お友達ブログのサルダナパルスさんのお宅で取り上げられているのを読んで、そういえばもうひとり「アイドルを探せ!」シリーズで取り上げるつもりだった,このひとのことを思い出しました(^。^;
ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(Hanno Mueller-Brachmann:1970年ドイツ生まれ・Bs-Br)
公式サイトではないですが、経歴はこちらのサイトがわかりやすいのではないかと思います。
オペラ歌手としては、'96にベルリン国立歌劇場でデビュー。'98より、この劇場の専属歌手として、様々なレパートリーをこなしています。
多分?!最も有名なのは、ローマン・トレーケル(Br)とも共演している、ドリス・デーリエ演出のプロダクション「コジ・ファン・トゥッテ」でのグリエルモでしょう。この演出はDVDにもなっていますから、ご覧になったことがある方も多いと思います。
レパートリーは、ドイツオペラでは、グリエルモの他には、パパゲーノ(魔笛)、フィガロ(フィガロの結婚)、レポレッロ(ドン・ジョヴァンニ)、オレスト(エレクトラ)、アンフォルタス(パルジファル)、ドンナー(ラインの黄金)、コートナー(マイスタージンガー)、カスパール(魔弾の射手)、ドン・フェルナンド(フィデリオ)など。
非ドイツオペラでは、エスカミーリョ(カルメン)、ショナール(ラ・ボエーム)、ゴロー(ペレアスとメリサンド)、ティムール(トゥーランドット)トムスキー公爵(スペードの女王)、イワン・ヤーコレヴィチ(ショスタコーヴィッチの「鼻」)・・・といったところでしょうか。
(*1)この年末プレミエの「ボリス・ゴドゥノフ」では書記官長シチェルカーロフにもチャレンジします。
(*1)ブラッハマン → Alfredo Daza に変更
パパゲーノ役では、バイエルンにも出演してます。ちょっとだけですが、ビデオクリップで見られますので、興味のある方はどうぞ!
(この前も話題にしましたけど、バイエルンの「魔笛」は、現在もエファーディングの演出。'83の映像とほぼ同じ感じですね)
彼については、「コジ」のDVDを見ただけでも、歌良し、ルックス良し、演技力良し…で、是非一度実演を聴いてみたいと思っていたのですが、その思いを強くしたのが、彼の本拠地・リンデンでの「ドン・ジョヴァンニ」レポレッロ役を実際にご覧になられたフンメルさんのレポートでした。
《2006年3月16日追加:「ベルリン中央駅」のマサトさんもブラッハマン@レポレッロ、ご覧になったとのことです。風邪で本調子ではなかったとのこと…残念でしたねToT》
実は私、今まで見た聴いたソフトのなかで、これ!というレポレッロには未だに出会ってません。(というほど、この作品を聴き込んではいないんですけどね^^;)
この役、単なる道化役と捉えてもいいのかもしれませんけど、それだけではつまらないし、かといって、あまりにも冷めたレポレッロというのも寂しいし…少し乾いたユーモアもあるような「粋」が欲しいんです。
それに何と言っても、相当の歌唱力+表現力が求められますものね。
この点を満たしたレポレッロを、いつか聴いてみたいと思っているのですが、もしかしたらブラッハマンは、私の理想のレポレッロ像に、限りなく近いんじゃないかしら?!と、淡い期待を抱いているというわけです(^-^)
で、このブラッハマン@レポレッロですけど:
本拠地リンデンでは、来年3月に再演があります。
サルダナパルスさんのお宅でも紹介して頂きましたが(ありがとう!)この「ドン・ジョヴァンニ」には、過去に私がこのシリーズで取り上げた、ルネ・パーペ(タイトルロール)&(*2)アレクサンドル・ヴィノグラドフ(マゼット)との共演です。
(*2)ヴィノグラドフはキャンセル。 → 未定。
…なんか、現在のリンデンでの力関係そのもののような配役なのは、気のせいでしょうか?^^;…
(余談ですが、今シーズンのリンデンでの、この3人の共演は他に「マイスタージンガー」((*3)パペ@ポーグナー、ブラッハマン@コートナー、ヴィノグラドフ@夜警)とプレミエの「ボリス・ゴドゥノフ」(パペ@ボリス、(*1)ブラッハマン@シチェルカーロフ、ヴィノグラドフ@ピーメン)が予定されてます)
(*3)パペ → クルト・リドルに変更。
(*1)ブラッハマン → Alfredo Daza に変更。
それはともかく、モーツァルトの《ダ・ポンテ》3部作シリーズの中で、リンデンで映像化されてないのは、この《ドン・ジョヴァンニ》だけですから、是非期待したいところですね。
指揮もバレンボイムの予定ですし、うーん、期待度が高まりますね(^^)
ヨーロッパにお住まいの方々、必見!だと思います。
ブラッハマン@レポレッロは、同じく来年3月下旬に、ウィーン国立歌劇場でもお目にかかることができます。彼にとっては、来年3月はレポレッロ集中月間ということでしょうか?^^;
(この「ドン・ジョヴァンニ」は、来年1月にも別キャストで上演されます。そちらでは、サルダナパルスさんの思い人(笑)←お返し!^^サイモン・キーンリーサイドがタイトルロールなんですね^^ ブラッハマンとの共演じゃなくって、ちょっと残念ですね。もしも共演だったらもう絶対見に行っちゃう!ってところじゃないかしら?^^;)
また彼は、そもそもオペラよりもリートやコンサートでの活躍の方が早かったらしく(調べたけど詳細はわからなかったのですが)過去に東京でもコンサートを行っているようですね。
現在もリートやコンサート活動を精力的に行っているようで、サルダナパルスさんから教えて頂いた情報では、つい先日、エディンバラ・フェスティバルでも《白鳥の歌(Swanengesang)》と、マーラーの《子供の不思議な角笛(Das Knaben Wunderhorn)》のコンサートに出演。加えてプロムスでの「第9」のソリストとしても歌ったとのことです。
(「第9」は年末年始のリンデンのジルベスタ&ニューイヤー・コンサートでもソリストとして出演予定です →
年始に観て来ました!遠目から見ても長身痩躯の彼は、やはり素敵でしたよ(*^^*レポはこちらからGo!)
CDはバッハなどの宗教曲が数点出てますが、リートを2つ、聴いてみました。シューベルトのマイナー歌曲からの抜粋です。ちょっとずつ試聴できますので、興味のある方はどうぞ。
・Deutsche Schubert-Lied-Edition 11 - North German Poets
・Les Nouveaux Interpretes -Schubert: Lieder
映像のグリエルモのイメージとはちょっと違う、思ったよりも厳しい表現で、あれ?と思ったのですが、低いけど明るい声質+ディクションが明快で、重くならずに聴けると思います。これは、上で紹介した「白鳥の歌」も同様だと思います。
リートに関しては、まだ未開部分が多いので、あまり語れません。この程度でご容赦をm(__)m
…ここまで書いておきながら、実は彼の声は私にとっては、ちょっと眩しすぎるというか、明るすぎるんですよね(^^;
勿論明るいと言っても、能天気に明るいわけではないし、陰影もちゃんとあるんですけどね…
例えばローマン・トレーケルの艶消し声と、ブラッハマンの明るくてよく響く声の違いは、ちょうど東独気質と南西独気質との違い、つまり出身地の違いのようなものかもしれません。
どちらも、優れたリート歌手であることは間違いないと思います。
いずれにしろ、ブラッハマンは現在35歳、客観的に見ても、正に今が「旬」だと思います。
日本のオペラ関係のBBSや音楽雑誌で、殆ど取り上げられていないのが不思議ですが、これは恐らく、メジャーレーベルでの録音がないこと(一応、Harmonia Mundi とNaxosとは契約している模様ですが)に加えて、オペラでの来日がないことに起因しているのでしょう。
えっと、不定期連載?!した「アイドルを探せ!」シリーズですが、一応、これで終了です。こんなに偏った人選では、「アイドルを探せ!」というよりも、
「ベルリン国立歌劇場のアイドルたち、若しくは私好みの若手男声歌手」
と銘打った方がよかったかも・・などと思ってます(^^;
(実はルネ・パペに関しては、決して「好きな歌手」ではないんです…でも客観的に見て、取り上げるべき歌手だと思ったので、取り上げました。今になって読み返してみると、愛のなさがアリアリと出てますね^^;)
本音はテノールも取り上げたいところですが、なかなかこれ!という方に巡り合えなくて(><; 今後のソフト鑑賞&実演でいいな、と思う人、実力ありそうだけど…という人がいれば、また書いていこうと思います。
《関連記事》
・日本のオペラ歌手に対する記事って?
・日本のオペラ歌手に対する記事って? 追記
・ベルリン国立歌劇場 2005−2006シーズン日程
・アイドルを探せ!Vol.1 ルネ・パーペ(Bs)
・アイドルを探せ!Vol.2 アレクサンドル・ヴィノグラドフ(Bs)
・アイドルを探せ!Vol.3 ローマン・トレーケル(Br)
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