カテゴリー「本」の10件の記事

ベルリン旅行の参考に…素敵なガイドブックのご紹介

遅々として進まないバビ・ヤール鑑賞プロジェクトは後回しにして(^^ゞ

今回のベルリン旅行は、一人だったこともあり、少し趣向を変えて、滞在地を思い切り旧東側のプレンツラウアー・ベルク地区にしたり、7日間地下鉄&バス乗り放題の(7tageskarte)を使いまくったり、エステに行ったりと、今までとは少し違う滞在を楽しんでみました。

ネットで情報収集が簡単に出来るようになったとはいえ、やはり、紙ベースの情報も欲しいもの。
そんな今回の旅の参考にした本は

Weblogimage039 ・旅行雑誌「旅」2009年3月号のベルリン特集

私が参考にしたのは、エステとエコバック、アンペルマンショップとか~~(笑)
他にもかわいい雑貨ショップの紹介があります。女性向け。
バックナンバーを取り寄せするか、最寄りの図書館で。

と、ベタに
・「地球の歩き方 ドイツ」のベルリンの部分
(手持ちのものは4~5年前のもので、中央駅がまだ載ってませんでしたから(笑)最新版の必要な部分だけを職場で借りてコピーして行きました)

だったのですが、ちょうど私がベルリンに行っている間に、素晴らしいガイドブックが発売されました。

Weblogimage038素顔のベルリン 過去と未来が交錯する12のエリアガイド (地球の歩き方GEM STONE)  

著者の中村真人さんは、ベルリン好きの方なら当然?!チェックなさってますよね~~
ベルリン発ブログ《ベルリン中央駅》の管理人さんです。

あれだけの大都会(ドイツの首都なのに^^;)でありながら、これまで、日本語ではちゃんとしたベルリンのガイドブックがなかったこと自体、驚きなのですが、その枯渇感を補って余りある、素敵なガイドブックです。

これまでのガイドブックでは取り上げられることの少なかった、旧東側の情報もたっぷり。
東の情報というと、「オスタルジー」っぽい感傷的な文章も多いのですが、マサトさんの文章からは、愛情と思い入れ溢れる眼差しでありながら、客観的にベルリンを眺めている様子が伺えるのが素晴らしい。

写真もキレイですし、単なる旅行ガイドとしてではなく、読み物としても大変面白いと思います。

私の旅行前に発売されていたら、また違った滞在が楽しめたかも…と思うと、ちょっぴり残念ですが、これは「またベルリンへ行きなさい」というお達しだと思ってます

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女の顔

Book02 文春文庫(上下) 平岩弓枝 著

仕事に行けば、貸し出し、返却作業に加えて、返却本を棚に戻したり、新刊本が入ってくれば、その装備をしたりと、ソノ都度一日に何百冊という本と触れ合っているわけですが、ごくたま~~~に、わけもなく、ビビッと来る本、というのがあります。

本の方が「あなたの手に取って、読んでみて!」と訴えている…とでも、いうのかな。

この本は、もともと’76に文庫化されていたものが(初出は’69日経新聞の連載小説 ⇒ ’70にハードカバーで出版)昨年、再販されたものが「新刊本」として入ってきた時、たまたま私がカバー掛けの装備をしたものです。
その時に、なんとなくビビッと来て以来、ずっと気になっていました。

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『Musik und Zeit/音楽と時間』

Musik und Zeit かれこれ半年以上前の話になりますが、私のHPと相互リンクさせて頂いている《小さな音楽家》さまの管理人のお一人・ディオニソスさんが本を出版なさいました。

日頃からネットで大変お世話になっているディオニソスさんの本!とくれば、私も読まないわけにはいかないわ!ということで、読ませて頂きました。

読み終えたら宣伝しますね!といいつつ、とうとう年末が押し迫ってきてしまいました(ご、ごめんなさい^^;)

ウェブサイトでの語り口同様、とても親しみやすい(と申したら、怒られてしまうかしら?^^;)文体で、「哲学系」と「音楽系」とりわけ「時間」という、目に見えない概念がテーマで、難しい内容なのに、不思議とそう感じないのです。

ドイツ音楽、とりわけワーグナーに関心のある方、若しくは哲学に興味があるけど、どんな本を読んだらいいのか…と思っていらっしゃる方ならば、興味を持って、堅苦しい気持ちにならずに読み進めることができると思います。

こんなとんちんかんな宣伝では、あまりお役に立てないかもしれませんが、この記事を読んで興味を持たれた方は、是非ディオニソスさんへ連絡なさって下さいね。

・連絡先はこちら

アンナ・カレーニナ 北御門二郎訳

アンナ・カレーニナ 北御門二郎訳 こういう海外の文芸作品に、マトモに興味を持ち始めたのは恥ずかしながら、ほんの数年前からです。ロシア文学を真面目に読んだのは、初めて…かもしれません。

トルストイを読むなら、このかたの訳で!と思っていました。
数年前に雑誌《サライ》で紹介されていたことがきっかけで知りました。いわゆる学者端ではない方が翻訳をなさっているということで、興味を持ったのです。
それから、本を手にするのにも時間がかかったし、読み終えるのにも時間がかかりました。
残念ながら、昨年亡くなられたのですね。ご冥福をお祈りしたいと思います。

訳文も読みやすく、外国文学の翻訳にありがちな、不自然な訳は一箇所もありませんでした。
とっても惹かれた、というか、心に残ったのが、主役カップル(アンナとウロンスキイ)と対峙しているもう一つのカップル・キティとレーウィン(*1)の2人。何となくお互いに劣等感を持ちつつ、悩みながら一つずつ歩んでいく二人(特にキティ)に、感情移入しながらゆっくりと読みました。まだまだ、子供っぽいという証拠かもしれませんね(^^;

キティがレーウィンのプロポーズを一度は断り、その後ウロンスキイにも振られたあとで、塞ぎこんでしまいますが、その時のキティの心の中の言葉。

《治療などというものは彼女には、まるでこわれた花瓶のかけらをつぎ合わせようとするのと同様、滑稽なものと思われた。心に大きなひびができたのに、なぜ人々は彼女を錠剤や粉剤で治療しようとするのだろう?》

…この箇所を読んだ頃、精神的に辛い時期だったので、ぐっと来ました…

多分、自分の年齢的にはアンナの方が、近いんでしょうけど、まだお子様気分の私にとって、ウロンスキイに惹かれるアンナの気持ちを理解するのは、難しい…
彼も弱い人間だということはわかるんですけどね…

で、私には今ひとつその魅力が伝わってこないウロンスキイですが、レーウィンが初めて彼を見た時の、彼からみたウロンスキイの描写には、ニヤニヤしてしまいました(^^;これだけは、んー!なるほど!!と思ったんです。

《ウロンスキイは、そう背の高くない、がっちりした体格の黒い髪をした青年で、にこやかで美しくて、非常に落ち着いていてひきしまった顔をしていた。短く刈り込んだ黒い髪や青く剃り上げた顎のあたりから、ほんのおろし立てのゆったりした軍服にいたるまで、その顔形すべてがいかにも自然でまた優雅であった》

ふふ。つまりロシアの青年には、こういうタイプの人がいるってことなんですよね(^^!

面白いと思いながらも読み終えるのに、半年以上かかったのですが、こういう文芸作品には、《読み時》ってあると思うので、そういう意味ではロシアモードにどっぷりつかっている、今こそ、私にとっては読み時だったのかもしれません…随分晩生ですけど^^;

(*1)亭主が学生時代にこの作品を、別の人の翻訳で読んだ時には「リョーヴィン」だったと言ってますが、北御門氏の訳では「レーウィン」となっています。

君の微笑み

エットレ・バスティアニーニ がんと闘い、歌に生きたその生涯と芸術
マリーナ・ボアーニョ&ジルベルト・スタローネ共著 辻 昌弘・辻 麻子 訳 フリースペース社発行

(2004年12月21日 (火) 記 『何見た?何読んだ?!』から転載)

バスティアニーニ氏は、キャリア最盛期・僅か44歳にして喉頭がんで生涯を終えた、'50〜'60代の代表的イタリアのバリトン歌手です。
(イタリアのバリトン歌手の中では、ヴァランシエンヌが最も好きな歌手さんです(#^.^#))

勿論、残された録音(一応DVDも2点あるのですが、鮮明な画像とは言い難い)でしか愛でておりませんが、録音を聴く限り『この人ほど、悩ましげなイタリアのバリトンは他にいないわよ^^:』と思えるくらい、大変にセクシーな歌声の持ち主です。

そんな彼も、現役時代には特定の批評家から、不当な批評を受けていたとか。
病のことは、誰にも打ち明けず、やせ細っていく声に対して『不摂生がたたった』『無理な発声で、声がだめになった』などの厳しい批評もあったとのことです。

この本は、彼の知られざる私生活での苦悩、また病を知った時の苦しみなどを、直接彼とは面識がなかった(しかし、彼の大変なファンである)著者が、様々な証言や文書などを綿密に裏づけをとりながらまとめてあります。
また、翻訳なさったご夫婦も、彼の大ファンということだそうです。とっても愛情に満ちた訳文となっています。

前半はさまざまなエピソードをまとめた『伝記』後半は、彼と直接面識があった演奏家(歌手・指揮者・演出家など)たちが語る『バスティアニーニ像』の二部構成です。

冒頭には舞台写真も数多く載せられており、巻末には詳細なディスコグラフィも記載されています。

個人のオペラ歌手に関する(日本語の)本の中では、数少ない良識のある本でしょう。

お気に入り度・・★★★★★

イギリス式 おしゃれな生き方

中公文庫 マークス寿子著 

(2004年11月5日 (金) 記 『何見た?何読んだ?!』から転載)

日本人奥様会からの回覧ブツです(^_^;)

うーん。この人の言いたいことは一体何なの?!という感じが、どの章からも感じられます。
もったいぶった・・というのか、まわりくどいというのかーー;

著者はイギリスの貴族と結婚(のち離婚)し、文章の端々に、イギリス礼賛が見え隠れ?!するのが、読んでいて居心地悪かったです。

「あなたは、日本人としてのアイデンティティを失っているのか?!」と思いきや、突如として昔風の『古き良き時代』(と、著者は思っているのかしら?)の日本の風習を懐かしんでみたり・・

ひとつの章で、論点があっちこっちに飛ぶのが原因の一つではないかしら?と思います。

私も外国暮らしを営み、素人モノガキ?!として、気をつけなくちゃなぁ(^_^;)そういう意味では、とてもよい反面教師になりました^^;

あと可笑しかったのが、出版されてから10年近く経っているのですが、故ダイアナ元王妃がご存命の頃で、彼女に対しても(ご本人は)辛口で書いているつもりかもしれませんが・・

(元王妃の離婚が成立し、ゴシップまみれになっていた頃のエッセイなので、勝ち馬に乗って批判に回ったか?!という感が拭えないです)

彼女が亡くなったあとの、この人の書き物をちらっと読んでみたい気がしますね^^;どう変化しているのかが、楽しみです^^;

美貌の女帝

文春文庫 永井路子 著

(2004年10月20日 (水) 記 『何見た?何読んだ?!』から転載)

オペラに関心を持つ前は、日本古代史(特に飛鳥〜奈良時代にかけて)が私の一番の関心事でした。
古墳や遺跡を訪ねて、奈良まで出かけたこともしばしばです(^_^;)

その頃夢中になって読んだのが、永井さんや黒岩重吾さんの小説や、里中満智子さんの漫画です。

ふとしたことで「ちょっと、読み返してみようかな・・」と思い立って、読み直してみました。
何度も読んだので、ざーっと読むと以前の感動が蘇ってきました。アメリカまで持ってきてて良かった(笑)

美貌の女帝=元正天皇は、持統天皇(彼女のおばあさま)−元明天皇(彼女のお母様)の系譜に連なる『蘇我氏』の女性のひとりですが、生涯独身を貫いた女帝でもあります。

この小説では、彼女の妹・吉備皇女と結婚した長屋王(彼のお屋敷跡は、今は倒産してしまった某百貨店のところにありますね^^)と、若き日にちょっぴりロマンスがあったのかしら・・?といったスタンスがとられています。

このあたりの微妙な表現が、過去に娘心を刺激したものでしたわ^^;;;

まぁ、そんなことはおいといて(コホン^^;)
歴史小説や漫画は、書き手の思い入れとかも色々あるので、必ずしも史実と一致しているのかどうか・・という意見はあるかと思います。
しかし、書き手の方が提示して下さった、ひとつの『かたち』として、小説に出てくる人物像が生き生きと描かれていれば、おのずと興味も湧きますし、また新たな想像を巡らすことも出来ます。

時代考証もしっかり描かれていますし、『物語』としても充分面白い作品だと思います。

お気に入り度・・★★★★★

マエストロに乾杯

知恵の森文庫 石戸谷結子 著

(2004年9月2日 (木)  記 『何見た?何読んだ?!』から転載)

この本は10年ほど前、「単行本」として出版されていたのですが、今年7月に、新たに文庫本として再販されました。
日本のお友達に送って頂いた物です〜〜どうもありがとうm(__)m

クラシック音楽の演奏家へのインタビュー記録ですが、10年経ったということで、各人の現在の近況を付け加えてあります。

しかし・・
著者の好みがあるのかしら?近況がとっても詳しく載っている方と、そうでない方の差が顕著に感じました。

現在はインターネットでも簡単に調べられるご時世のはずですが・・

近況を載せるのならば、きちんと調べて欲しいな・・と思いました。その点が気になりました。

戦時下日本のドイツ人たち

集英社新書 上田浩二・荒井訓 著

(2004年9月10日 (金) 記 『何見た?何読んだ?!』から転載)

この本は、日中戦争の始まった1937年から、第二次世界大戦終了後、占領軍による在日ドイツ人の本国送還が決まった1947年までの約10年間の『戦時下』に、日本で過ごしていた在日ドイツ人の方々24人に対するインタビューがメインとなっています。

当時の在日ドイツ人は約3000人、その多くは、歴史に名前が残るような人たちではなく、留学生や仕事で来ていた人、兵士、また上海へ行くつもりだったのに、船の行き先が急に変わって日本へ流れ着いた人などのごく『普通の人々』だったとか。

多くの方は、東京や横浜で暮らしてたそうですが、空襲が酷くなるにつれ、軽井沢や箱根の強羅などの保養地へ疎開なさったそうです。

ちなみに現在の在日ドイツ人は約4000人だそうですから、時代背景を考えると、かなり多くの方が日本で暮らしていたことになります。

当時日本で暮らしていたということは、インタビューを受けた方々は、もうかなりのご年配ということになりますけど、当時の奮闘振り、苦労したことなどを(著者のまとめ方の手腕もあるかと思いますが)決して湿っぽくならずに、さらっと語っているところがよかったです。
ちなみに著者は、(今はどうなのかしら?)某国営放送のラジオ講座で、何度か講師を務めてらっしゃる方々です。お二人の講座は、なかなか面白かったですよ〜(#^.^#)

貴重な歴史の証言という面も持っていますが、異文化で暮らしている自分にとっても、教訓になることが色々。
どんな環境でも前向きな考え方の人たちが多かったことに、西洋人のバイタリティを感じます。
見習わなくっちゃね(^^)v 

お気に入り度・・★★★★★

本はともだち

今日の更新は、久々(一ヶ月以上ほったらかしてました^^;)『読書の覚え書き』に記事の追加です。

・・と申しましても、先日纏め買いした新しい本ではなく、過去にハマっていたものを、久しぶりに本棚から取り出して読んでみたものです。むかーし、何回も読んだものですわ〜〜^^;

活字中毒というほど、本好きではないんですけど(どっちかというと、本に囲まれている『雰囲気』が好きなだけかもしれません^^;;;)時々無性に読みたくなりますね〜〜一応『読書の秋』というところでしょうか?

纏め買いした本の感想も、随時UPしたいと思ってますので、気長にお待ち下さいませ。

今日は『かぼちゃのプリン』を作りました・・が、失敗したので、写真はナシですーー;多分。
(オーブンから出す時に、指をやけどしちゃいました^^;;;)

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