部分ね)

リゴレットのマルコ・ヴァラトーニャも、まだ若い歌手さんみたいで、ジルダのお父さんというよりも、お兄さんみたいにも見えなくもなかったですが^^;
強く歌い上げるところではパワー不足を感じましたけど、全体としてはよく歌っていたのでは?と思います。伝わって来るものはありました。

演出については賛否両論あるとのことですが、キホンは崩さず、大胆に読み替えしている…というほどではないと思います。
女性陣の衣装は、着物をアレンジしたものもあったり(マッダレーナは赤い着物をガウン代わりに羽織って、公爵を誘惑wink)日本ならではの衣装で、良かったと思います。

暴力を受けたと見受けられる痣だらけの女性たちが下着姿で怯えつつ、漂っている…のも、
よくぞ新国で、ここまで思い切ったな、と思いました。
(あの下着の子供っぽい色とかデザインとか、質感はなんとかならんのか!!!とは思ったけど^^; 衣装では唯一これだけが不満pout

リゴレットという作品自体が、そういう側面とは切っても切れない部分を持っていますし、だからといって、そういう場面を積極的に視覚化してもらいたいとも思わない。
ただ、あれが全て…ではないですし、あくまでも全体の一部ですから。

殺し屋の酒場の装置は◎。
そうそう、殺し屋の旋律を、字幕付きできっちり確認する!という目的は、もう、おつりがくるほど達成できました(笑)脳内自動変換機がスイッチオンして、スパラフチーレが歌う度に、異様にときめいていたんですが(あほ〜)

妻屋さんはいつでも、安心して聴けるバスですし、
マフィアちっくないでたちと、サングラスを外した時のギャップがシュテキw

字幕確認という点においては「俺は金が全てだが、客を裏切ったことは一度もない」と焦りながら、妹マッダレーナに押し切られるところ、ツボでした(*^^*) 
こーいう、ちとかわいい部分のあるバスの役なら、あの方はきっと、うまく歌うはずだわ(笑)

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「リゴレット」は確かに、音楽的によく出来た作品だと思います。聞き所は必ずしもアリアにあらず…とでもいうのかな・・・
アンサンブルや重唱で楽しく聴ける部分がある、というのは、私にとって重要ですから、歌手に多少の凹凸があっても、割と気にならないんですね。
そのようなことがわかって、これからも色々聴いてみたい…と思える作品が一つ増えたことが収穫でした。

実はトリノの公演の放送予定情報は、今朝方入ってきたばかり。昨日から某所では「トリノの公演、放送してくれないかしら・・・」と言ってたんですけどね。

実演も見てきたことだし、舞台でどんな風に動きながらとか、イメージもわきやすくなりましたし、
聴けることになってホントに嬉しい!!!楽しみです。

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131010

2013年10月9日
リゴレット@新国立劇場

指揮:ピエトロ・リッツォ
リゴレット:マルコ・ヴァラトーニャ
マントヴァ公爵:ウーキュン・キム
ジルダ:エレナ・ゴルシュノヴァ
スパラフチーレ:妻屋秀和
マッダレーナ:山下牧子

(写真の説明:左上から時計と反対周りに;
1.恒例のロビーのお花。2.お寿司プレート。500円。小腹塞ぎに◎。
3.見に行ったのは「リゴレット」
4.そこかしこに貼ってある次回の公演「フィガロ」ポスター。2010年の公演写真が使われている為、前を通る度、無駄にときめく)

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